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iPhone 14徹底大特集 Plus復活にカメラ超強化のProも大注目! 第69回

【写真家アドバイス】iPhone 14 Pro Maxの性能を120%生かす撮影テク

2022年10月30日 12時00分更新

文● 鹿野貴司 写真●鹿野貴司 編集●飯島恵里子/ASCII

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夕焼けといったコントラストが強い状況は、HDR(ハイダイナミックレンジ)処理でさらにフラットになりやすい。印象的な風景をきれいに撮れず、モヤモヤした経験のあるiPhoneユーザーも多いはず。こんなときこそRAWだ。ちなみに水平が傾いていたので、それも補正している

 しかしiPhone 14 Pro/Pro Maxではその完璧過ぎてしまい、さらに露出がやや明るめということもあって、のっぺりとした印象を受けやすい。そこで下の2例は現像時に周辺を大きく落とし、ダイナミックに仕上げてみた。どちらも空が広く写っているので効果がよくわかると思う。

そのままでも色彩感はあるが、のっぺりとしているし、もっと深みが欲しかった。そこでちょっと強めにレタッチ。遠景だが立体感が生まれた。明部・暗部ともしっかり粘っており、最新のミラーレス機で撮ったといっても誰も疑わないだろう

あまりにも滑らかに撮れる「アクションモード」

 また少しだけ動画も試してみたが、「アクションモード」はあまりにも滑らかに撮れるので驚きを超えて笑ってしまった。オンにすると撮影した画像の中心部を切り出し、重ね合わせることで見た目上のブレを軽減させる。この仕組み自体はすでに多くのミラーレス機やアクションカムで採用されているが、画角が大きく狭まるのが難点だった。ところがiPhone 14 Pro/Pro Maxでは逆に画角が広がるのだ。もちろん超広角カメラに切り替えているのだが、画質はそれを意識させないほどきれいだ。

ノーファインダーでとりあえずレンズを子供に向けることだけを意識。かなり揺れていたはずだが、まるでジンバル(カメラの揺れをモーターで補正するアーム)を使って撮影したかのようだ

 iPhone 13シリーズから搭載されている「シネマティック」も進化している。いわば動画向けのポートレートモードなのだが、静止画では細かいエラーが気になりがちなボケの処理も、動画では動きの方に意識が向くのであまり気にならない。ピントも人物や動物を自動的に認識。複数人が現れる状況でも、常に主役が誰かを判断してくれる。「違うよ」というときは、ピントを合わせたい部分にタッチをすればよい。

iPhone 14シリーズから4K/30fpsで撮影できるようになったが、取り回しが大変そうなのでHD/30fpsで。でもパソコンやスマホで見るなら十分だ。24fpsで撮影するとかっこいいドキュメンタリーのような映像になるのだが、4Kでしか選択できず。まあ24fpsを選ぶような人は4Kでしょ、ということか

 今回は試用したiPhone 14 Pro MaxにSIMを挿さず、基本的にカメラ機能しか使っていない。iPhoneは機種間の移行が極めて簡単なので、SIMを挿して一時的に使ってみようかとも思ったが、11 Pro Maxに戻れなくなりそうな気がして自制した。

 少しばかりいろいろな機能を触ってみたが、iOS自体の進化もあって各機能が洗練された印象を受ける(iOS 16の切り抜き機能はもうちょっと洗練してほしいけれど)。

 この原稿を書いているMacBook Proも8年くらい使っていて、さすがにそろそろ買い換えたいのだが、今買い換えるならMacBookよりもiPhone だよなぁ……と思わせる14 Pro Maxだった。撮れる画像・映像の質が格段に高く、これで新しい表現にトライしてみたくなる。

 

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筆者紹介――鹿野貴司
 1974年東京都生まれ、多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーランスの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるかたわら、精力的にドキュメンタリーなどの作品を発表している。

 写真集に「山梨県早川町 日本一小さな町の写真館」(平凡社)など。公益社団法人日本写真家協会会員。

 

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