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Androidスマホにもバックアップは必要? その方法は?

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本記事はキヤノンマーケティングジャパンが提供する「サイバーセキュリティ情報局」に掲載された「Androidスマホのバックアップ方法は? セキュリティ対策としての必要性とは?」を再編集したものです。

 SNSや動画、写真をはじめ、ユーザーの個人情報の宝庫とも言えるスマホ。保存されているデータがすべて抹消されてしまったら生活に大きな支障を及ぼしかねないほど、最近ではバックアップの重要性が高まっている。この記事では、Androidスマホを取り上げ、そのバックアップ方法について具体的に解説していく。

なぜスマホをバックアップするのか?

 そもそもの話として、なぜスマホのデータをバックアップする必要があるのだろうか。機種変更時に必要だと言われた、あるいは周囲から重要だと言われたといったユーザーも少なくないかもしれない。スマホの場合、バックアップが必要なのは大きく分けて2つの理由が挙げられるだろう。

1)機種変更のため

 スマホを新しい機種に変更した際、すぐに使い始めたくなるのが人の性ではある。だが、以前使っていた機種内のデータを適切なタイミングでバックアップしていないと、新機種にデータをスムーズに引き継げない可能性がある。例えば、データをバックアップしたのが半年前であれば、それ以降に追加した写真、動画、アプリやアプリに関連するデータに差分が生じてしまう。

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2)いざという時のため

 スマホは肌身離さず持ち歩く人も多いだろう。そのため、さまざまなトラブルに巻き込まれる危険性がある。例えば、落として紛失、あるいは洗面台に落として水没、高所から落下させて故障といったトラブルが考えられる。常時持ち歩くためそうしたトラブルがつきものであり、バックアップをしておけば必要なデータを失うことなく、新規購入した機種への引き継ぎも容易となる。

 また、最近では個人を狙うマルウェアなども出回っている。例えば、セキュリティソフトや便利な機能を有したアプリに偽装し、不正な行為を裏で働くようなアプリも存在する。これらのアプリをインストールしてしまった場合、最悪のケースでは端末を初期化することにもなりかねない。定期的にバックアップしておけば、その時点の状態に復元することが可能となる。一般的にセキュリティが堅牢と言われるiPhoneと比較すると、Androidスマホはセキュリティレベルが低いとされる。このような状況も考慮し、AndroidスマホはiPhoneよりもバックアップの必要性が高いと言える。

Androidはウイルスに狙われやすい? 必要なセキュリティ対策は?
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Androidスマホの主なバックアップ方法

 Androidスマホのバックアップ方法は大きく、保存先が「クラウド」、もしくは「外部メディア」を用いる方法に分けられる。

1)クラウド経由でのバックアップ

 一般的なAndroidスマホの場合、デバイス内のデータや設定を自動的にGoogleのサーバーにバックアップする機能がある。これはAndroidの標準的な機能であり、通常ではデフォルトでオンとなっているはずだ。バックアップの対象は主に以下のようなデータとなる。

・Googleコンタクト(連絡先)

 いわゆる電話帳だ。名前、電話番号、メール、勤務先といった情報を記録している。

・アプリ

 インストールしていたアプリがバックアップの対象となる。例えば、Google Playから有料で購入したアプリも失うことなく、バックアップやリストアが可能だ。

・Wi-Fiネットワークとパスワード

 これらの設定も保存されるため、旧機種から新機種に変えた場合でも、再び設定することなく自宅のWi-Fiなどが利用できる。

・SMS

 以前は別途アプリをインストールする必要があったが、最近では設定をオンにするだけでSMSのデータをバックアップできる機種も出てきている。メッセージを新しい機種にも引き継ぎたいというニーズへの対応が進んでいるのだ。

・言語と入力の設定

 日本語、英語などの言語設定のほかに、音声読み上げの速度などもこの設定に含まれる。

・日付と時刻

 基本的にスマホは基地局との通信のおかげで時間が狂うことはない。しかし、時間帯、例えば日本時間を標準とするといった情報はスマホが内部で持っている。この情報もバックアップできる。

・自動バックアップの設定方法

 自動バックアップは設定から[Google]>[バックアップ]の[Google Oneバックアップ]をオンにしておくことで利用可能だ。設定がオンになっていると、スマホが待機状態で一定の電池容量が残っており、かつWi-Fiに接続されているという条件が揃っている場合、自動的にバックアップが行なわれる。iPhoneでもiCloudというクラウドストレージへのデータバックアップ機能があるが、類似した機能だと考えればよいだろう。

 設定も容易に可能なため、スマホに詳しくないユーザーはこのクラウド経由でのバックアップという方法が推奨される。ただし、一定期間(2022年3月時点では57日間)以上にわたって利用していないスマホのバックアップデータは削除されてしまう。すなわち、以前使っていたスマホのバックアップを使って復元することはできないので注意が必要だ。なお、任意のタイミングでバックアップを行ないたいときには、手動でのバックアップも可能になっている。設定から[Google]>[バックアップ]で「今すぐバックアップ」をタップすれば実行できる。

 Googleアカウント以外を用いた、クラウド経由でのバックアップ方法としては、Dropboxなどのクラウドストレージを用いる方法がある。画像や動画、音楽データ、オフィスソフトやPDFなどのファイルをスマホと同期できる。ただし、この場合はSMSやスマホのOSに関連する設定などはバックアップされず、先に紹介したバックアップ方法とはバックアップ対象が異なる点には注意が必要だ。

