ASCII Power Review ― 第158回
「Nikon Z 9」実機レビュー = ニコンの未来型フラッグシップなのだ!-倶楽部情報局
2022年01月17日 18時00分更新
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本日は、ASCII倶楽部の人気記事「「Nikon Z 9」実機レビュー = ニコンの未来型フラッグシップなのだ!」を紹介します。
ニコンファンが待ち望んだフルサイズミラーレスのフラッグシップ「Z9」が発売された。昔からの一途なユーザーはもちろん、今は他メーカーに浮気している元ニコン党員(自分も含め……)にも気になる一台。果たして復縁のきっかけになるのか、独断と偏見強めでチェックした。
次世代フラッグシップにふさわしいボディデザインに
ボディーは一眼レフ「Dシリーズ」のフラッグシップ機と同様に縦位置グリップ一体型を採用。サイズは「D6」より体積で20%小さく、重量は約110g軽いだけ……正直ミラーレス機にしてはそれほど小型軽量とはいえない。
しかし手にしてみるとグリップの形状やボディー内の重量配分のおかげで数値よりは軽く感じる。特に大口径ズームなど重めのレンズを装着したときのバランスは絶妙で、小型ボディーよりも安定感がある。
操作系では上面左肩に「D6」のように撮影モードなどのボタン類をまとめ、背面は「Zシリーズ」を踏襲した配置になっている。ただし再生ボタンは背面左上から右下へ移動している。
一途なニコンユーザーからは、長い間左上の再生ボタンに慣れていたので戸惑う声も聞いたが、拡大縮小ボタンの横に再生ボタンがあるのは理にかなった配置なので、すぐに慣れるだろう。
背面液晶は横位置で上方90度下方43度にくわえ、縦位置でも上方90度下方23度に可動する4軸チルト式を採用した。チルト式のファンには嬉しい機能だが、実際に動かしてみると可動部が複雑で、力をかけると壊してしまいそうで怖い。慣れないうちは慎重に操作したほうがよさそうだ。
バッテリーの撮影可能枚数の公称値は、モードにもよるが700~770枚となっている。撮影したみた体感も同程度で、大型バッテリーにしては少し消費が多い印象を受けた。
なお「D4」以降のフラッグシップで使用されているバッテリー「EN-EL18(D4)/ a(D4s)/ b(D5)/ c(D6)」も「Z9」で使用はできるが、「Z9」に付属する最新の「EN-EL18d」は従来機種の付属充電器では使用できない。
さらに「Z9」付属の充電器「MH-33」では「D4」時代のバッテリー「EN-EL18」と「/a」は使用できない。従来機と一緒に運用する場合は組み合わせを確認しよう。
次世代フラッグシップだからこそのメカシャッターレス
「Z9」発表時に話題になったのがメカシャッターレスという仕様。いずれシャッターが機械式から電子式に切り替わるのは確定路線だったが、初めてがニコンのそれもフラッグシップモデルとは驚いた人も多いだろう。
電子シャッターは機械式のような物理動作が無いので、完全無音での撮影や、振動によるブレ軽減、連写速度の高速化など数多くのメリットがあるが、読み込みの遅延で高速に動く被写体が歪んでしまう欠点があった。
それが、処理が高速な積層型撮像素子と画像処理エンジンで解消されつつある。ニコンがハイエンドモデルでもメカシャッターレスを選択したのは、高速化された電子シャッターに自信があったからだろう。
なおストロボの同調速度も純正ストロボでは1/250秒(多少GNが減少することもある)、ハイスピードシンクロで1/8000秒(あまり高速だと横縞が発生する場合もある)と、機械式シャッターと同等だ。ただシンクロ接点でモノブロックストロボを同調させた場合は1/200秒だった。
次世代フラッグシップらしい最先端のAF機能
フラッグシップということもありAFの進化も注目ポイント。その一つが「被写体検出」だ。
人物と動物(犬と猫と鳥)、乗り物(車や列車に飛行機など)といった9種類の被写体を検出してくれる。実際に試してみると人物や猫なら即座に検出してくれる。鳥や乗り物では、画面上で被写体が小さいと認識するまでワンテンポ遅れることもあったが、それでも一度食いつけは粘り強く追随してくれる。
ニコン一眼レフユーザーにはお馴染みの被写体にフォーカスポイントを合わせれば自動追尾してくれる「3D-トラッキング」も搭載。例えは「被写体検出」と「3D-トラッキング」を組み合わせれば、向かってくる電車や離陸する飛行機などを楽々追尾してくれる。
ただし「被写体検出」や「3D-トラッキング」は一度ロストすると再検出や追尾に手間取ることもあった。被写体や状況に合わせて従来の「ダイナミックAF」(少しフォーカスポイントを外れても周囲の測距点でカバーする機能で被写体検出とは併用できない)に切り替えるなど使いこなしは必要だろう。
次世代フラッグシップだから毎秒30コマ連写
連写は最高でRAW+JPEG秒20コマ、さらにJPEGのみになるが秒30コマ、11メガ(4128×2752ドット)で秒120コマという驚異的な高速連写も可能、しかもAF/AE追随だ。
初めはここまでの連写速度が必要かなと思ったが、試しに飛びまわるカモメを撮影してみると、羽根の躍動など肉眼では見逃していた細かな動きが写っていて素直に感動してしまった。
EVFはもちろん連写時も像が消失しないブラックアウトフリーだが、「Z9」では記録画像と同じ像が表示される「Real-Live Viewfinder」を搭載。
通常のブラックアウトフリーでは記録中は前の画像を繰り返し表示することで画像消失を防いでいるのでタイムラグやコマ落ちがある(らしい)。「Real-Live Viewfinder」は画像の表示と記録を別の回路で処理することで記録画像と同一の表示ができる。
その効果はというと……普段あまり連写撮影する機会がない自分からすると正直よくわからなかったというのが本音のところ。しかしスポーツ写真家のように決定的瞬間を要求されるに撮影では、きっと大きなメリットになる。
次世代フラッグシップの写りに迫る
撮像素子は4571万画素もある。従来のフラッグシップ機はレスポンス重視で画素数が控えめだったので予想外だった。高画素機はデータ量が重くなるのが不満だが、RAWでは従来のロスレス圧縮にくわえ、より軽量な高圧縮も採用。RAWメインで撮影する自分にとっては好ポイントだ。
画質は高画素でローパスレス、さらに解像力には定評のあるZレンズの組み合わせで細部まで精細な描写だ。
ただ初期設定のピクチャーコントロールオートでは、自分には少しシャープが強すぎるように感じた。RAWで撮影するなら後から調整できるが、JPEGメインで撮影するなら輪郭強調やミドルシャープ、明瞭度を調整し、自分好みのピクチャーコントロールを作成するのも面白そうだ。
続きは「「Nikon Z 9」実機レビュー = ニコンの未来型フラッグシップなのだ!」でお楽しみください。
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