モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第60回
さっぱりとした味わいになったとうたいます:
松屋「豚めし」リニューアルして復活 並350円はうれしいけど赤身肉の脂分をどう感じるか
2022年02月02日 17時00分更新
「豚めし」
松屋
350円
2月1日発売
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/220201.html
豚めしがリニューアルして復活
「Pokémon LEGENDS アルセウス」をプレイしています。野生のポケモンがこちら(つまり、人間に対して)に直接攻撃してくるゲームなので、油断すると「きりさく」(だと思う)やら「はかいこうせん」やらを食らってダウンするという修羅のゲーム。子供の頃、オーキド博士が「草むらに入ると危ない」と言っていた理由がわかる気がします。
ゲームにハマると、食事を作るのがめんどうくさくなります。そこで外で食べるか買ってくるか……となる。こんな時期なので会食はありませんから、外食は無言でサッと食べられるか、気軽にテイクアウトできるところが望ましい。
そこで牛丼チェーン店に行くことが増えた気がします。テイクアウトだけではなく、店頭で食べることもあります。もちろん1人で行くので会話などしませんし、注文したものが出たらマスクを外して無言で食べ、食べ終われば即座にマスクをして即座に店を出ていくわけですが。
今回のテーマは豚丼です。一口に豚丼といっても、いろいろなものがあります。牛丼チェーンにおいては、2003年12月のアメリカBSE問題により牛肉の調達が困難となり、こぞって開発したメニューという位置づけでした。
つまるところ、「牛丼の代用品」という側面が大きかった。もちろん、牛丼そのものではないわけで、「物足りない」という人もいれば、「こっちも好きだな」という人もいましたね。
ちなみに、松屋では「豚(ぶた)めし」ですが、吉野家では「豚丼(ぶたどん)」、すき家では「豚丼(とんどん)」と、呼称が異なっていました。
さて、松屋は「豚めし」を2月1日から全国の店舗で発売します。並350円で、各種サイズを用意。
2012年1月に終売となった松屋の豚めし。その後も期間限定メニューや店舗限定メニューとして登場してきましたが、大々的に販売されるのはおよそ10年ぶりです。
新しく登場する豚めしは、前回販売時と異なり、豚肩ロースの赤身肉を使用し、さっぱりとした味わいにリニューアル。玉ねぎの甘みを感じながら、豚肉のふわっとした食感を楽しめるとか。
また、同時にさっぱりとした「おろしポン酢豚めし」、青ネギと半熟玉子にピリッと辛い特製タレをかけた「ネギたっぷり旨辛ネギたま豚めし」、「豚皿」(単品)も販売。すべて並盛500円以下という、松屋のメニューの中でも手頃な価格のラインアップとなっています。
豚めし (並)350円
おろしポン酢豚めし (並)450円
ネギたっぷり旨辛ネギたま豚めし (並)460円
豚皿 (並)270円
※持ち帰り可能(みそ汁は付かない、別途60円で購入可能)
※店内・持ち帰りの税込価格は同一
余談ながら、2月2日現在、松屋、吉野家、すき家で、「豚丼」と「牛丼」が食べられるようになっています。松屋の場合は「豚めし」と「牛めし」ですが。価格(いずれも並盛り)は以下の通り。松屋は、豚も牛も業界最安値。豚と牛が同額のすき家もいさぎよいですね。
豚丼 牛丼
松屋 並350円 並380円
吉野家 並393円 並426円
すき家 並400円 並400円
さっぱりした味わいになったとはいえ
劇的に変わった……というものではない
さっぱりした味わいにリニューアル……といっても、かつて販売されていた豚めしと、外見で判断するのは困難です。人によっては10年ぶりの邂逅となるので、「もう覚えてない」「こんなんだったような気もする」と記憶が曖昧な人がいてもおかしくないな。
かつての豚めしと食べ比べができないため、記憶の中の味と比較するしかありませんが、赤身肉を使ったということで、たしかにさっぱりした食べごたえになっている気はします。脂分がくどくないというか。
うたい文句の「ふんわりした食感」はどうかというと、ちょっと悩む。やわらかくはありますが、ボソボソしている、と感じる人もいるかもなあ……と思う食感。よくも悪くも豚ロースの個性が出ています。
肝心の味付けの方向性は牛めしに似ており、「牛めしが豚肉になった」と評しても、基本的には間違っていないかと思います。玉ねぎの甘味も以前と変わらず。かつての豚めしを知っている人なら、「あの方向性です」と説明したいところ。
いつもの牛めしと、今回の豚めし。どちらがよい悪いというものではなく、牛肉と豚肉の味わいの違いがそのまま出ているといいますか……好みの問題といえるかもしれません。
ただ、ジューシーな感じは、牛めしよりすこし劣るかなと思います。豚の赤身肉にサシ(脂身)がまったくないわけではないのですが、牛肉と比べると、脂分の食感やコクは違うわけですから。
そういった点で、生玉子(あるいは半熟玉子)を入れる食べ方はオススメしたい。とろみが加わり、味に深みが増すというか。これも好みの問題と言われたらそれまでなんですが、相性はいいと思います。もともと牛めしとも相性がいいだろ、と言われるとぐうの音も出ないけど。
相性といえば、卓上にある紅しょうがとの組み合わせは、牛めしよりいいんじゃないか? と思っています。豚+しょうがなんで、合わないわけがないんですよね。ちょっと多めにのせても“アリ”だと感じました。
リニューアルして赤身肉を使ったとはいっても、「松屋で出てくる豚めし」となればこういう味になるでしょうね……といった雰囲気。大きく変わったわけではなく、牛めしよりはさっぱりしているかな、といった具合のまとまりになっています。
ちなみにレギュラー商品になるのか問い合わせてみたところ、「好調であれば継続して販売する」とのことでした。そりゃそうか、という答えですが、今後の売れ行きにかかっているのは確かなようです。
めちゃくちゃうまい、箸が止まらない、ぜったいこれを食べるべき……なんて大げさなことはありません。ただ、350円(並)という価格もあって、気軽に食べられる選択肢が増えたのは嬉しいところです。
牛めしとは食感や味わいが異なるので(肉が違うので当然といえば当然ですが)、その日の気分によって食べ分けられるのもいいかと。現場からは以上です。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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