公正取引委員会は2月9日に「モバイルOS等に関する実態調査報告書」を公開しました。レポートは、現在の市場において圧倒的なシェアを獲得しているグーグルとアップルのモバイルOS、およびアプリストアに自社のアプリやサービスを優遇し、競争者の排除を招く蓋然性が認められると伝えています。
グーグルとアップルのように世界規模のデジタルプラットフォームを運営する事業者の活動に対して、昨今は海外の競争当局も関心を寄せ、公平な仕組みが維持されるべきとの指摘を表しています。
では、実際にアプリストアで「商品」としてアプリを配信・販売し、デジタルエコノミーの中に身を置くデベロッパーは、アプリストア事業者との関係性をどのように受けとめているのでしょうか。アップルのApp Storeでアプリを提供するデベロッパー・2社の代表が複数の媒体・記者が参加したグループインタビューに応えました。
人気のアプリ:「UDトーク」と「辞書 by 物書堂」
Shamrock Records(シャムロック・レコード)の代表である青木秀仁氏は、iPhoneで手軽に自動文字起こしや外国語翻訳もできるアプリ「UDトーク」のデベロッパーです。聴覚障がいを持つ方も、iPhoneがあれば手話通訳を介することなくスムーズにコミュニケーションができるアプリとしても、UDトークは注目されています。詳しい紹介はこちらの記事「iPhone対応“自動文字起こし”アプリ「UDトーク」賢い使い方を開発者に聞いた」も合わせてご覧ください。
「辞書 by 物書堂」は、ひとつのアプリから様々な種類の辞書を参照できるアプリです。学問からビジネス、生涯教育にまで幅広く活用されています。アプリ内課金により購入した辞書は、App Storeのユニバーサル購入の仕組みにより、iPhone・iPad・Macをまたいで使ったり、ファミリー共有により家族と一緒に役立てられます。物書堂の代表取締役である廣瀬則仁氏は、日本のApp Storeの黎明期からiPhoneアプリの開発に携わるデベロッパーです。