このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

G-Master Spear Z790/D5をレビュー

13900K搭載PCは空冷でもイケる?PL1設定別に性能と温度を検証

2022年12月28日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

一般用途では160Wのサイコム設定が253W設定と遜色ない性能に

 もちろん、PCの処理はCPUをフルに稼働させるCGレンダリングや動画エンコードといったものばかりではない。ブラウジングやオンラインMTG、ゲームなどの一般用途では数スレッドの処理になるので負荷が低く、温度問題のハードルはぐっと下がる。

 では、一般用途ではサイコム設定のPL1=160WとPL1=253Wでどのくらいの性能差があるのか。実際のアプリを使って一般用途を幅広くテストしてくれる「PCMark 10」と、「3DMark」のゲーム用途におけるCPU性能をチェックする「CPU Profile」の2つを試してみた。

 まずはPCMark 10の結果をそれぞれ見てみよう。

PL1=160W設定時のPCMark 10の結果

PL1=253W設定時のPCMark 10の結果

 結果はサイコム設定(PL1=160W)で8937スコアー、PL1=253W設定で8913スコアーと、その差は誤差の範囲。つまり、一般用途においては無理にPL1を引き上げる必要はないということだ。

 続いて、3DMarkのCPU Profileテストの結果も見てみよう。ゲームシーンにおけるCPU性能を測るためのテストで、1、2、4、8、16、MAXと使用するスレッド数ごとにスコアーが出る。

PL1=160W設定時の3DMark CPU Profileテストの結果

PL1=253W設定時の3DMark CPU Profileテストの結果

 ご覧の通り、どのスレッド数であってもPL1設定の差はほとんどなかった。ゲームではCPU負荷が高くなると考えがちだが、それでも多くても8スレッド程度になるタイトルがほとんどだ。また、全コアをフルに使うCGレンダリングのように常に最大負荷が持続するということがないため、サイコム設定のPL1=160Wでも、PL1=253W設定と変わらない性能が出せるわけだ。

 一般用途の中でも負荷が高めのゲームでも、最大負荷が続くCGレンダリングなどでも安全な温度範囲で安定した動作が期待できる……それが、サイコムのPL1=160W設定ということになる。

空冷クーラーでもCore i9-13900Kを運用可能!
不安があれば簡易水冷クーラーも選べる

 今回の試用機材のようにCore i9-13900Kでも、空冷で十分運用できることがわかった。また、CGレンダリングなどの高負荷が続く用途でも、ある程度の性能を維持しながら、安定動作できるようになっていた。PL1=160Wという絶妙な設定が最初から施されている点がいかにもサイコムらしいと言える。

 とはいえ、やっぱりCPUの性能をフルに引き出したいというのであれば、BTOオプションでCPUクーラーを簡易水冷クーラーに変更することもできる。CGレンダリングや動画エンコードなど、CPUの負荷が長時間続く用途をメインに考えているなら検討の価値アリだ。

 自分の使いたい構成に合わせ、細かくPCパーツを選べるところがBTOパソコンの醍醐味だ。G-Master Spear Z790/D5も例外ではなく、CPUやCPUクーラーはもちろん、メモリーにストレージ、ビデオカード、電源ユニットまで数多くのメニューがあるので、幅広くカスタマイズできる。気になる部分があれば変更し、納得のいく1台を手に入れよう。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