第140回 SORACOM公式ブログ

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業務データがまとまる「kintone」へ、IoTデータをまとめるには? ― 合同勉強会レポート

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「業務データがまとまる「kintone」へ、IoTデータをまとめるには? ― 合同勉強会レポート」を再編集したものです。

こんにちは、ソラコムの渡邊 ( ニックネーム : dai ) です。
2022年9月3日に、kintone Café 神奈川 Vol.13 & SORACOM UG 東京(リアル/オンライン) が開催されました。私も現地参加したので、イベント参加レポートを共有します!

kintone Café と SORACOM UG とは?

kintone Caféは、サイボウズのクラウドサービス「kintone」について、何ができるのか、kintoneでどこまでできるのか等、kintoneについて勉強したいという方が集まる有志の勉強会です。

そして、SORACOM User Group(UG) は、業種や職業問わず、IoTやIoTプラットフォーム SORACOMについて関心を持った方、既に利用されている方、これからIoTを始める方が誰でも参加することが出来るコミュニティです。

今回は前回の四国に続き、2回目の kintone と SORACOM ユーザーグループによる共同開催でした。テーマは「IoTの可能性!」それぞれのコミュニティからリアル/オンラインで多くの方がIoTの可能性を探るべく参加していただきました!それでは「いざ、鎌倉!!」

会場は鎌倉のお寺

コミュニティの勉強会では様々な会場をお借りするのですが、一般的には会議室が多いです。そんな中、今回は神奈川県鎌倉市の「日蓮宗 妙法華経山 安国論寺」に会場をお借りしました。
このお寺は日蓮宗の宗祖である日蓮聖人が草庵を結んだ場所で、時の政府への政策提言である『立正安国論』が執筆されたところでもあります。世を良くしたいという想いが込められた場所で勉強会が行えたのは、何かしら感じるところがあります。

お寺での勉強会は流石に初めてでしたので、ドキドキしながら鎌倉駅を降りてGoogleマップを頼りに安国論寺へ向かうと、境内の入り口には kintone Café のご案内が目に飛び込んできました。おかげさまで、はじめての場所でも安心して会場へ足を踏み入れることができました!運営の皆さんありがとうございます!

会場に着くとすでに多くのメンバーの方々が準備をしていました。入り口には受付用のQRコードやアルコール消毒と体温計、室内にはWi-Fiや空調などもバッチリご用意頂いていて、とても快適な空間ができあがっていました。

kintone と SORACOM との連携

それではいよいよ勉強会のはじまりです。
今回の共催勉強会の主催者でもあり kintone エバンジェリストでもある合同会社アクアビットの長井さんからご挨拶があった後は、株式会社ジョイゾーの四宮さんより「kintone – SORACOM連携の活用ポイント」からセッションがスタートしました。

ジョイゾーはkintone専業のシステム開発会社であると同時に、SORACOMのパートナーでもあり、多くのIoT事例をお持ちです。四宮さんのセッションでは、SORACOM LTE-M Buttonで在席管理を実現した事例や星野リゾート様の冷蔵庫管理、CO2センサーの情報を「ジョイゾー社のSORACOM連携プラグイン」でkintoneへ取り込むデモなどをご紹介いただきました。

特に印象に残ったのが「目的に応じた、サービス(システム)の使い分け」です。
実はSORACOMでも、IoTデータを可視化・共有できるサービス「SORACOM Lagoon」があります。そうなると、kintoneを利用する理由はどこにあるの?という疑問が出るわけですが、明快な答えとして「情報の一元化や、業務システムやプロセスとの連携や分析」にはkintoneが活きてくるというご紹介でした。kintoneとSORACOMの両方を知っているからこその知見を共有いただきました。

続いてのセッションは、オープニングで挨拶をされた長井さんです。
「kintoneとIoTの連携の勘所を考えてみた」をお話しいただきました。今までデータの入力は「人」が行っていましたが、今後は「IoT端末」や「ロボット」になっていくであろうという展望を披露いただきました。

IoTによって大量のデータが集めやすくなることで、新たに見えてきた課題が出てきたそうです。それが、kintoneにおける 1日に実行できるAPIリクエスト数 です。IoTのセンサーからkintoneにデータを送信するにはAPIを利用することになるわけですが、件数が増えてくると制限されてしまう可能性があります。

この制約を回避する工夫として、3つの方法もご紹介頂きました。

  1. センサーの台数を減らす or アプリを増やす
  2. アプリを場所や時間で分ける and 分析用に統合する
  3. データをフィルタして有意なデータのみ取り込む

APIのリクエスト数を減らすために、センサーの台数やAPIの実行単位であるアプリの数を設計するのは大事なポイントですね。また、データをフィルタして有意なデータのみに絞るのも重要だと思います。デバイス側で処理してデータを減らしてから通知したり、例えば AWS Lambdaで処理してから有意なものだけkintoneへデータ送信する方法もありそうですね。

SORACOM とSORACOM UGのご紹介

続いて、Ridgelinez株式会社 藤田さんとソラコム松下(ニックネーム: Max)から、SORACOM UGのご紹介とSORACOMサービスのご紹介セッションがはじまりました。

SORACOM UGは、IoTやSORACOMを知りたい、使ってみたい、よりよく知りたい方であれば誰でも参加できるコミュニティとして紹介いただきました。有志による運営や、日本全国で支部があったりするのはkintone Caféと似ている部分があります。

