乗っ取られたPCたちが一斉に攻撃に参加
Q:「踏み台」ってなに?
A:悪意ある第三者が、サイバー攻撃実行のために不正利用する他人のコンピューターやサーバーのこと。
それらを拠点として利用した攻撃を「踏み台攻撃」と呼ぶ。
踏み台を利用することで、サイバー攻撃の実行者は自身の正体や居場所を隠蔽できるため、攻撃された企業や個人が攻撃者を特定しにくくなる。また、捜査機関による調査も遅れてしまうため、長期間にわたって攻撃を実行できる。
さらに、複数の踏み台を同時に悪用することでDDoS攻撃のような大規模な攻撃も可能となる。踏み台をつくる際、攻撃者はセキュリティが脆弱なシステムへの侵入を試みるが、その手法はフィッシングメールによるアカウントの乗っ取りも多い。
侵入に成功した攻撃者は権限を獲得してシステムの掌握を図り、ほかのシステムへさらなる侵入を果たすとともに、企業にとって重要な情報を窃取することもある。
最大の問題は、踏み台にされた企業や個人は知らぬ間にサイバー攻撃に加担してしまうこと。そうならないためにもフィッシングを含めたセキュリティ対策を実施するとともに、不審な通信が実行されていないかどうかを監視し、適宜遮断するような対処も必要になるだろう。
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