何枚もホーム画面に重ねられる
「ユニバーサルカード」がUIの機能に追加
さてスマートフォンやタブレットのUIの大きな進化がユニバーサルカードだ。これはホーム画面上に貼り付けるウィジェットのようなカード。ホーム画面に貼り付けることのできるウィジェットはせいぜい数枚だが、ユニバーサルカードは重ねて設置することが可能で、タップすることで複数のカードが入れ替わり表示される。
すでにHarmonyOS 2ではホーム画面上のスマートフォンのアイコンを長押しすることで情報表示も可能なウィジェット型のカード表示への切り替えも可能だった。カードは正方形や横に長い長方形など複数のサイズを選ぶことができる。
HarmonyOS 3ではそのカードを画面上に並べるだけではなく、上下に積み重ねることができるわけである。これにより、限られたホーム画面に複数のカードを配置でき、カードをタップするだけで情報を入れ替えて表示できるようになった。
さらにカードは「正方形のカードとアプリアイコン4つ」のように、カードとアイコンをひとまとめのグループにすることもできる。アプリのグループ化もHarmonyOS 2では正方形・9個までだったが、HarmonyOS 3ではグループの形状も長方形など自由な形状に変えることで、ひとまとめにするアプリの数も増やせる。これによりホーム画面はデザインがよりグラフィカルになり、情報をそのまま表示できるようになった。
OSの最適化で動作速度は最大14%向上
HarmonyOS 3はこれらの新機能を搭載しながら、パフォーマンスを向上させOSの高速化も計られた。OSのアーキテクチャー全体のフルスタック最適化を行ない、メモリー空間を均一に使用するスーパーメモリー管理も採用している。ファーウェイのスマートフォン「HUAWEI P50 Pro」でHarmonyOS 3を導入したところ、起動速度は7%、動作速度は14%、ユーザー応対速度は14%向上している。またグラフィックレンダリング時の消費電力も23%削減されている。このことはメモリーとストレージ容量が少ないデバイスの動作をより快適にすることを意味している。
HarmonyOS 3は情報アクセスや表示がより容易になることからセキュリティー面も大幅に強化した。アプリコントロールセンターによりアプリケーションのアクセスコントロールを細かくカスタマイズすることが可能になったのだ。
スクリーンショットからの情報漏洩を防ぐため、画像に自動的にぼかしを入れるという機能も搭載。他にも子供向けのアクセス制限と親のスマートフォンからの監視機能が搭載されている。
そして最後に情報アクセス性強化として、会議中の音声をAIが自動的にテキスト化し表示する機能も搭載。画像認識なども組み合わせ、視聴障害や聴覚障害のユーザー支援も行なう。視聴障害の方であれば外出中に目的地への方向を音声で通知。売店に立ち寄ったときは、スマートフォンのカメラを通して売店で販売されている新聞や食品などを認識して音声で教えてくれる。聴覚障害の方ならば店舗店員との会話中、相手方からの話しかけをテキスト化してくれる。HarmonyOS 3はデジタルデバイドをなくし、あらゆる人に最新のテクノロジーと体験を提供しようとしているのだ。
ファーウェイはHarmonyOS 3に対応する新しいタブレットやスマートウォッチも発表しており、同OSを中心としたエコシステムをさらに強化し、包括的なクロスプラットフォームエクスペリエンスを多くのユーザーに提供する予定とのことだった。