本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「スマートプラグで「ソラカメ」やIoTデバイスの電源コントロール!(前編)」を再編集したものです。
こんにちは!ソラコムでSoracom Cloud Camera Services「ソラカメ」のSales and BizDev leadを担当しております高見です。(ニックネーム:yuu)
昨年5月にリリースしたSoracom Cloud Camera Services「ソラカメ」は、カメラの映像を常時録画し、いつでも再生したりAPIで操作できるSaaSです。ありがたいことに1社で100台以上のカメラを導入し、管理、運用されているお客様も増えてきております。
ソラカメの利用にはソラカメ対応カメラハードウェアが必要ですが、安価で始めやすく、また、幅広い設置環境に対応できるラインナップを用意しています。そのカメラがアトムテック社のATOM Cam 2やATOM Cam Swingです。これらはカメラ本体が防塵・防水性能で、場所を問わずご利用いただけますが、電源部は非防水・非防塵です。そこで、4.5mの電源用フラットUSBケーブルを用いることで、屋内からの電源確保が可能です。
オフラインとなったデバイスの回復の手段と、スマートプラグ
先のケーブルを利用することで様々な場所に設置できるようになりますが、例えば屋外利用ではWi-Fiのアクセスポイントとの距離も離れてしまい、安定的な通信が確保できず、意図せずネットワークがオフラインとなってしまう可能性が高まります。
オフラインとなってしまったIoT機器の復旧手段として、よくあるのが「電源の入れなおし」です。パソコンではシャットダウンや再起動といった操作が必要ですが、ソラカメ対応カメラは堅牢な造りになっているため、動作中でも電源ケーブルの抜き差しだけで復旧を試みることができます。
さて、電源の入れなおしで復旧できるソラカメ対応カメラですが、遠隔にある設置してある場合は電源のOFF/ONをすぐに行うことができないという場面は多いのではないでしょうか。特に重要なカメラの場合には現場まで急行しなければならないということもあるかと思います。
そのような場合に、現場に急行しなくても遠隔から電源のON/OFFを操作することができるのが「スマートプラグ」です。
スマートプラグって何?
スマートプラグとはIoT技術を使って、遠隔地から電源のON/OFFの切り替え制御を行える製品です。通販サイトで検索してみると2,000円弱から1万円以下ぐらいまで、様々なバリエーションがあります。
今回は、下記要件に適合する製品を探してみました。
- 要件1:Wi-Fiに接続できる
- 要件2:遠隔地からスマホアプリで電源ON/OFFができる
- 要件3:APIがあり、電源ON/OFF操作を自動化できる
結果として、今回はSwitchBotのスマートプラグ(型番:W2001400)を利用しました。価格は、大手通販サイトで1台あたり2000円弱でした。(2023年5月24日時点)
実物の写真がこちらです。手の平にのるサイズで大きく場所をとらないので、設置も簡単です。
そして、実際に設置したイメージがこちらです。
電源コンセントにスマートプラグを挿します。スマートプラグにソラカメ対応カメラ(ATOM Cam)の電源を接続する形です。これで、遠隔からスマートプラグの電源をON/OFFすれば、カメラ本体の電源ON/OFFもできるようになります。
スマートプラグをWi-Fiのアクセスポイントに近い場所、すなわち通信環境が安定している場所に設置することで、仮にカメラ本体が屋外だったとしても、電源制御を安定的に行うことが可能です。これで、カメラ本体のネットワークがオフラインになってしまっても、遠隔から電源の入れなおしが行えます。
スマートプラグについては弊社提供製品ではなく市販されているものです。また、スマートプラグの動作保証などを当社がしているわけではなく、弊社サポート対象外となります。
具体的な使い方
SwitchBotのスマートプラグの場合、スマホアプリから電源プラグのON/OFFを制御することができます。まず、お手持ちのスマホにSwitchBotのアプリをインストールします。
ログインすると下図の左側・画面キャプチャが表示されます。
今回スマートプラグを利用しているカメラは「ATOM Cam 2 akasaka mt-fuji2」という名称です。下図右側の画面キャプチャを見ると現在、オンライン状態です。
これをSwitchBotアプリでスマートプラグの電源をOFFにします。
カメラの電源がOFF(下図左側)になりますので、当然ATOMアプリ(下図右側)でも対象カメラがOFFになったことが確認できました。
現在の状態をネットワーク接続が切れてしまい、一定時間以上ネットワークが復旧せずにカメラ本体の電源が落ちた状態と仮定すると、この状態からスマートプラグで電源ONに再度することで、電源が再度入りカメラが復旧しますので、実際にやってみましょう。
SwitchBotアプリでカメラの電源をONにします。すると、ATOMアプリでも対象カメラが無事復旧していることができました。
ソラカメ対応カメラはネットワーク接続の一時的な切断に対する再接続処理は盛り込まれており、通信の確保に努めるようには設計されていますが、それでも復旧できない場合に対しても、スマートプラグを活用することで現場に赴くことなく対処ができます。
カメラの台数が増えてくると、設置拠点も点在しますし、発生確率が低い事象でも台数が増えれば事象発生回数は増えてしまいます。少しでもソラカメユーザーの皆様の運用・管理がなればと考え、今回はスマートプラグの活用方法について共有しました。
ソラカメも運用管理を楽にする機能は、今後もリリースしていきたいと考えております。楽しみにお待ちください。
より高度な使い方(自動化)について
SwitchBotのスマートプラグにはAPIが用意されています。APIを利用すれば、電源のON/OFFを自動化することができるようになります。
次回のブログでは、APIを使って自動化する方法について記載したいと思います。ご自身でコードを書いたり、AWS Lamdaを使った環境構築ができる方向けのアドバンストな内容をお届け予定です。
構成イメージは下記のとおりです。
後半「スマートプラグでIoTデバイスの電源コントロールカメラ管理をもっと簡単に!(後編)」もお楽しみにしてください。
最後に告知です。
7月5日〜7月6日にIoTカンファレンス「SORACOM Discovery 2023」を開催します。今回登場したソラカメだけではなく、IoTの今を知ることのできる2日間のカンファレンスです。ソラカメも実機やデモの展示、ワークショップを予定しておりますので、ぜひご来場ください。
― ソラコム 高見 (yuu)
投稿 スマートプラグで「ソラカメ」やIoTデバイスの電源コントロール!(前編) は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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