PCIe 5.0×4の最速更新! 1万4000MB/秒超えを達成したCrucial「T705」レビュー
提供: マイクロンジャパン
PCIe 5.0×4 SSD最高峰「T705」は発熱面も不安なし
検証環境では放熱フィンのない板状ヒートシンクを採用しているが、80mmファンでヒートシンクに風を送っているため、テスト中に「T705」のサーマルスロットリングのしきい値に設定されている81度に達することはなかった。とは言え、PCIe 5.0×4 SSDの温度周りは、自作ユーザーが最も気になるところだろう。ここからは、「CrystalDiskMark 8.0.5」を利用し、負荷をかけた際の温度をチェックしていこう。
「CrystalDiskMark 8.0.5」は「デフォルト」モード、プロファイル「現実性能 [+Mix](R50%:W50%)」、データサイズ「64GiB」、テスト回数「9回」に設定し、「SEQ1M Q8T1」を実行した。「T705」の温度は「HWiNFO64 Pro」で記録し、まとめた。
テストは「T705」の温度が、35度前後の状態で実行し、PCケースフロントからのエアフローを想定した80mmファンを停止した状態でも計測した。
PCケースフロントからのエアフローを想定して設置した80mmファンからの風の効果は大きく、最大でも71度に抑えこめているが、エアフローがない状態では2回ほど81度に達してしまっている。
サーマルスロットリングが発生したのは、テスト後半のMix(R50%:W50%)実行時で、82度に達するとともに、6000MB/秒台だったリード・ライトが2000MB/秒台にまでダウン。70度台後半まで下がることで5000MB/秒~6000MB/秒台に戻っていた。
PCIe 5.0×4の限界に迫った「T705」のパフォーマンスを発揮させるには、エアフローは必要だが、マザーボード標準装備の板状ヒートシンクでも十分なようだ。フィン構造を備えたヒートシンクを装備した「T705」なら、より冷却できそうだ。
人気の大型M.2ヒートシンクも試してみた
ガッツリ冷えて速度低下の心配無用
ヒートシンク非搭載の「T705」は、好みのM.2ヒートシンクを組み合わせられるのも魅力。ここでは大型ヒートシンクを備えたThermalright「HR-09 2280」と、JIUSHARK「M.2-THREE」を試してみた。
同じ条件でテストを実行した際の温度推移をまとめたのが下のグラフだ。CPUクーラーも手がけているThermalrightの「HR-09 2280」はさすがのひと言で、ファンありでは板状ヒートシンクのデフォルトを11度も下回る60度を記録している。
さらにエアフローをなくしても、70度と「T705」を不安なく運用できる温度になっている。テストを行なったのが、冬並みの気温となったタイミングだったのもあるが、なかなか魅力的だ。
付属の60mmファンは干渉して使えなかった「M.2-THREE」も、全高74.5mmの大型ヒートシンクでエアフローのある状態で65度、ない状態でも73度と、ヒートシンクサイズにあった冷却性能を発揮している。1800円前後の手ごろな価格で、環境次第では60mm角ファンをヒートシンクに取り付けできる「M.2-THREE」は、コスパ優秀と言えるだろう。
少ないエアフローでも、放熱効果を発揮する「HR-09 2280」に、コスパ優れた「M.2-THREE」を試したが、ともに「T705」との組み合わせは安心しておすすめできる結果となっている。
最高峰の一角間違いなしの「T705」で組もう
価格面に、さらにPCIe 5.0×4スロット装備のマザーボードの普及と、ハードルは高いままだが、気になる存在であるPCIe 5.0×4 NVMe SSD。Crucial「T705」は、そんなGen5 SSDの最高峰間違いなしのパフォーマンスを発揮した。
発熱面もエアフローは必要だが、マザーボード標準装備の板状ヒートシンク(裏面冷却プレート装備)の環境でも十分パフォーマンスを発揮可能と不安なしだ。この春以降、最速にこだわったハイスペックなマシンを組もうと考えているユーザーは、最速ストレージの「T705」を狙うのはどうだろうか。