アニメってどんな人がつくっているの? アニプレックスの人に聞いてみよう!
【SAOの周りにある仕事を紹介】ソニー主催「CurioStep サマーチャレンジ2023」オンライントークイベント
2023年09月20日 19時00分更新
子どもの頃の興味が今の仕事に!
アニメつくる人はどんな子どもだった?
――子どもの頃、どんなことに夢中でしたか? また、今の仕事に通じていることはありますか?
松崎:私はいろいろなことに興味が湧く子どもだったので1つのことにこだわったことはないですが、SF小説の「2001年宇宙の旅」(著者:アーサー・C・クラーク)という本に夢中になってから「どんな未来が来るのだろう」とワクワクして、ほかの小説を読むのも好きになりました。
それからテクノロジーという分野に興味が湧いて、仕事にしたいとも思っていたので、アニメと技術を掛け合わせる今の仕事に繋がっていると思います。
栃木:子どもの頃は野球とギターに夢中になりましたが、そのきっかけは全部マンガでした。ギタリストになりたくてイギリスに行きましたが、その時に「やっぱり海外に関わる仕事がしたい」と漠然と思っていたので、それが今の仕事に繋がっているかもしれません。
今の仕事に興味を持ったのはまさにSAOが理由で、就職活動の時「SAOのようなVRを作りたい!」と思ってソニーに就職しました。ただ、すぐにはVRの仕事に縁が無かったので、アニメそのものに関わりたいと考えを変えて、グループの中でアニメに関わる仕事をしている部署に弟子入りさせてもらいました。その仕事を手伝いながら経験を溜めて4年かけてアニプレックスに異動させてもらった、というのが今の仕事をしている経緯になります。
金子:空想したり妄想したりするのが大好きな少年でした。小さい頃から、アニメや映画の中身はもちろん、エンドロールで流れるスタッフの名前も意識していて「そちら側の世界に行きたい」と思いクリエイターになりたかったのを覚えています。ただ、内向的な子どもだったので夢を周りの人には言えなかったですね。心の中で僕だけが温めていた想いでした。
「アニメか映画に携わりたい」と20歳の時に覚悟を決めて飛び出しましたが、アニメーターになるための勉強をしてきたかといわれるとそういうわけではなかったので、クリエイターと一緒に仕事をする制作の仕事に就きました。それから15年間アニメ制作の仕事をしています。
丹羽:子どもの頃は何も考えていなかったですね。目の前のことは何でも夢中になっていたような気がします。強いて挙げるならカードゲームにハマった覚えがあって、友だちと遊ぶほかにデッキを2つ置いて1人2役で自分と戦ったりしていました。夢中になるとそのことに没頭してしまう子どもだったと思います。
そうやって大人になって最初の仕事は音楽関係の仕事でした。CDを店舗に売る仕事でしたが、ある時アニメの主題歌が飛ぶように売れたことがあって衝撃を受けました。その時ちょうどアニメがオタク文化から大衆に受け入れられ始めている雰囲気があって、気になってアニメの仕事に移ったという経緯で今の仕事をしています。
アニメをつくる人がこの先に目指すものは…
――今後やりたいこと、目指していること、注目していることはなんですか?
松崎:SAOの世界を体験できる施設は東京の新宿にあるのですが、遠くに住む人には体験できる機会が少ないと思っています。なので、遠隔で一緒に冒険できる仕組みを作りたいと考えていて、それを可能にする技術を使いながら実現を目指しています。
栃木:アニメを見てもらえる国をもっと増やしたいと考えています。最近ではアフリカなど途上国にも広がりを感じるので世界中にリーチを広げていきたいです。国によってアニメの熱量も変わるので、いろいろな国でイベントが展開される様子も見てみたいです。
金子:あえて厳しいことを言いますが、アニメの仕事は大変なことも多いです。大変とはいえ、時代の流れや技術の発達でアニメ制作の現場も雰囲気が変わってきています。そんな現場で僕らはかけがえのないものを生み出しているので一緒に仕事をする人には楽しいと思ってほしい。僕がこの先やりたいのは仕事の楽しさを見つけられる現場作りです。
.丹羽:僕はこの仕事をずっと続けたいと思っています。チームでつくって作品を届けるのが本当に楽しいので、チームメイトが注目していることにも気付いてあげたいですね。さまざまなアイデアから面白いものが生まれますし、作品にも還元されていくと思うので、いろいろな挑戦を続けていきたいです。