続いてMax からは、IoTとSORACOMのご紹介。
ヤマト運輸株式会社のHelloLightを活用した見守りサービス、ふくやIoTのご紹介がありました。中でも、ふくやIoTの紹介の際の「みなさん、ご自宅の明太子の残量はどのくらいですか?」というアイスブレイクトークには、微笑ましい笑いが起こりました。

ソラコムを通じてお使いいただいている400万を超えるIoT契約回線は、いわば「400万を超えるIoTデバイスが動いている社会」を意味しており、あらゆるところで利用いただいています。よりもっと、「つながるが当たり前」の実現に向けて、支援していきたいと改めて感じる次第です。

SORACOM UG メンバーによる IoT 活用の紹介

その後は休憩を挟んで、SORACOM UGのメンバー3名からのIoT活用に関するセッションです。

まずは和田さんのセッション「GPSマルチユニットの紹介 〜いざ鎌倉〜」では、4種のセンサーとLTE-M通信を内蔵した「GPSマルチユニット」と、地図上の仮想的な区切りである「ジオフェンス」を使って鎌倉へ入ったことを自動検知し「いざ鎌倉」をTweetするというタイムリーなデモを披露いただきました。

続いての前嶋さんからは、SORACOM LTE-M Buttonシリーズの特徴や使い分けの方法を紹介いただきました。シンプルな “ボタン” だからこそ、使い方で幅が広がるという意見もいただき、IoTボタンの可能性をみんなで考える機会になりました。

最後の大口さんからは、SORACOM LTE-M Button Plusをさらに深堀りして、郵便受けの開閉通知をご紹介いただきました。

みなさんとてもSORACOMサービスやIoTデバイスを研究されており、また、IoTをとても楽しんで取り組まれているのが伝わって来てとても良いセッションでした!

IoT 体験ハンズオン ~ SORACOM LTE-M Button × kintone

SORACOM UG の方によるSORACOM Buttonのしっかりとした前フリがあった後で、いよいよハンズオンの時間です。

ハンズオンの仕切りは、kintone エバンジェリストでもある株式会社ソフトビレッジの片岡さん。SORACOM LTE-M Buttonを押す → SORACOM Beam を経由して → kintone へ通知 → LEDランプを光らせるというシンプルなものですが、kintone や SORACOM 利用が初めてという方もいらっしゃったため、丁寧に進行しました。

片岡さんの説明に従い1つずつ順を追って進めていきます。kintone と SORACOM それぞれに詳しい参加者同士でフォローしあい、ほとんどの参加者の方が最後まで完走することができました!

テキストも公開されています。

ラストはライトニングトーク大会!

ハンズオンで会場も参加者も温まった後は、ライトニングトーク(略称: LT、数分で行うショートプレゼン)大会が行われました。

トップバッターは横浜市社会福祉協議会の原田さん。
サイボウズ災害支援チームで kintone を活用した「災害ボランティアセンター」の取り組みが紹介されました。行政のデジタル化もIoTで解決すべき大きな課題の1つですね。

続いて、シンボ技研の山崎さんより「キントーンとテレメータシステム」のご紹介がありました。
テレメータとは「遠隔地の雨量、水位、水質等を統括してデータ収集するシステム」で、主に、河川、ダム、活火山、原子力発電所などで利用されるとのこと。こちらも自治体と関連の深いサービスですね。ソラコムでも多くの事例でこういったサービスをお手伝いさせて頂いています。

続いては、ギボンズの藤村さんによる「安国論寺のご本尊と、kintone Café メタバース支部の紹介」セッション。安国論寺のご本尊のお話から、「曼荼羅」をモチーフにしたアイデアマップ “マンダラチャート” の活用例を紹介いただきました。また、バーチャル空間として話題の「メタバース」内にて kintone Caféを開催する試みも紹介いただきました。気になる方は是非参加してみてください!

そして、最後のセッションは Max より「電波についての解説」と「アウトプットの方法」の紹介です。

最初の「電波についての解説」では、電波を “電灯の光” や “波” として捉えることで理解しやすくなるという紹介です。集約させたり指向性を出したりすることができること、また波の性質と同じ様に波長を持ちそれに応じて伝達できるデータ量が変わることを説明していただきました。

最後は「アウトプットの方法」についてです。昨今、エンジニアによるブログや登壇といった “アウトプット” が注目されています。そこでアウトプットの意義ややり方を紹介いただきました。特にブログは「将来の自分に向けたドキュメント」として書くことや、ライトニングトークは「自らの学びを深める」ことを意識して行うのがコツという紹介でした。

IoTの可能性を感じた一日

今回は鎌倉市の安国論寺をお借りしての開催でしたが、kintone アプリと連携することで様々な業務や自治体などでもIoTの可能性が感じられた一日でした。また、ハンズオンやLTを通じて、参加されている方の表情や声をオフラインで直接聞くことができ、非常に楽しかったです。

コミュニティグループの kintone CaféSORACOM User Groupは、全国各地で開催されています。互いに学び合い、交流しあう場というコンセプトですので、このブログを見て少しでもIoTに興味を持っていただいた方、IoTの可能性を感じていただいた方はお気軽に参加してみてください!

― ソラコム 渡邊 ( dai )

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