ヤマト運輸を騙るフィッシングだけで5万4000件
あっさりと過去最多を更新です。
フィッシング対策協議会がまとめた2024年7月の「フィッシング報告状況」によれば「報告件数」は前月より3万3695件増えて17万7855件でした。これまでの最多報告件数から一気に2万件超増えた計算です。
なお、これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。
さて2024年7月は、ヤマト運輸を騙るフィッシングが報告数全体の約30.6%を占めました。先月の時点でも2万件を超えていましたが、今回は倍以上の5万4000件に達しています。ちなみに2019年全体の報告件数は5万5787件でした。
そして1万件以上の報告があったAmazon、東京電力、三井住友カード、イオンカードを騙るフィッシングの報告をあわせると、5ブランドで全体の約82.6%を占めるとのこと。
分野別では、ヤマト運輸を含む配送系が約30.7%でトップ。次いで、クレジット・信販系が約29.2%、EC系が約19.2%、電力・ガス・水道系が約13.7%、金融系が約2.2%となっています。
メールではなくSMSを使うフィッシング詐欺、スミッシングでは金融系ブランドや東京電力を騙るものが目立ったようです。また、 Googleメッセージで利用できるRCSチャット経由のフィッシングメッセージの報告が増えています。
違和感に気付きにくいフィッシングメールも
一方、フィッシングメール/メッセージなどからの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数」は、前月から1万6400件減って3万8591件でした。ほぼ先々月の値に戻った格好です。
フィッシング詐欺に悪用された「ブランド件数」は、前月から2ブランド増えて73件でした。前月同様、ブランドを絞って大量送信されている状態は変わりません。
キャンペーンメールなどの配信が多いブランドの場合、それら正規メールの文面を片端からコピーしてリンクを入れ替えただけのフィッシングメールが配信されているとのこと。同協会では、「受信者の宛名などが記載されていないバラまき型のメール文面が多く、違和感に気付きにくい」として注意を呼び掛けています。
もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。