第108回 SORACOM公式ブログ

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AIカメラ画像の座標指定を簡単に ― 座標編集機能とJSONエディタをリリース

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「AIカメラ画像の座標指定を簡単に ― 座標編集機能とJSONエディタをリリース」を再編集したものです。

SORACOM Mosaic (モザイク) の開発を担当しているソラコムの松下幸希 (ニックネーム: koki) です。

この度、エッジAIカメラ「S+ Camera」AIアルゴリズム開発において、カメラ画像内の座標指定と、設定に利用するJSON編集を支援する2つの機能をリリースしました。画像内で「特定エリア判定」をするアルゴリズム利用時に役立つ機能です。

S+ Cameraとは?

「S+ Camera (サープラス)」は、内蔵カメラの映像を本体内のAIアルゴリズム (以下、アルゴリズム) で解析し、結果をSORACOMプラットフォームを通じてクラウドと連携できるエッジAIカメラです。LTE通信を標準搭載しているため、電源ONでデータ送受信からカメラの遠隔管理まで行えることが特徴です。

スタイリッシュなデザインや、屋外向けの防水・防塵モデルをご用意しています。アルゴリズムには、定期画像送信といったシンプルなものから、OCR(英数字読み取り)といった実用的なものを「サンプルアルゴリズム」として無償提供しています。また、高精度かつ多用途に渡るアルゴリズムとして、AIソリューションを展開しているAI Dynamics Japan提供のPackage 20TMも利用可能(有償)です。

これらアルゴリズムの入れ替えや設定変更もLTE通信で行えるため、導入後も進化し続けることができます。

アップデート1つ目:画像をマウスで操作「座標編集」

アルゴリズム活用の用途に「画像内の特定領域に入った場合に、通知を送る」といったものがあります。例えば下図のように、右半分にエリアを「仮想的な立ち入り禁止区域」として指定して、そこへの侵入を検知するものです。

このような仕組みは座標を知っていれば利用可能でした。しかし、S+ Cameraで取得した画像を、画像編集ソフトウェアに取り込んで座標を調べる必要があり、試行錯誤において手間でした。

今回のアップデートで、S+ CameraのWeb管理画面である「SORACOM Mosaic コンソール」上で、取得画像に対してマウス操作することで座標情報を得ることができ、Webブラウザだけで完結できます。

利用できる図形は線もしくは四角形で、それぞれ最大4づつ指定できます。

「座標編集」の利用方法

  1. SORACOM Mosaic コンソール にアクセスして、S+ Camera のデバイス ID をクリックします。
  2. [カメラ]タブ → [座標編集]の順にクリックします。すると、上記で紹介した座標編集画面が表示されます。この画面で、直線や四角形を編集します。
  3. 例えば、[RECT]の[RED]のスイッチをオンにすると、赤い四角が表示されます。移動したり頂点を編集することで “JSON” のテキストエリアが更新されていきます。

ここで作られた JSON は、 Package20™禁止エリア侵入検知アラートアルゴリズムの設定に直接お使いいただけます。

NOTE: 座標編集機能は、JSON生成の支援が主機能です。禁止エリア侵入検知アラートアルゴリズムをS+ Cameraにインストールした後に、JSONをSORACOM_ENV_FREE_PARAMへ設定してください。詳しい手順は「アルゴリズムにカメラ画像上の座標を渡す」をご覧ください。
また、生成されたJSON自体は、皆さんが独自開発されたアルゴリズムでの利用も可能です。mosaic_coordinate 配列を読み込むように開発いただければ、座標編集機能との親和性が向上します。独自のアルゴリズム開発についてはこちらのドキュメントをご覧ください。

座標編集機能では、線・四角それぞれ4つ指定できますが、Package20™ の禁止エリア侵入検知アラートで利用する場合は、四角形1つ分となります。また、台形やひし形のような四角形を指定した場合、検知対象はその形状を包括する長方形が検出範囲となります。詳しくは「禁止エリア」は長方形で指定しますをご覧ください。

アップデート2つ目:JSONエディタ

S+ Cameraにインストールした各種アルゴリズムは、設定のほとんどをJSONで指定します。
先ほどの禁止エリア侵入検知アラートアルゴリズムも同様です。JSONの指定が複雑になると、文法エラーや指定ミスの可能性が高くなります。

今回のアップデートで、SORACOM Mosaic コンソール上でJSONをビジュアルに編集できる機能が加わりました。運用開始後の設定変更を容易・安全に行えるようになります。

JSONエディタの利用方法

パラメータ設定画面におけるテキストボックスの右[Edit…]ボタンで、JSONエディタが起動します。

JSONエディタの詳しい操作は、SORACOM_ENV_FREE_PARAM を JSON エディタで編集する を参照してください。

S+ Camera と Package20TMの「実機」オンライン無料体験

S+ CameraとPackage20TMは、ご購入前にオンラインで一部の機能を無料でお試しいただけます。
ソラコムのオフィスに設置されたS+ Cameraを実際に操作いただける内容です。また、Package20TMのアルゴリズムの一部も無料で利用いただけるほか、今回のアップデート内容も操作いただけます。

SORACOMのユーザーアカウントを作成いただいた後、オンライン上で「トライアル開始」にてすぐに始められますので、ご活用ください。

おわりに ~ エッジ・AIカメラを詳しく知る、7月のイベント紹介

今回は、画像内で「特定エリア判定」をするアルゴリズム利用時に役立つ機能をご紹介しました。文中でも紹介しましたが、生成されたJSONはさまざまなアルゴリズムで利用可能です。

S+ Cameraを始めとしたエッジ・AIカメラを詳しく知りたい方は、日本最大級のIoTカンファレンスSORACOM Discovery 2022」をオススメします!7/6・7/7の2日間で開催となる本イベントでも、エッジやAIカメラに関するセッションが盛りだくさんです。参加無料、オンライン視聴となります。是非ご覧ください。

エッジやAIカメラに関するセッションはこちらのリンクで一覧いただけます。
イベント概要や参加のお申し込みは以下をご覧ください。

SORACOM Discovery 2022 ONLINE ~Internet of Everywhere~

最後になりますが、今回の座標編集機能とJSONエディタにより、AIアルゴリズムの開発や運用が楽になることを願っております。それではまた!

― ソラコム松下幸希 (ニックネーム: koki)

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