月額7700円で何人でも使えるチャットはどんな企業におすすめか、カゴヤの人に聞いてみた

定額なのにユーザー数無制限! ビジネスチャット「KAGOYA Chat」を知る

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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カゴヤが提供するビジネスチャット「KAGOYA Chat」(https://www.kagoya.jp/chat/

 カゴヤ・ジャパンが今年(2023年)1月31日からサービス提供を開始した「KAGOYA Chat」。月額7700円(税込)の固定料金にもかかわらずユーザー数無制限で使えるという特徴から、「ビジネスチャットを安価かつシンプルに導入したい」「これまで無料版や個人向けのチャットを使ってきたが、会社としてきちんと1つにまとめたい」といった職場を中心に、幅広く採用が進みつつあるという。

 KAGOYA Chatはどんなサービスで、どんな企業に向いているのか。今回は、サービス開発段階から携わってきたシステム開発チームの黒田氏、カスタマーサポートチームで新規顧客にKAGOYA Chatを案内する細見氏に話を聞いた。

カゴヤ・ジャパン 開発グループ システム開発チーム メールサービス担当の黒田氏、カスタマーサポートチーム カスタマーセールスチームの細見洋介氏

定額/ユーザー数無制限のチャットサービスがなぜ実現したのか?

 KAGOYA Chatの最大の特徴は、やはり「ユーザー数無制限」かつ「定額制」という点だ。

 一般的なビジネスチャットツールでは、ほとんどの場合「1ユーザーあたり月額○○○円」という料金体系を取っている。最初は安く思えても、ユーザー数が増えるほど毎月のコスト負担が重くなってくる。だからと言ってチャットが使えるユーザーを一部社員のみに制限してしまうと、社内のコミュニケーションが円滑に行えず不便だ。

 定額でユーザー数無制限のKAGOYA Chatを使えば、そんな心配をする必要がなくなる。月額の7700円を自社のユーザー数で割ってみると、ほかのビジネスチャットツールよりも低価格になるケースが多いのではないだろうか。

 「後発のチャットサービスとして展開を始めるにあたって、何か特徴を持たせるために考えたのが『定額、無制限』でした。実際、KAGOYA Chatへのお問い合わせをいただくお客様も、その部分が目にとまって『詳しく話を聞きたい』とご連絡いただくケースが多いですね」(細見氏)

 KAGOYA Chatの企画段階から携わってきた黒田氏によると、以前から提供しているメールサーバーのレンタルサービス「KAGOYA Internet Routing メールプラン」が最も評価されているポイントは定額/ユーザー数無制限であることだという。ビジネスチャットでも、同じように定額、無制限のサービスならばニーズがあるのではないか――。そういう考えから誕生したのがKAGOYA Chatだった。

 「カゴヤはもともとレンタルサーバー事業者なので、サーバーリソースは豊富に準備できます。定額、無制限のKAGOYA Chatは、そんなカゴヤの強みを生かしたサービスだと言えます」(黒田氏)

 ちなみに、カタログ上では「想定ユーザー数:200人(想定同時利用ユーザー数:50人)」となっているが、これはあくまでも目安の数字である。細見氏は、同時利用ユーザーが50人程度に収まるのであれば、より大きなユーザー規模でも使えると説明した。「チャットの利用頻度が低い場合は、200人を超えるユーザー数でも問題なくご利用いただけると思います」(細見氏)。

PC/スマホからアクセス、シンプルかつ十分な機能を提供

 KAGOYA Chatはシンプルなチャットツールだが、ビジネス現場のコミュニケーションに十分な機能を備えている。

 ユーザーはデスクトップアプリ(Windows/macOS/Linux)やモバイルアプリ(iOS/Android)からアクセスして、メッセージを送信できる。メッセージにファイルを添付して資料を共有したり(ディスク容量は最大100GB)、特定の相手にダイレクトメッセージを送ったりすることも可能だ。

KAGOYA Chatのユーザー画面例。PC、スマートフォンのどちらからでも簡単に使える

 メッセージの投稿先は、部門ごとに用意された「チーム」、もしくはプロジェクトや目的ごとに用意された「チャンネル」となる。たとえば「全社員に公開するチャンネル」「特定のメンバーしかアクセスできないチャンネル」など、それぞれ公開/非公開の設定もできる。

