Woman's ways代表・潮田玲子さん/これまでの人生で一番大きなシフトチェンジは?
人生100年時代といわれる昨今、自分らしい働き方や暮らし方を模索する女性たちが増えている。そんな女性たちに役立つ情報を発信するムック『brand new ME! ブランニューミー 40代・50代から選ぶ新しい生き方BOOK vol.1』(KADOKAWA刊)から抜粋してお届けするインタビューシリーズ。今回は、元バドミントン五輪選手だった潮田玲子さんに、人生のシフトチェンジについて聞いてみた。
変わらぬ自分らしさと、変わり続ける力で新たな扉を開く
——潮田さんにとって、これまでの人生で一番大きなシフトチェンジは?
やはり競技生活を現役引退したタイミングですね。北京オリンピックのときに引退するかどうかで悩んだのですが、そのとき「バドミントンなくして私はこの先、どうやって生きていけばいいんだろう」と急に怖くなったんです。それで、次のロンドンオリンピックまでの4年をかけて、セカンドキャリアを見据えながら心の準備をしていきました。
——どんなふうに準備をしましたか?
とにかく競技生活にやり残したことがないように、一つずつ。オリンピックを目指すのは本当に険しい道なんですよ。その上、私は女子ダブルスから混合ダブルスに種目を変えたので、ゼロからのスタート。最初の2年くらいは、ずっと暗いトンネルの中を歩いているような状態でした。最終的には目標であったロンドン五輪出場を果たすことができ、大変な状況の中でもやり遂げたことは大きな自信に繋がりました。本当に大切な4年間でした。
——キャスターの道に進まれた当初は戸惑いもありましたか?
「頑張り方がわからない」という壁にぶつかりました。スポーツは、練習して試合で出てきた課題をクリアしていくことの積み重ねですよね。でも、キャスターの仕事には正解がないので、途中で「私はちゃんとキャリアを積み重ねられているのか」と不安を抱えたことがあります。
——その状況をどのようにして打破したのでしょうか?
私は競技生活で「手を抜かなかったら、それは絶対に成果に繋がっていく」ということを学んできました。だから、正解はわからないけれど、とりあえず目の前の仕事を100%の力で頑張ろうと思ったんです。そうやって続けていくうちに、自分の中の引き出しが増えてきたとか、だんだん成果を感じられるようになりましたね。
——諦めそうになったとき、どうやって自分を鼓舞していますか?
原点に立ち返ることが大切だと思います。「なぜ自分はそれを選んだのか」を自分自身に問いかけると、自分にはこれしかないという想いとか、何かに貢献したいとか、誰かにいい影響を与えたいとか、いろんな答えが出てくるんです。時間をかけて自問自答を繰り返すことで原点になった想いが見えてくると、また頑張れます。
——いまチャレンジしてみたいことは何ですか?
子どもの成長を目の当たりにしているうちに、「私は全然成長してないな」と感じることが増えてきたんです。引退して10年、自分の経験をアウトプットし続けてきたけれど、ここから次のステージに進むにはもっと学ばなきゃと思っています。いま特に学びたいのはメンタルについて。その仕組みをもっとクリアに理解したいと感じています。子育てにあたっても自分のメンタルが整っていたほうが子どもにいい影響を与えられますし。「Woman's ways」の活動にも繋がるのですが、女性ホルモンによる感情の乱れをコントロールする方法についてももう一度よく学び直したいですね。
——40代、そして50代を迎えるにあたり、意識していることは?
子どもたちも大きくなっていって、私の時間ももう少しできて、いろいろな状況がよく見えてくると思うので、ここからが勝負だと思っています。肉体的な面はもちろん人間力も含め、努力をすればしただけ、いままで以上に絶対自分に返ってくると思う。ありきたりですが、今日の自分が一番若い!と思ったら頑張れる(笑)。もちろん「あと10年若かったら、もうちょっと頑張れるのにな」と思うことはあります。でもやっぱり後悔したくない。これからも成長を止めないでいきたいです。
Profile:潮田玲子
しおた・れいこ/一般社団法人Woman's ways代表。元バドミントン日本代表選手。1983年、福岡県生まれ。幼い時からバドミントンを始め、女子ダブルスでは小椋久美子さんとのペアで、全日本総合選手権大会を2004年から5年連続優勝。2008年には北京オリンピックに出場し、5位入賞。2012年混合ダブルスでロンドンオリンピックに出場、同年9月に現役を引退。2014年より(公財)日本バドミントン協会広報委員会を務める。2021年に「一般社団法人Woman's ways」を立ち上げ、女性アスリートのサポートを担う活動を行う。著作に絵本『いっぽいっぽのくつ』(フレーべル館)がある。
この記事の編集者は以下の記事もオススメしています
-
ライフシフト
「40 代・50 代はちょうど折り返し地点」ライフシフト・ジャパンの河野純子が人生 100 年時代 の楽しみ方を指南 -
ライフシフト
【平野ノラ】片付けによる人生の切り開き術を伝授!KADOKAWAの新事業「brand new ME!」イベントで講演 -
ライフシフト
予防医療コンサルタントの細川モモが“ライフワークの見つけ方”をアドバイス -
ライフシフト
ハンドメイドリボンのベストセラー著者が講演!「やってみたい」と思ったらまずは小さく始めてみては? -
ライフシフト
人気ブロガーのカータンが講演!「好きなことはやった方がいい!」と“日常の楽しみ方”を伝授 -
ライフシフト
柚希礼音の成長を促したターニングポイントとは?イベント「brand new ME!」で講演 -
ライフシフト
思い出を整理する方法は捨てるだけじゃない。新しい視点で“楽しい終活”を目指す -
ライフシフト
なぜ器だったのか。自問自答を繰り返して見つけたスタイリストの歩き方 -
ライフシフト
バレエダンサーからアパレル立ち上げ 花柄レオタードでバレエの魅力を広めたい! -
ライフシフト
自分のペースを見極めて 仕事も暮らしも楽しめる老後を過ごしたい -
ライフシフト
誰かの役に立ちたいという思いで独立、料理を武器に夫とともに発信