FCNTとソリトンシステムズは10月31日、FCNTのカメラ型デバイス「エッジAIカメラ」がソリトンシステムズの映像配信クラウドサービス「Zao Cloud View」の映像配信デバイスとして正常かつ安定的に動作することの確認試験を完了し、双方の商材を組み合わせた高品質な映像ソリューションを活用した、工事・建設および災害現場のDX実現に向けた協業を開始した。
「Zao Cloud View」は、橋梁点検やコンテナ設置場内の状況確認・点検、工事・建設現場における作業の進行状況の遠隔確認、映像による災害現場の状況確認・情報共有など、多くの導入実績を有するソリューション。
従来、工事・建設現場や災害現場などで「Zao Cloud View」を利用する際の映像配信デバイスとしては、専用デバイス(Zao-X)に加え、作業員などが持つ業務用のスマートフォンが利用されていたが、スマートフォンの場合、炎天下などの過酷な環境下で利用すると、開始後10数分程度で熱による機能制限が生じ、長時間安定して映像配信ができない課題が顕在化していた。
また、外付けカメラや外部モニターの映像を取り込み、スマートフォン経由で「Zao Cloud View」に映像配信する際、外部機器との接続と充電を共存させることができず、長時間の利用ができないという課題もあった。
このような課題に対し、独自の放熱構造、防水防塵対応と、可搬性や設置・撤去の自由度が高い「エッジAIカメラ」を、「Zao Cloud View」の映像配信デバイスとして使用することで、工事・建設現場や災害現場など高温かつ屋外の過酷な環境下でも長時間安定した映像伝送を実現することが可能となった。
さらに、「エッジAIカメラ」は充電用のインターフェース以外に2つの外部機器接続用の拡張インターフェースを備えているため、外付けカメラや外部モニターの映像の取り込みと充電を同時に行なえるうえ、外部機器から取り込んだ映像の長時間伝送も可能となった。
両社は2022年度内に工事・建設現場や災害現場などの既存市場において課題解決が求められる現場への試験的な導入と効果検証および効果の可視化に取り組み、早期に商用サービスとして利活用されることを目指す。
また、「エッジAIカメラ」はローカル5G環境で利用可能な通信機能を有し、「Zao Cloud View」は閉域環境下にも高品質なVMS(Video Management System。監視・防犯カメラなどのネットワークカメラの映像を録画、管理、閲覧するためのソフトウエア)を構築することが可能であるという双方の特長を活かし、工場やプラントなどで今後、導入が加速すると予測されるローカル5G環境下で利用可能なソリューションとしての展開も積極的に推進していくという。