 社外取引先やパートナー企業などのゲストユーザーを招待するのも簡単だ。あらかじめゲストがアクセスできるチャンネルを制限することで、無関係な情報へのアクセスを防ぎつつ、チャットを使ったスムーズなコミュニケーションが実現する。

 KAGOYA Chatはこうした仕組みを持つので、「全社へのお知らせ」から「組織/企業横断型のプロジェクト」、さらに「経営幹部間のやり取り」まで幅広く使える。メッセージや添付ファイルの検索機能もあるので、情報共有基盤としても有益だ。

 管理者側の立場で見ると、大きな特徴は「サーバー管理が不要」という点だろう。KAGOYA Chatのサーバーはカゴヤ側で管理を行うので、ユーザー企業側の管理者が稼働監視をしたりメンテナンスしたりする必要はない。管理者はあくまでもチャットユーザーの管理やチーム、チャンネルなどの管理だけをするだけでよい。

 ユーザーごとに「管理者」や「チームオーナー(部門リーダー)」「一般ユーザー」といったロール(役割)を設定して、それぞれに一定の権限を与えることも可能だ。ある程度の規模の組織であれば、各部門のリーダーにチームメンバーやチャンネルの追加権限を与えておけば、全体を管理する管理者の手間も軽減される。

ユーザーの管理画面。ロールの設定による権限委譲もできる

 セキュリティ面では、すべての通信が暗号化されるので通信からの情報漏洩が防げるほか、ユーザーログイン時に二要素認証をかけることもできる。また、監査向けにすべてのメッセージ履歴を保持することが可能だ。

 そのほか、API(Webhook)経由や業務自動化ツール「Zapier(ザピアー)」経由で外部のさまざまなサービスと連携させて、外部サービスからの通知をKAGOYA Chatで受け取るといった使い方も可能だ。KAGOYA Chatはオープンソースの「Rocket.Chat」をベースに開発されているため、そうした連携機能も豊富に用意されている。

ユーザー数無制限の特徴を生かせば、新しい使い方も考えられる

 KAGOYA Chatがリリースされて3カ月、すでにさまざまな企業からの問い合わせがあるという。どんな企業からの問い合わせが多いのだろうか。

 「お問い合わせで多いのが『これまでビジネスチャットの無料プランを使ってきたのだけれど、一定期間がたつとメッセージや添付ファイルが削除されてしまうので乗り換えたい』といったものです。また、これまで個人向けのチャットツールを業務利用していたのだけど、業務上のやり取りが個人のスマホに分散してしまうのはよくないと、お問い合わせをいただくケースもあります」(細見氏)

 顧客の企業規模としては数十人から200人程度が中心だが、中には数千人規模の企業からの問い合わせもあるという。前述したとおり、ユーザー数としては多くても、チャットの利用頻度が低ければ十分利用できる可能性がある。一般的に想像されるチャット以外の使い方も考えられるだろう。「たとえば、ある地域の某協同組合さんが、組合員の農家の方をつなぐツールとして使えないかと、問い合わせをいただいたこともあります」(細見氏)。

 小売業や飲食業など、アルバイトやパートのスタッフが多くユーザー数の変動が大きいような職場にも適しているという。ユーザー数単位で課金される一般的なビジネスチャットサービスならば、ユーザー数が変化するたびに契約/解約の作業が発生する。KAGOYA Chatならばユーザー数の増減にかかわらず定額なので、そうした面倒がない。

 カゴヤのサービス窓口から、日本語で問い合わせやサポート依頼ができるのも安心材料だろう。カゴヤ側でも積極的に顧客の声を聞く姿勢を取っている。「たとえば、これまで使ってきたほかのビジネスチャットからデータを丸ごとインポートしたいというお客様の声があり、現在ツールの検証を進めているところです」(黒田氏)。

 KAGOYA Chatはまだリリースされてから間もないサービスであり、カゴヤでは今後、ユーザーのフィードバックを受けながらサービスの強化や改善を進めていく方針だ。

 「たとえばKAGOYA Internet Routing メールプラン(メールサーバーサービス)をお使いのお客様が、ユーザーアカウントの管理をKAGOYA Chatと一元化できるような機能を開発しています。また、KAGOYA ChatのベースであるRocket.Chatが備えるビデオチャット機能があまり安定していないので、新しいビデオチャットツールと連携させることも検討しています。このように、今後もお客様のフィードバックをいただきながら、新機能や新サービスを追加していきたいと考えています」(黒田氏)

(提供:カゴヤ・ジャパン)

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