6月25~26日に東京・足立区のドコモショップ北千住店にて、FCNTが提供する「eスポーツ脳活体験会」が開催されました。「eスポーツ」と聞くと、若い世代向けのイベントを連想しがちですが、今回のメインターゲットは、らくらくスマートフォンを使うシニア層。実は昨今、eスポーツのユーザー層が拡大し、シニア世代の健康増進に役立つものとしても注目されているそうです。
イベントには「ぷよぷよ」を専門とするeスポーツのプロプレーヤー・Temaさんも出演。同時に、らくらくスマートフォンを用いたスマホ教室も開催されるとのこと。どんなイベントになるのか? その様子を見学してきました。
ドコモショップ内に
eスポーツ専用コーナーを設営
ドコモショップ北千住店の店内には、ドコモが運営するeスポーツブランド「X-MOMENT」を紹介するeスポーツゾーンが設置されていました。ここには以前、5Gサービスを体験するコーナーが設置されていたのですが、その什器の一部を生かしてリニューアルしたとのこと。あくまでもこの店独自の取り組みで、ドコモショップにeスポーツ専用のコーナーが設置されるのは初めてだそうです。
1日3回行なわれたイベントでは、シニア世代のお客様に、まず「CogEvo(コグエボ)」という認知機能をチェックするゲームを体験してもらい、次に脳活に役立つゲームとして「ぷよぷよeスポーツ」を体験。最後に、FCNTのスマホにプリインストールされている健康管理アプリ「ララしあコネクト」を紹介するという流れ。同アプリは、歩数、睡眠、心拍数、血圧値などを記録でき、脳の健康ケアや脳力ストレッチングなどの機能も備えています。つまり、自宅でもスマホで手軽に脳活ができるわけです。
「ぷよぷよ」のプロプレーヤー・Temaさんが出演されることを知り、Temaさんのファンやプレーヤー仲間も来店していました。「ぷよぷよ」に初めて挑戦するシニアの方はTemaさんから遊び方を教わり、普段から「ぷよぷよ」を楽しんでいる方は、Temaさんと対戦してエキサイティングな時間を過ごしていました。
取材に訪れた回では、「ぷよぷよ」に挑戦するシニアはいなかったのですが、こうしたイベントの場でゲームをすることに「失敗すると恥ずかしい」「今度家でやってみますね」と敬遠する人が多かったとのこと。Temaさんは「ぷよぷよは年齢や性別は関係なく、誰もが楽しめるゲーム。ぜひ、シニアの方にも家族と一緒に楽しんでいただきたい」と話していました。
ドコモのeスポーツブランド「X-MOMENT」のファンイベントも開催
ドコモのコンテンツサービス部コンテンツ推進担当部長の森永宏二氏によると、今回のイベントは期間限定のトライアルで、今後の展開は未定とのこと。
「今回は2週にわたってeスポーツのイベントを開催させていただきました。先週の6月18日には、X-MOMENTのPUBG MOBILEのリーグに参加するプロチーム・SCARZ(スカーズ)の選手を招いてファンイベントを開催しました。eスポーツは本来、年齢や性別を問わないことが大きな特徴でもあるので、今週はFCNTさんと一緒にシニア層にも楽しんでいただけるイベントを企画しました」(森永氏)
2021年からリーグを開始したX-MOMENTは、コロナウイルスの影響があり、昨年はオンライン配信で、ファンがリアルに観戦したり、プレーヤーと触れ会える機会はなかったそう。
「今年に入って、少しずつお客様を入れてイベントを行う機会が増えてきました。eスポーツはお客様が一緒に観戦することで盛り上がり、裾野が広がっていくと思います。ドコモショップでのイベントですが、ドコモのスマホを使っていない方にも来ていただいているようで、お店への新たな送客になることも期待しています」(森永氏)
eスポーツをきっかけに
デジタルに慣れ親しんでいただきたい
実はドコモショップ北千住店でeスポーツのイベントが開催されるのは、今回は初めてではありません。2021年の3月に、FCNTと共同で「eスポーツ教室」を開催。プロゲーマーを招いてPUBG MOBILEの遊び方を教えるイベントを実施しています(若者が集まれる場所を! ドコモショップ北千住店がarrows NX9 F-52Aとともにe-Sports教室開催!)。そのイベントを企画したのが坂牧晋一さんで、今回のイベントの企画にも関わっています。
