第291回 SORACOM公式ブログ

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接点入出力搭載LTE-M対応IoTゲートウェイ「SmartFitPROシリーズ」

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「接点入出力搭載LTE-M対応IoTゲートウェイ「SmartFitPROシリーズ」」を再編集したものです。

 みなさん、こんにちは。ソラコムの横田(shun)です。

 本ブログでは、接点入出力を搭載したLTE-M対応IoTゲートウェイのひとつである「SmartFitPROシリーズ」をご紹介します。IoTゲートウェイと呼ばれるデバイスは世の中に数多く存在し、それぞれどのようなセンサーやネットワークに接続するかで特徴が大きく変わります。

 今回ご紹介するSmartFitProはプログラミング不要で接点(スイッチのON/OFF)の入出力を行うことができるIoTゲートウェイです。SmartFitProを使うことで、プログラミングの知識がなくとも接点を使ったセンサー、例えば開閉センサーや人感センサーといった二値の監視やスイッチの操作などが可能です。本ブログではこのSmartFitProの具体的な使い方とどんなユースケースに向いているかをご説明いたします。

SmartFitPROシリーズの特徴

 SmartFitPROシリーズは接点監視を主な機能としたIoTゲートウェイです。SmartFitPRO BasicとSmartFitPRO Standardの2つのラインナップがあり、仕様が異なっています。

 電源はUSB Type-Cで供給します。Basicは単4サイズの電池(リチウム推奨)で駆動することが可能です。

 サイズは100(W)×75(D)×25(H)[mm]と比較的小さく、重量に関しても、

  • ・Basic: 100 [g](電池込)
  • ・Standard: 80 [g]

と、非常に軽く扱いやすいデバイスです。背部にはDINレールマウントが取り付けられており、簡単に設置が可能です。また、DINレールマウントを取り外したネジ穴を利用して、直接ネジで設置することも可能です。

 SmartFitPROシリーズの大きな特徴として以下の3つの点が挙げられます。

  1. 1.接点入出力を搭載
  2. 2.LTE-Mを利用したネットワークへの接続
  3. 3.専用セッティングツールで簡単にデバイスの設定が可能

 これらの特徴をそれぞれ解説していきます。

接点入出力を搭載

 接点とはいわゆるスイッチのようにON/OFFで状態を表現するセンサーやデバイスの仕組みで、扉の開閉、人が入ったことを知らせる人感センサー、異常を知らせるアラートなど多くのシーンで利用されている仕組みです。SmartFitPROシリーズはその接点入出力を用いてセンサーや現場のデバイスと接続し、状況をネットワークを介してモニタリングしたり、スイッチを操作することが可能です。

 接点出力の制御は購入時のままでは出来ない仕様となっております。接点出力の制御を行いたい場合は製造元の旭光電機様にお問い合わせください。

 前述のようにSmartFitPROシリーズにはSmartFitPRO BasicとSmartFitPRO Standardの二種類が用意されており、それぞれ接点入力の数に違いがあります。

  • ・Basic:接点入力(状態監視)1ch、 接点出力(状態制御)1ch
  • ・Standard:接点入力(状態監視)8ch、 接点出力(状態制御)1ch

 監視したい接点の数が1つの場合はBasicを、複数ある場合はStandardを選択するのが良いでしょう。それぞれ接点入出力の端子の形状が違っていますので、ご注意ください。

 Basicの場合はこちらのコネクタに接続します(Basicには白いDI1-8 端子コネクタはありません)。

 Standardの場合はこちらのコネクタに接続します。

LTE-Mを利用したネットワークへの接続

 SmartFitPROはLTE-Mを利用してネットワークへ接続します。LTE-M(Long Term Evolution for Machines)は、低消費電力、広範囲カバレッジ、低コストの特性を持つIoTデバイスの接続に適した通信技術です。LTE-Mを利用することでLTEよりも消費電力を抑えることが可能です。

 SORACOMの回線を利用する場合、Docomo/KDDIのLTE-M対応のサブスクリプションをご利用ください。LTE-Mへの対応可否はこちらのSORACOM Air for セルラーのページでご覧いただけます。

専用セッティングツールで簡単にデバイスの設定が可能

 IoTゲートウェイを利用するためにはインターフェースや通信に関するソフトウェアの設定をする必要があります。例えば以前紹介した「MA-S120シリーズ」ではLinuxというOSが搭載されており、アプリケーションを構築することで非常に柔軟性の高い運用が可能です。その反面、ソフトウェアの開発が必要になるため、利用するためには専門的な知識が必要となります。

