ASCII Power Review ― 第190回
ハッセルブラッドの最新中判カメラ「X2D 100C」実機レビュー = 写真好きなら絶対手に入れたい逸品だっ!-倶楽部情報局
2022年10月06日 18時00分更新
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本日は、ASCII倶楽部の人気記事「ハッセルブラッドの最新中判カメラ「X2D 100C」実機レビュー = 写真好きなら絶対手に入れたい逸品だっ!」を紹介します。
ハッセルブラッドから中判ミラーレス機の新製品「X2D 100C」が発売された。撮像素子が従来モデル「X1DⅡ50C」の5000万画素から1億画素にアップされたうえ、位相差AFにボディー内手ブレ補正も搭載された上位モデルになる。
短期間だが試用するチャンスに恵まれたので、気になる操作性から画質までチェックしていこう。
精巧なアルミボディにウットリ
最新型UIで迷ない操作
外観のデザインは従来モデルを踏襲し、まるで工芸品のようなアルミ削り出しのボディーが相変わらず美しい。
カラーはグレーからブラックに変更され重厚な印象になった。そういえば初代の「X1D 50C」はシルバーだったので代を重ねるごと濃くなってきたことになる。
ボディーサイズは従来モデルより奥行や高さが4.5~9mm程度、重量は約130g増加しているが、それでも中判デジカメとしてはコンパクトである。
手にしてみると少しグリップの厚みが増したように感じたが、スリムなボディーと背面の指掛かり部が手に馴染み、安定して構えることができホールド感は良好だ。
上面の操作系はポップアップ式モードダイヤル(結構好きなギミックだった)が廃止され、代わりに液晶パネルを搭載。主な撮影情報を一目で確認できるようになった。また電源OFFの状態でも電源ボタンを一瞬押すと、バッテリー残量が表示される。なかなか気の利いた機能だ。
背面液晶はボタン配置やメニュー階層が従来モデルとは一部異なるが、ほとんどの設定をタッチ液晶で行う点は変わらない。撮影情報画面はフォントが大きいので見やすく、メニュー画面は項目ごとに整理されている。
なによりタッチやスクロールがとても滑らかに反応してくれるので操作していて心地良い。また従来モデルでは固定式だった背面液晶も上方のみだが可動できるようになった。
EVFは解像度が576万ドットに向上し、撮影倍率も1倍(35mm換算では0.8倍)と大きな像で確認できる。また視度補正に電子式を採用しているのも珍しい。
ユニークなのは1TBのSSDを内蔵している点。ストレージを搭載している機種は他にもあるが、1TBは未だかつてない大容量だ。16BitのRAW+JPEGで3566枚の撮影ができる。また外部メディアにはCFexpressのTypeBを採用し、SSDと合わせバックアップ記録も可能だ。
バッテリーの形状は変わらずレバー&プッシュ着脱式を採用。従来モデルより容量が増加しUSB PD充電にも対応した新しいタイプに変更されている。
満充電からRAW+JPEGで撮影してみると、273カット546枚撮ったところで残量は10%だった。1億画素で手ブレ補正も搭載した中判デジカメと考えれば十分なスタミナだ。
ストラップの取付金具が500Cシリーズを知っている人には懐かしい着脱可能な形状に変更。三脚使用時などに即座に取り外すことができるので実用性も高い。
新デザインのレンズは軽快な動作
豊富な階調に恐るべき解像度
「X2D 100C」と同時に「XCD 2,5/38V」(35mm換算30mm相当)、「XCD 2,5/55V」(43mm相当)、「XCD 2,5/90V」(71mm相当)の3本のレンズが登場した。共に絞り開放F2.5 でデザインも統一されている。前方のフォーカスリングはスライドさせるとMFに切り替わり、被写界深度目盛のアナログ感もいい感じだ。
後方のコントロールリングには絞りとシャッタースピード、ISO感度に露出補正が割り当てられる。
MF時のピント合わせはピーキングに代わり「フォーカスインジケーター」という機能を搭載。感覚的には二重像合致式に近いが、ピントリングの動きに合わせて測距ポイントの指標が回転するので、直観的にピントを合わせられる。
レンズの描写も含め、画質をRAW+JPEGで撮影したJPEGデータで見ていくと、やはり1億画素だけあって拡大して見たときの細部が精細さは圧巻だ。被写体の質感を忠実に再現してくれる柔らかい階調や、色乗りが深い発色も魅力的である。
今回試用した「XCD 2,5/38V」と「XCD 2,5/55V」の傾向は同一で、絞り開放では周辺光量低下を残した補正になっていて、F5.6あたりから均一になる。解像感は絞り開放から高く、周辺部も像の乱れもごくわずか、レンズ描写が優秀なことがわかる。回折現象はF16を超えると像が甘くなり始める。
高感度はISO6400くらいから少しノイズが見えるが、解像感は保持されている。ISO12800を超えるとノイズ処理で解像感が低下し始めるが、拡大してみなければ最高感度のISO25600でも実用的だ。
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