「ドコモショップを気軽に立ち寄っていただいて、楽しんでいただける場所にしたい」という坂牧さん。子供の頃からゲームが好きで、足繁くゲームセンターに通っていたこともあり、店内でドコモが注力するeスポーツを紹介したり、体験したりできるコーナーの設置を立案したとのこと。
「昨年のイベントは、arrows NX9 F-52Aが発売されてからしばらく経った時期でもあり、若い世代を対象にPUBG MOBILEを取り上げました。今回の脳活のイベントはFCNTさんだけでなく、ドコモさんにも協力いただいています。昨年、アスキーさんに取材いただいた記事が反響があり、“ドコモとしてもやりたい”と言っていただいたからです」(坂牧氏)
今回のイベントで体験するゲームは「ぷよぷよeスポーツ」。家庭用ゲーム専用機向けのゲームで、スマホではプレイできません。また、認知機能をチェックする「CogEvo」にもスマホではなく、タブレットを使っていました。シニアをガラケーからスマホに移行させる直接的な施策にはなりませんが、坂牧さんは、シニア層にデジタルを慣れ親しんでいただく入口にしたいと考えているようです。
「シニアのお客様の中には、電話やメールしか使わないという方もいらっしゃいます。スマホに限らず、デジタルデバイスにもっと触れていただくことで、新しい楽しみを見つけて、苦手意識を払拭してもらえるのではないかと考えました。それには“ぷよぷよ”がいいのではないかと。ゲームは世代を超えた共通言語になります。シニアのお客様がお孫さんと一緒にゲームを楽しみ、同じゲームをスマホで楽しめるようになったら、流れが変わってくるのではないかと思います」(坂牧氏)
eスポーツはarrows Weやらくらくスマートフォンでも楽しめる
FCNTにとっては、昨年のarrows NX9 F-52A×PUBG MOBILEのイベントに続く第2弾となった今回のeスポーツイベント。イベントを企画したプロダクト&サービス企画開発統括部 シニアプロフェッショナルの森田博典氏によると「らくらくスマートフォンの教室は毎回盛況でした」とのこと。
イベントが開催された6月25~26日は猛暑で、そもそも予約した人以外の来店が少なかったことが大きな要因のようですが、“初めてのeスポーツ”に萎縮してしまったシニアの方もいたようです。
「事前の調査で、シニア層が脳活に興味を持っていらっしゃることはわかっていて、CogEvoを体験してくださるお客様は結構いらっしゃいました。ですが、eスポーツとなるとハードルを高く感じられようで、少しやってみてやめられたり、私にはできないと、あきらめてしまう方もいらっしゃいました。実際には、高齢者施設でのeスポーツの導入なども進んでおり、積極的にゲームを楽しんで、健康増進に役立てている方もいらっしゃいます。どのようなイベントであれば、すんなり参加していただけるのか? これからの課題にしたいと思います。しかし、イベント自体はTemaさんのファンの方々をはじめ、若い世代にも集まっていただき、プレイする人も観戦する人も楽しめる、eスポーツならではのイベントになりました」(森田氏)
今回のイベントでは、シニア層に新しいらくらくスマートフォンを訴求していました。スマホでeスポーツを楽しむにはスペックが高い機種が適しているように思うのですが、らくらくスマートフォンでもゲームを楽しめるのでしょうか? 森田氏に聞きました。
「スマホの性能が向上して、ミッドレンジはもちろん、ローエンドのスマホでも十分にゲームを楽しめるようになってきています。また、ゲームメーカーも、高いスペックを必要とせずに気軽に楽しめるゲームに力を入れているようです。ハイエンドのarrows 5Gやミドルハイのarrows NX9はもちろん、arrows Weやらくらくスマートフォンでも快適にゲームを楽しめます。これからもeスポーツの裾野を広げるイベントを企画していきたいです」(森田氏)
PUBG MOBILE、ぷよぷよに続く第3弾のイベントの開催にも期待しましょう。