 今回紹介するSmartFitPROシリーズには、ソフトウェアを設定するためのWindowsアプリケーションが用意されています。そのため、プログラミングは一切不要で簡単にデバイスを使い始めることが可能です。設定のためのアプリケーションはこちらからダウンロードが可能です。Basic/Standardそれぞれに対応した設定ファイルのダウンロードを行ってください。

ソラコムの設定

 SmartFitPROシリーズでソラコムの回線を利用するための設定をご紹介します。今回はIoTゲートウェイ SmartFitPRO Standard スターターキットに付属する特定地域向け IoT SIM(plan-D)を利用して、UnifiedEndpointに30秒ごとにデータを送信するための設定方法を記載します。

  1. 1.PCとSmartFitPROを設定モードで接続する。

 まずPC側にUSBケーブルを接続します。その後、SmartFitPROのユーザースイッチを先の細い工具で押しながらUSBケーブルを接続します。

 設定モードになると、USB横のLEDが500ms周期で点滅します。点滅しない場合、設定モードになっていないため、上記手順をやり直してください。

  1. アプリケーションを立ち上げ、接続を行う

 こちらからダウンロードしたzipファイル内のアプリケーション(SmartFitPROSettingTool_SoracomStore.exe)を開き、左上の接続ボタンをクリックします。

  1. 3.管理モードに移行し、初期設定を行う

 こちらからダウンロードしたzipファイル内のreadme_Standard.txtを参照いただき、管理モードに移行します。

 zipファイル内のSmartFitPROSetting_Basic.csvを利用して設定の初期化を行います。インポートボタンを押下し、SmartFitPROSetting_Basic.csvを選択して読み込みます。

  1. 4.APNの設定を行う

LTE/Cloud Setting タブの中のLTE タブを選択し、以下の設定を入力します。(SmartFitPROSetting_Basic.csvを利用して初期設定を行った場合、最初から設定されています。)入力後は書込ボタンを押してデバイスに設定を反映させます。

  • ・ユーザー名:sora
  • ・パスワード:sora
  • ・APN:soracom.io
  • ・接続先:SORACOM
  • ・PIN:0000
  1. 5.UnifiedEndpointの設定を行う

 TCP/UDPタブを選択し、以下の設定を入力します。プロトコル欄は利用するプロトコルを設定します。入力後は書込ボタンを押してデバイスに設定を反映させます。

  • ・エンドポイント:uni.soracom.io
  • ・エンドポイント(HTTP):http://uni.soracom.io
  • ・PORT:23080
  • ・プロトコル:UDP or TCP

 次にLEVEL1タブを選択し、送信周期を設定します。今回は30秒に一回送信を行うため、30に設定します。入力後は書込ボタンを押してデバイスに設定を反映させます。

  1. 6.設定を終了し、電源を切る

 セッティングツールを終了し、USBを抜いて設定は終了です。

SmartFitPROをおすすめするユースケース

 SmartFitPROの他にも接点入出力を扱えるIoTデバイスはいくつもあります。その中でこれまで述べてきましたSmartFitPROの特徴を踏まえて、SmartFitPROをおすすめするユースケースとしては、

  • ・電源が取れず消費電力を抑えて通信する必要のあるケース
  • ・ソフトウェア開発をせずにすぐにIoTゲートウェイを利用したいケース

になります。

 LTE-Mに対応していることで通信にかかる電力を抑えることが可能であり、Basicであれば単3電池に対応していますし、Standardでもモバイルバッテリーを使って駆動することができます。電池駆動が必要なケースでは活躍してくれるデバイスです。

 また、セッティングツールが用意されていることで、ソフトウェアを開発する必要がないことも非常に大きなポイントです。複雑な使い方をしないのであれば、SmartFitPROの設定の範囲で十分にデータをクラウドにアップロードすることが可能です。Linux搭載のIoTゲートウェイ等と違い、ソフトウェア開発不要であることは、導入のスピードやソフトウェア保守・運用の工数の面で非常に有利であり、実際のプロジェクトで利用するに当たり大きなアドバンテージとなります。

まとめ

 今回はIoTゲートウェイであるSmartFitPROシリーズの特徴と使い方、おすすめするケースのご紹介をしました。低消費電力でソフトウェア開発が不要な接点監視デバイスとして非常に使いやすいIoTゲートウェイかと思います。

 ソラコムのIoTストアでもスターターキットとして、すぐに買ってお使いいただけますので気になった方はぜひお試しいただければと思います。

IoTゲートウェイ SmartFitPRO Basicスターターキット

IoTゲートウェイ SmartFitPRO Standardスターターキット

―ソラコム横田(shun)

投稿 接点入出力搭載LTE-M対応IoTゲートウェイ「SmartFitPROシリーズ」SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。

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