本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「クラウドカメラの映像を自由にコントロール 〜ソラカメ API・Webコンソールの一般公開〜」を再編集したものです。
目次
ソラカメ API とは?活用のポイントソラカメの API について
カメラ情報取得 API
ライブ映像ストリーミング再生 API
録画映像ストリーミング再生 API
録画映像ダウンロード API
静止画ダウンロード API
ソラカメ APIの利用について
あとがき ~ ソラカメ APIでクラウドカメラの可能性を広げます!
こんにちは、ソラコムでソラカメのプロダクトマネージャをしている五十嵐 (ニックネーム: ash )です。
本日は、カメラ映像をクラウドへ常時録画・再生できる Soracom Cloud Camera Services「ソラカメ」のアップデートをお届けいたします。
ソラカメの映像はスマートフォンのアプリを通して簡単に録画された映像を見ることができるため、今年5月の発売以来、たいへんご好評をいただいております。一方で、ソラカメをスマートフォンのアプリだけではなく、「映像をAIで活用したい」「自社システムと連携したい」というお声を多数いただき、2022 年 7 月よりソラカメ API を Limited Preview として提供してまいりました。
本日ソラカメ API は Limited Preview を卒業し、一般公開となりました。ソラカメのライセンスをお持ちの方であれば、すぐにソラカメAPIをご利用いただけます。
ソラカメ API とは?活用のポイント
ソラカメはスマートフォンのアプリを通して現在の状況や、クラウドに常時録画された過去の映像を簡単に閲覧することができます。昨今では、カメラ映像をAIで解析して判断や自動化に使うケースが増えています。ソラカメに対しても「撮影した映像や静止画を活用したい」といったニーズをお寄せいただいていました。
そんな場合に活躍するのがソラカメ API です。
ソラカメ API を利用すると、ソラカメのライブ映像やクラウド上の録画映像、録画されている任意の時間の静止画を自由に取り出すことができます。取り出した映像を、他システムやサービスと連携させたり、解析したりして、自社のシステムに組み込むなど、新しい付加価値をつけて、新たなソリューションを創り出すことが可能です!
また、Webブラウザ上でAPIの利用体験ができる「 Web コンソール」も同時に公開しています。API って聞くとなんだか難しそうとお感じになられる方もご安心ください。どなたでも、ソラカメ APIを簡単にご利用いただけます。
ソラカメの API について
提供を開始したソラカメ APIは、以下の通りです。
- カメラ情報取得 API
- ライブ映像ストリーミング再生 API
- 録画映像ストリーミング再生 API
- 録画映像ダウンロード API
- 静止画ダウンロード API
カメラ情報取得 API
カメラに関する情報が取得できます。具体的には、次の情報が得られます。
- 名前:カメラに設定した名前
- 状態:カメラの接続情報
- 最終接続日時:カメラが Online になった時間
- ファームウェアバージョン:カメラのファームウェアのバージョン情報
- 製品名:カメラの種類(ATOM Cam 2、ATOM Cam Swing)
- デバイス ID:デバイスの識別子
カメラの動作状況確認や遠隔管理だけでなく、複数台のカメラを管理する際に利用できます。例えば基幹システムに「デバイスID」を記録しておき、カメラの状態をAPIで取得して基幹システム上に表示できます。
ライブ映像ストリーミング再生 API
現在のカメラ映像を、ストリームとして取得できます。
ストリームは MPEG-DASH 形式です。パソコンの動画プレーヤ(例:VLC Media Player)で再生したり、dash.js のようなライブラリを用いることによって、Web アプリケーションへ組み込めます。
例えば地図画像を背景にしたWebページ上で「各地点の今」が一覧できるシステムを構築できます。
※映像の公開範囲にはご注意ください。また、再生可能時間の制約があります。詳しくは本ブログの最後「ソラカメ APIの利用について」をご覧ください。
録画映像ストリーミング再生 API
クラウド上の録画済み映像を、ストリームとして取得できます。
希望する動画の開始時刻と終了時刻を指定すると、ストリームが取得できます。ストリームの仕様は、ライブ映像ストリーミング再生 APIと同じです。
利用例としては、倉庫管理システムの在庫の入出庫時刻と照らし合わせて、当時の作業振り返りに利用できるでしょう。
録画映像ダウンロード API
クラウド上に録画済みの映像を、mp4 形式の動画ファイルとして取得できます。
希望する動画の開始時刻と終了時刻を指定すると、mp4ファイルがパッケージされたZIPファイルがダウンロードできます。期間の指定によっては、ZIPファイル内に複数のmp4ファイルがアーカイブされます。
入手したmp4ファイルは、クラウド上のAI/機械学習エンジンと連携させることができます。また、単純に記録として外部システムへ保存も可能です。
静止画ダウンロード API
希望する動画の時刻を指定すると、静止画が取得できます。
静止画は JEPG 形式です。解像度は録画当時の設定に依存します。例えば、HDで記録している期間であればHD(1280×720ピクセル)のJPEGファイルがダウンロードできます。また、取得指示の際には、ATOM Cam シリーズの広角レンズに起因する画像のゆがみ補正をAPI側で実施するオプションが指定できます。
こちらも過去映像ダウンロード APIと同様に、AI/機械学習エンジンの学習や推論用データとして使えます。また、複数の静止画を取得しておき、タイムラプス動画(コマ送り動画)の素材としても利用できるでしょう。
ソラカメ APIの利用について
ソラカメ APIは、本日よりどなたでも利用いただけます。条件や制約がいくつかあるため、ご確認ください。
- ソラカメのライセンスを割り当てたカメラであれば、ライセンスの保存期間に関わらず API が利用できます。
- 動画再生はカメラ1台あたり月72 時間分です。静止画は1枚を1秒として計上します。それを超える利用が必要な場合はお問い合わせください。
- カメラ1台当たりの月間の利用時間は、エクスポート使用状況APIより取得可能です。
- API へは簡易 Web コンソールおよび、SORACOM CLI からも接続可能です。
- その他詳しい情報についてはこちらを参照ください。
あとがき ~ ソラカメ APIでクラウドカメラの可能性を広げます!
ソラカメ APIによってクラウドカメラの活用範囲が大きく広がると、メンバー一同ワクワクしています。是非ともご活用ください!
すでにお持ちのATOM Cam 2や ATOM Cam Swingにも、「ソラカメ」のライセンスを後から付与することで、今回紹介したAPIが利用できます。ライセンスの価格や付与の方法は「「ソラカメ」ライセンス単独販売開始のお知らせ」をご覧ください。
最後になりますが、静止画の歪み補正機能は、Limited Preview 期間中にご利用いただいたお客様のフィードバックを基に実現しました。大変感謝しております!このようにソラコムでは、積極的に皆様のフィードバックをサービスに反映しております。今後ともどしどしフィードバックをお寄せください。
最後にイベントの告知です。2022年10月26日から幕張で開催される「第13回 Japan IT Week 秋」にソラカメも出展いたします。ソラカメ開発者とも交流できる機会となります。皆様のご来場をお待ちしております。
― ソラカメチーム 五十嵐 (Ash)
投稿 クラウドカメラの映像を自由にコントロール 〜ソラカメ API・Webコンソールの一般公開〜 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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