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クラウドカメラで現場から価値を創る先進事例

気軽にばらまける“IoTの目”、ウェザーニューズと大成建設が「ソラカメ」で映すもの

福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 ソラコムは、年次のIoTカンファレンス「SORACOM Discovery 2024」を開催。本記事では、クラウド型カメラ「ソラカメ」のビジネス事例が披露されたセッションの様子をレポートする。

 ソラカメは、電源とWi-Fiがあればすぐに使えるクラウド型カメラサービス。リーズナブルなカメラを工事不要で設置でき、録画データはクラウドに蓄積され、マルチデバイスで視聴できる。オープンなAPIを搭載しているため、独自サービスやAI画像解析などとも連携可能だ。

 この気軽にばらまける“IoTの目”を活用した、ウェザーニューズと大成建設の取り組みが語られた。

クラウド型カメラサービス「ソラカメ」

ウェザーニューズ:1500台のソラカメをユーザーに配布、日本の空を可視化して予報の精度向上にも

 ウェザーニューズは、個人・法人向けに気象情報を届ける、名の通り天気を生業とする企業だ。

 これまでもソラコムと連携しており、気象IoTセンサー「ソラテナPro」やIoT花粉観測機「ポールンロボ」にて、IoT通信サービスの「SORACOM Air」を利用していた。そして、ソラカメで挑戦しているのが、お天気アプリ「ウェザーニュース」におけるライブカメラネットワークの拡大だ(関連記事:ソラカメ導入でユーザー参加型天気予報の精度を高めたウェザーニューズ)。

 元々同社では、全国400ヵ所のライブカメラを運用していた。ウェザーニューズのモバイル・インターネット事業部 グループリーダーである上山亮佑氏は、「ライブカメラはPVがとても高いコンテンツ。これをさらに伸ばせないかと考えていたが、設置場所や運用・費用面がネックになっていた。ソラカメに出会ってやりたい夢が広がった」と説明する。

ウェザーニューズ モバイル・インターネット事業部 グループリーダー 上山亮佑氏

 ソラカメを採用したのは、低コストで設置が容易な上に、APIでアプリと連携できる点からだ。同社はソラコムと共同で、ソラカメの映像をウェザーニュースに送る仕組みを開発。2024年3月には、ユーザーであるウェザーリポーターにソラカメを配布して、ライブカメラネットワークを広げる「Myライブカメラ企画」を開始した。

 「はたして個人の方がソラカメを設置してくれるか」(上山氏)と心配しながらのスタートであったが、開始4か月で、400台から1500台にまで広がった。申し込みが殺到し、日本地図がライブ画面で埋まりそうな人気ぶりだという。「“日本の空をライブするネットワーク”という目標にソラカメが一歩近づけてくれた」と上山氏。

ライブカメラネットワークは日本地図上を覆うほどに

 一方で、ユーザーからはカメラの設置が難しいという声も挙がった。これは参加者が増えることで設置のノウハウが自然に集まり、それをシェアすることで解決した。

 今では、雨柱や落雷、虹やツバメ巣まで、全国各地の空の映像がソラカメを通じて集められている。これらはアプリを通して閲覧できるだけではなく、通常の気象観測器では取得できない、貴重な気象データとしても活用できる。上山氏は「ソラカメがどんどん設置されることで、目でしか分からなかった日本の空の情報が可視化されていき、天気予想の精度向上につながることを期待している」と今後の展望を述べた。

ライブカメラがおさめた様々な映像

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