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目指すは楽団所属&娘との合奏! アラフォーシングルマザーが再び音楽の道へ【作者に聞いた】

文●杉山幸恵

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 保育士をしながらシングルマザーとして3人の子育てをし、さらには「規格外な夫婦」 「母親だから当たり前?」「99%離婚」などの著書を持つ龍たまこさん。自身や子どもたちのことなど日常をつづったブログ「「新・規格外でもいいじゃない!!」も好評だ。そんな龍たまこさんの中学生になる長女・すーちゃんが吹奏楽部に入部。かつて自身も楽器を演奏していたこともあり、娘の楽譜を見たり、一緒に演奏会に行ったりしているうちに、〝吹奏楽熱〟に火が付いた龍さん。ついには中古のアルトサックスを購入、そして楽器を手に入れたらには演奏をしたいと楽団探しをスタートさせた。そんなアラフォーからの新たな挑戦というライフシフトをつづったコミックエッセイを紹介する共に、さらなるエピソードをご本人に聞いてみた。

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娘の吹奏楽入部に触発されてアルトサックスを購入、さらに楽団探しをスタート!

 すーちゃんから吹奏楽部の話を聞いたり、一緒に吹奏楽曲を聞いているうちに「もう一度楽器を始めたい」と思い始めた龍たまこさん。まずは音楽遍歴を聞いてみた。

 「4歳からピアノを習っていましたが、不真面目であまり上達はしませんでした(笑)。中学生になってから、吹奏楽部でアルトサックスを始めて。高校の途中まで続けてましたが、実質サックスは5年くらいしかやってなかったと思います」

 学生時代にアルトサックスを演奏していたものの挫折、その後20年以上楽器に触れることがなかった。そんな龍さんを再び音楽の道へ駆り立てたものは何だったのだろうか。

 「娘がホルンを始めて、どんどん上手になって、生き生きとしてる姿を見ていると、なんだか体の奥の方からメラメラと湧き上がってくるものがあって。『あ!これ、昔の自分もこうだった』と言う感覚になったんです。20年以上も封印していたものがパカーっと開いたみたいな感じ。その瞬間に『もう一度吹いてみたい』と思いました」

 そして、「時間もないし、吹く場所もないし」と悩みつつも、「もう一度楽器を始めたら、娘と一緒に吹ける日か来るかも」と、思い切って中古のアルトサックスを購入した。その後は一人で練習を続けていたが、やはり合奏がしたい!という思いがムクムクと。そのためには楽団に所属しなければならないのだが、いろいろと葛藤もあったそうで…。

 「まず、20年以上のブランクがある自分を入れてくれる楽団があるのか? 楽器の技術も知識もほぼ忘れてしまった状態から、全く知り合いがいない楽団に飛び込んでやっていけるのか? そもそも、シングルでダブルワークしている状態なのに、楽器を練習する時間とお金を捻出できるんだろうか?などなど。考えれば考えるほど、いくらでも不安は出てきました」

 しばらく悩んだのち、ダメだったら退団すればいいかと楽観的になり、楽団探しを始めた龍さん。「大編成で本格的、練習場所が近いA楽団」と「子連れOKだが練習場所が遠いB楽団」を検討し、まずはA楽団のHPから見学希望の問い合わせを送ることに。ところが2週間経っても返事がなく2度目の問い合わせをするもまた2週間、音沙汰がなかった。

 3度目の正直とA楽団に問い合わせをしつつ、B楽団にも連絡をしてみることに。結局、A楽団とは縁がなかったようだが、B楽団はすぐによい返事がかえってきた。

 「この時のことは今でも不思議です。最初にメールしたA楽団も、普通に活動されていて、団員の募集もしているんですよね。でも、待てど暮らせど返事はなく、練習場所であるホールに楽団の代表者の連絡先を聞いてみたのですが、そことも連絡が取れず…。でも、次に連絡したB楽団からは、翌日に返事が来ました。単純にうれしかったですし、A楽団から全然返事が来なかったので、『あ、ちゃんと返事って来るんだな』って(笑)。ブログの読者の方からは『それはもうB楽団に縁があったんですよ!』って言われました」

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