 近年、発売されているようなAndroidのリファレンスモデルであるPixelシリーズ、ソニーのXperiaシリーズ、シャープのAQUOSシリーズなどのスマホでは、ほとんどの機種にバックアップの機能が標準搭載されている。

2)外部メディアへのバックアップ

 microSDカードなどの外部記憶メディアやパソコンを接続してバックアップする方法もある。microSDカードを挿入できるスマホであれば、挿入したままバックアップできるので便利だ。ただし、microSDカードをよく使うユーザーだと空き容量が不足して、バックアップできない場合もある。microSDカードなどの外部記憶メディアにバックアップする場合は、データ容量に余裕があり、かつ信頼性が高いメディアを選んだ方が破損などのリスクを抑えられることを念頭に入れておくとよいだろう。

 また、microSDカードはフラッシュメモリという特性上、長期間読み書きをしない場合、保存しているデータが消去される恐れがある。長期間にわたって保存しておきたいデータの場合、ハードディスクなど別のメディアを利用することも考えるようにしたい。なお、AndroidスマホであってもmicroSDスロットを有していない機種もある。また、最近のAndroidスマホでは1TB microSDまで対応している機種が多いものの、機種によっては容量制限があるため注意しておきたい。

 バックアップには「Files By Google」などのファイルマネージャーアプリを用いる。この場合、「内部ストレージ」から「SDカード」へデータを転送することになる。また、機種にもよるが、端末メーカーがデータ移行のためのアプリを用意していることがある。例えば、Xperiaシリーズでは「Files」、Galaxyシリーズの場合は「マイファイル」といったものだ。このほかに、カードリーダー経由でメモリカード、あるいはパソコンのストレージにバックアップする方法もある。パソコンの利用可能なストレージの範囲内でデータをバックアップできるため、バージョン管理も可能となる。

3)サードパーティ製アプリを用いたバックアップ

 バックアップという行為自体がややこしくて面倒だと考えるユーザーも少なくないかもしれない。そのようなユーザーのために、サードパーティからさまざまなバックアップ専用のアプリも提供されている。一時的にクラウドストレージやパソコンを利用するなど、多様な方法でバックアップできるだけでなく、使い勝手も良いものがあるため、利用しているユーザーも少なくないはずだ。

 こういった類のアプリを利用する場合、一点だけ注意する必要がある。それは提供元の信頼性だ。利用前にはユーザーレビューや提供元の企業情報を十分に調べておくこと。レビューはGoogle Playの評価をはじめ、インターネット検索でレビューサイトを複数チェックすると、より客観性のある情報を得られる。ひとつのレビュー、サイトだけでは得られる情報は限定される。肯定的、批判的それぞれの情報を得て総合的に判断するようにしたい。

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Androidスマホのバックアップにおける注意点

 バックアップを行なう方法はさまざまあるが、方法によってバックアップの対象となるデータが異なる点に注意が必要だ。

・アプリによってバックアップの可否、方法が異なる

 例えば、先述したAndroidスマホの自動バックアップ機能では、動画と写真はバックアップされない。これらのデータは「Googleフォト」を使ってバックアップすることになる。また、LINEのトークデータは基本的にアプリ内にバックアップされる。そのため、バックアップのデータはLINEに委ねることになる。

 利用ユーザーが増えているモバイル決済アプリやポイントアプリにも注意したい。これらのアプリは不正利用対策を厳格化しているため、バックアップの設定をミスしてしまうと、アカウントやポイントが引き継がれないというケースもある。機種変更の時などは、アプリごとにバックアップ方法が異なるため、事前に確認しておく必要がある。

・古いバージョンのOSへのデータ復元はできない

 先述のように、何かしらのトラブルに見舞われた際、バックアップがあればスマホの復旧は可能だ。ただし、OSに関連するデータや設定などは、バックアップしたAndroidのバージョンより、古いバージョンのOSを搭載したスマホには復元することができない、という点に注意が必要だ。

・外部メディア(microSD)の紛失、盗難リスク

 Google Driveなどのクラウドストレージを利用する場合、データはクラウドでアカウントに紐付いて保管されるため、アカウント情報が適切に管理されていれば漏えいリスクは抑えられる。しかし、microSDカードやパソコンなどの外部記憶メディアを利用する場合は紛失や盗難のリスクに注意すべきだ。アドレス帳などを保管している場合、データに含まれているリストが他人の手に渡ってしまうことになる。

 また、先述したとおり、サードパーティ製のバックアップ専用アプリでも、提供元のデータ管理に不備があれば、情報漏えいのリスクが生じる。くれぐれも利用時にはデータ管理のポリシーも確認しておきたい。

 バックアップの仕組みは全体像を把握しにくいため、適切な設定をせずに、その場しのぎでしてしまうと、何かしらの問題が起こった際に、その代償は大きいものになり得る。そのため、ITに疎いと感じるのであれば、素直にクラウドの自動バックアップに任せておくという考えもある。自分にとって適切かつ安全な方法を選択すること、そしてデータ自体のバックアップの必要性を見極めることがバックアップのポイントだ。

 自らにとって、どれが重要なデータでどれがそうでないかを選別し、厳格に管理することが、安全かつ利便性の高いデジタルライフを送るカギとなるだろう。