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製造現場が263件のアプリを開発 業務のデジタル化、工事の進捗管理、設備の稼働状況など

目的はデジタル化にあらず 花王がPower Platformの活用事例を披露

2022年10月21日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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 日本マイクロソフトは、ローコード開発ツールであるMicrosoft Power Platformについて説明。同ツールを活用して成果をあげている事例として、花王での取り組みを紹介した。製造現場でのアプリ作成はもちろん、シチズンデベロッパー推進体制を構築し、ローコード開発を積極的に進めている。

日本マイクロソフト ビジネスアプリケーション事業本部長の野村圭太氏

Power Platformは、世界でもっとも包括的な統合型ローコード開発ツール

 Power Platformは、アプリ開発の「Power Apps」、ワークフローを自動化する「Power Automate」、チャットボットなどを提供する「Power Virtual Agents」、ビジネスウェブサイト作成の「Power Pages」、データ分析など行なう「Power BI」の5つのツールで構成されている。

 さらに、Power Platformの各製品を横断して利用するための機能として、データ連携を行なうための750種類以上の「データコネクタ」、AIモデルを簡単に活用できる「AI Builder」、ビジネスデータを保存、管理する「Microsoft Dataverse」、数式言語で開発ができる「Power Fx」、数多くのローコードアプリを管理する「マネージド環境」も提供している。

Power Platformのポートフォリオ

 先頃開催された年次テクニカルカンファレンス「Microsoft Ignite」においては、Power Pagesやマネージド環境の一般公開を開始すると発表。AI Builderのさらなる機能強化も発表した。また、3カ月間のトレーニングを通して、Power Platformに関するスキルアップや認証取得ができる「Power Up Skilling Program」の開始も発表。まずは英語版での提供になるが、スキル認証を取得することで、市民開発者のキャリア支援にもつなげることができるという。

 日本マイクロソフト ビジネスアプリケーション事業本部長の野村圭太氏は、「Power Platformは、世界でもっとも包括的な統合型ローコード開発ツールである」とアピール。「マイクロソフトは、ローコードツールによって、単にアプリ開発の促進や、自動化を行うだけでなく、デジタル変革を支援するために、エンド・トゥ・エンドのポートフォリオとして提供できることが大切だと考えている。また、それらがネイティブに連携し、ひとつのプラットフォームとして、ローコードエクスペリエンスを提供することを目指している」と述べた。

マイクロソフトが考えるローコード

 国内においては、業界や業種、企業規模を問わず、すでに多くの企業が利用しており、トヨタ自動車では、Power Platformを利用して市民開発者を拡大。約2年間で7600人以上のアプリ開発者を育成した。アクティブな開発者は約3000人となり、トヨタ自動車全体の3%を占める。「ユーザー企業としては、世界ナンバーワンの開発者比率になっている」という。

 また、国内18社がPower Platformの導入支援サービスや内製化支援サービス、技術トレーニング、ヘルプデスクサービスなどを提供。今後もパートナーエコシステムを拡大していくという。

 さらに、日本マイクロソフトでは、Power Platformの活用支援策として、デザインシンキングの手法などを用いて、ソリューション構成案作成やプロジェクトの明確化をサポートする「Envisioning Workshop」を提供。市民開発者の育成支援として、Power AppsやPower Automateなどの利用方法を1日で習得できる教育プログラム「App in a Day」や、Power Platformの基礎を無料で学べる「Power Platform Virtual Training Days」を提供。これまでに2万人以上のトレーニングを完了しているという。

2万人以上のトレーニングを完了

 新たに1カ月間でPower Platformの基礎から応用までを習得できる実践プログラムの「Power Platform Onboarding Center」を提供するほか、Power Platformに関する困りごとを相談できる「ITよろず相談センター」を開設したことも紹介した。

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