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アップル無料プログラミングアプリ「Swift Playgrounds」教育用から脱皮しiPadだけでアプリ開発から公開まで

2022年01月22日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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 今から5年以上前の2016年に登場以来、着実に進化を続けてきたアップルによるSwiftプログラミング環境アプリ「Swift Playgrounds」のメジャーバージョン4が登場した。

 今回のバージョンの最大の特長は、iPad上で作成したアプリを「App Storeを通じて全世界に向けて公開するまでの機能」を内蔵したことだ。SwiftUIなど、iOSやiPadOSのアプリを作成するための本物のフレームワークをそのまま利用でき、本物のアプリを作成できる。言うまでもなくアップルの純正アプリで、誰でも無料で利用できる。さっそく使ってみよう。

iMovie、GarageBandに続くアマチュア用高機能アプリ

 当初は教育用の色彩の強かったSwift Playgroundsは、iPadだけでプログラミングの学習からアプリの開発、公開まで完結する、ハンディな「アプリ開発環境」となった。アップルの純正アプリは、同じカテゴリーに有料のプロ用と、無料のアマチュア用が揃っているものがいくつかある。

 たとえば、動画編集ではプロ用のFinal Cut Proに対して、アマチュア向けにiMovieがある。また音楽作成ではプロ用のLogic Proに対して、Garage Bandがある。そして、プロ用のアプリ開発ツールXcodeに対して、このSwift Playgroundsが、アマチュア用に用意されたと考えれば良いだろう。

AppStoreから無料でダウンロードできるSwift Playgrounds

 これらのツールの動作環境を見ると、プロ用のFinal Cut Pro、Logic ProはmacOS版のみで、アマチュア用のiMovieとGarage BandにはiPhoneおよびiPad用が用意されている。アプリ開発のプロ用ツールXcodeには、やはりmacOS版しかないが、Swift PlaygroundsにはiPhoneで動くiOS版はなく、iPadOS版とmacOS版のみという点は、ほかのアマチュア用アプリとは異なる点だ。

 これは、機能的な問題ではなく、単純にiPhoneの画面サイズの制約から、Swift Playgroundsに必要なレイアウトを実現しにくいのが理由だろう。やむを得ないというのは理解できるが、これは以前から残念な点の1つだ。

プロ用とアマ用が揃うアップル純正アプリ

 Xcodeがほかのプロ用ツールと異なる点として、Final Cut ProやLogic Proが有料(前者は3万6800円、後者は2万4000円)なのに対して、Xcodeは無料で使えるということも挙げられる。これは、XcodeのアウトプットはApp Storeで配布、販売するアプリであり、直接アップルの利益につながるからだろう。

 ただし、Xcodeは無料だからと言って、けっして手軽に使えるわけではない。というのも、最新版の13.2.1場合、ダウンロードサイズで12.6GBもある。インストールして実際に使用する際には、その何倍かのディスクスペースを必要とすることもある。Swift Playgroundsは、iPadアプリの中ではかなり大きい方だが、それでも「わずか」710.8MBしかない。iOS/iPadOSアプリの開発環境として、Xcodeに比べて手軽さでは雲泥の差がある。

 Swiftプログラミングに興味がある人にとって、この手軽さが、Swift Playgroundsの最大の武器だ。

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