省電力CPU採用ながら、普段使いはもちろん軽い写真・動画編集ならこなせる性能
今なら2万5000円引きで8万円台! 約1.13kgで仕事にもしっかり使える14型ノートPC「mouse X4-i7」で写真・動画編集を試した
マウスコンピューターのスタンダードパソコンブランド「mouse」シリーズの中で、14型ディスプレーを採用し、モバイルしやすいコンパクトな筐体が特徴の「mouse X4-i7」。前回は本機の基本性能を、前々回は外観や使い勝手について紹介した。3回目となる今回は、実作業でどれくらいのパフォーマンスが出るのかを見てみようと思う。
なお、mouse X4-i7の価格は11万3080円からだが、「夏のボーナスセール第1段」の対象モデルとなっており、6月22日までの期間限定で8万7800円からとなっている。
試用機の主なスペック | |
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CPU | Core i7-10510U(1.8GHz~最大4.9GHz)、4コア/8スレッド |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレー | 14型(1920×1080ドット)、ノングレア |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB 3.0×2、USB 3.0 Type-C、USB 2.0、HDMI出力、有線LAN端子、ヘッドフォン出力/ヘッドセット端子 |
内蔵カメラ | 約100万画素ウェブカメラ(Windows Hello顔認証対応) |
サイズ/重量 | およそ幅320.2×奥行214.5×高さ17.5mm/約1.13kg |
OS | Windows 11 Home(64bit) |
ガッツリとはいかないものの、出先での軽い写真・動画編集ならしっかりこせなる
今回試したのは、「Adobe Creative Cloud」の「Photoshop」「Photoshop Lightroom Classic」、を使って画像レタッチ、RAWデータの書き出しを、「Premiere Pro」を使って動画書き出しを行なった。
Photoshop Lightroom Classicは、定番のRAWデータ現像ソフトだ。今回はいつもどおり2400万画素のデジカメで撮影した500枚のRAWデータを、PSD16bit形式とJPEG(最高画質)形式で書き出すのにかかった時間を計測、およびLightroom Classicでの補正作業の様子もチェックした。
書き出しに要した時間はPSD16bit形式が約14分10秒、JPEG(最高画質)形式が約14分3秒となった。低消費電力版のCPUながら十分な実用的な処理速度といえるだろう。Lightroomの書き出しはCPUの処理能力が大事だが、もう1つ重要なのがストレージのアクセス速度。書き出しの様子を見ていると、もう少し負荷がかかったら書き込み待ちで書き出し処理が低下する可能性がある。
SATA接続とPCIe接続の違いは個人的に感じるのはこのLightroomの書き出し処理だ。今回試したのが2400万画素のデータだったため、実際には書き込み待ちは起きていないが、より画素数の大きなデータや、500枚以上の一斉書き出しでは、ストレージの書き込み待ちでCPU処理が止まる可能性がある。
とはいっても500枚ものRAWデータを一斉に書き出すような作業は、プロカメラマンの筆者でもほとんどないし、あったとしても書き出し中に休憩すればすむことなので、深く考える必要はないだろう。
補正作業では、変形処理と明るさ調整ともにCPUへの負荷はそこそこで、処理そのものはとくに問題はないが、プレビュー表示はちょっともたつく感じがあった。GPUの使用率を見ていると、CPUの負荷に応じて似たタイミングで負荷がかかっている。単純に画面描写の反応速度が間に合ってない状況が結構あった。ただし作業が滞るほどにプレビューが遅れるわけでなく、調整のためにスライダーを動かすが、その反映がワンテンポ遅れる程度なので、作業的に大きく影響が出るほどではない。業務用途で微妙な調整をするのでなければ気にすることはない。
Photoshopでは、2400万画素のデジカメで撮影したPSD16bit形式のファイル(6000x4000ピクセル)を開き基本的な作業を行ってみた。基本的にCPUパワーで乗り切る方向性だと思っていたが、今回のテストでは画面書き換え以上の負荷がGPUにかかっているように見え、プレビュー作成時にGPUの支援機能を利用しているのかもしれない。しかし、いずれの作業においてもCPUとGPUの使用率が100%まで上がることはなく、まだ余力は残しているように感じた。
内蔵グラフィックによる描画とプレビュー表示は、若干のタイムラグを感じる。しかし動作が重く処理が遅くなるという感じではなく、設定反映時のスムーズさに欠けるといった印象で、動作速度に影響が出るようなことはなかった。
最近では商業映画でも大活躍の動画編集ソフトが「PremierePro」だ。動画投稿や配信も一般化しつつあるので、利用者も多いだろう。今回はデジカメで撮影した約30秒の動画をつなげて約10分の動画を作成、MP4形式で書き出すのにかかった時間を測定した。4K素材から4K動画を、フルHD素材からフルHDの動画を作成している。ただつなげただけでカット間にエフェクトやトランジションの類は一切入れず、補正や修正も行なっていないので、処理は軽めなため、参考程度に考えてもらいたい。
書き出しの設定は、mPremiereProにプリセットされているYouTube用の設定で行なっている。4Kでの書き出しにかかった時間は約17分40秒、フルHDは約9分になっている。低消費電力タイプのCPUながら、なかなかにいい性能だと思える結果だ。
少し気になったのは書き出し処理の進行度が100%になっても、なかなか終了しなかったこと。4K動画では15分弱程度で、100%まで進行してからそのまま終了までに約3分弱、フルHDでは約1分ほど書き込みの時間がかかっている。図版08と09を見比べると、エンコード処理中(図版08)ではCPU負荷約60%、GPU負荷約100%の状態だったが、100%まで達してからはCPUとGPUともに使用率が下がり、その代わりにストレージへのアクセスが100%になっている。
これは単純にSATA接続されているストレージへの書き込みに時間を要しているようだ。ちなみに書き出されたファイル容量は、4Kで約5.68GB、フルHDで約1.43GBほどのサイズになっている。おそらくPCIe接続のストレージならそれぞれ約15分、8分あたりの処理時間になるのだろう。最後の書き込み時間こそ多少かかるが、エンコード処理が途中で止まるようなことはないので実用上は問題にしなくてもいいだろう。
続いて編集作業を少しだけ行なってみたが、CPU負荷よりもGPUへの負荷が多くかかっているのがわかる。CPU負荷は30~60%程度だが、GPUは補正や調整、トランジションプレビュー等多くの作業で100%まで使用率が上がっている。プレビュー表示だけでなく、プレビュー反映にもGPUの支援機能が有効的に機能していると思われる。
とくにトランジションを加えた状態でのプレビューは、駒落ちもあり、スムーズな再生といえない状況だった。では実際に編集作業は無理かというとそこまでではなく、プレビューでのコマ落ちが目立つだけで、作業自体は可能だ。
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低消費電力タイプのエントリークラスのCPUなので、ハイパフォーマンスを発揮できるわけではないが、実用性は十分にあると感じた。GPUで静止画や動画の編集作業では、プレビュー表示にもたつきを感じることがあったものの、作業そのものは可能で、モバイル環境へ持ち出して処理しなければいけないような状態でも、十分に仕事道具として使える性能はあるだろう。
構成上パフォーマンス面ではある程度の許容が必要だが、mouse X4-i7は重量約1.13Kgと軽く持ち運べて、最大約12時間の駆動時間があり、かなりコストパフォーマンスが高い。筆者はプロカメラマンとして撮影現場にノートパソコンを持ち込んでテザー撮影をしたり、その場で軽く編集作業をすることがあるが、今回のテストで十分仕事にも使える性能だと感じ、モバイル用途を重視するなら有力な選択肢の1つになるノートパソコンだと思えた。