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USB-C搭載、Proはチタンで軽量化! iPhone 15徹底大特集 第99回

【レビュー】人々はなぜApple Watchを買うのか? 機械式時計ユーザーが体験した違い

2024年01月04日 12時00分更新

文● 鹿野貴司 写真●鹿野貴司 編集●飯島恵里子/ASCII

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はじめてのApple Watch。ケースはアルミニウム・シルバー・大きめの45mmを選択。文字盤はいろいろ試した結果、機械式時計っぽい「ワールドタイム」に落ち着いた。四隅のコンプリケーション(ショートカット)には当初マップ、天気、ミュージック、バッテリーを設定。バッテリーが1日持つことがわかった今は、カレンダーに変えている

機械式からApple Watchへ

 いま、街中でもっとも見かける腕時計は間違いなくApple Watchだ。調べたら初代発売は2015年4月。もう9年近くも前になる。だがApple Watchをガシガシ操作して、たとえばメールを打っているとか、ウェブを閲覧している人を僕は見た記憶がない。そもそもスマホという手の中に収まり、情報の閲覧や入力にも適した通信機器がある中で、小さな腕時計にも通信機能を求める必要があるのか。以前「Apple Watchって便利なの?」とSeries 6を持っている妻に聞いたところ、「家の中で消えたiPhoneを探すのに便利」とのことだった。僕は自宅でも常にポケットにiPhoneを入れているので、どうやらその必要性は薄そうだ。

 かくして腕時計は、20年以上前に衝動買いしたスイス某社製の機械式。今は価格が5倍くらいに高騰し、とても衝動買いなんぞできない品だが、そのぶん慈しんで毎日毎日ゼンマイを巻いてきた。そして何か悪いタイマーが内蔵されているのか、五輪やW杯並みの4年周期で壊れてきた。そのタイミングが2023年夏にやってきたのだが、見積書の金額欄を見て「これでApple Watchが買えるじゃん」と思ったのが、今まで興味のなかったApple Watchが気になり始めたきっかけだ。

筆者所有のXiaomi Smart Band 7(左)とApple Watch Series 9(右)

 その修理中はガーミンの「ForeAthlete 230J」という、ランニングウォッチのエントリーモデルを装着していた。ときどき東京マラソンなどの大会にも出る鈍足市民ランナーの僕は、これをもっぱら走るときに使っているのだが、普段使いでは無駄にゴツい。そこにAmazon.co.jpのセールで「Xiaomi Smart Band 7」(以降、Smart Band 7)が爆安になっているのを発見。すでに本国では大幅に改良されたSmart Band 8が発売されているから安いんだろう……とやや後ろ向きな気分で購入したのだが。

 当たり前だが、各種メッセージの通知が届くのが便利で、腕時計が修理を終えてもすっかりSmart Band 7が手放せなくなった。最近は仕事関連の連絡というと、相手によってメッセンジャー、LINE、そしてZ世代だと古典的なSMS(仕事相手のオッサンとSNSやLINEで繋がりたくないのだろう)と方法がまちまち。とくにSMSはiPhoneの通知がわかりにくく、連絡をスルーしてしまうことも多かった。冒頭で常にポケットにiPhoneを入れていると書いたが、それは頻繁に飛んでくる連絡を確認するためであり、そんな人間こそApple Watchの恩恵が大きいのだ。

 実のところメッセージの通知を受けるだけなら、Apple Watchの10分の1程度で買えるSmart Band 7で十分。しかも新型のSmart Band 8は、発売当初の価格が前型の6990円から5990円へと下がりながら、機能や性能がアップしている。ならば値段が10倍のApple Watchには何があるのか。人々はなぜ揃ってApple Watchを買うのか。そんなことを考えていたらApple Watch Series 9が発表され、僕はすぐさま予約した次第である。

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