遠隔健康医療相談サービスの利用データから、2000もの回答パターンを反映
産婦人科医開発によるフェムテック「妊娠と授乳のくすり案内ボット(くすりぼ)」
2021年12月06日 17時00分更新
株式会社Kids publicは2021年12月6日、信頼できる薬の情報を検索できるチャットボットシステムを発表した。同社サービス、「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」に寄せられた妊娠中〜授乳中の相談データをもとに、いつでも気軽に情報を検索できる。
各種症状について、妊娠中〜授乳中にどのような薬が安全と考えられているのか、また薬と組み合わせると効果的なセルフケアについてなど、スマートフォンから不安を抱える妊産婦へのサポートを提供するという。
妊娠中や授乳中は、女性の身体に大きな変化が生じる。個人差はあるが授乳を終えるまで1〜2年間とかなりの長期間を要するため、さまざまな症状に悩まされることがある。そのような症状緩和のため、安全性を考慮したうえで実際に広く使われている薬はあるが、自身の状況に合わせた情報収集は難しく、子育て中はすぐに病院を受診できないことも少なくない。
本サービスは、これまで同社のオンライン相談に寄せられた8万件以上の相談データを分析し、妊娠中・授乳中の状況を踏まえシステムを構築。これをチャットボットサービスとしてリリースした。
「くすりぼ」のサービス提供先は、遠隔健康医療相談サービス「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」の利用事業者の一部のみの利用からとなる。オンライン相談の割合は増えてきているが、医師の対応には絶対的な限界もあり、開発背景には、利用者へのより効率的な情報提供・利便性向上も目的となっている。
Kids public「くすりぼ」開発代表の産婦人科医 重見大介氏は開発にあたって以下のようにコメントしている。
「医師として『どうしたら妊産婦さんが自宅にいる間の薬に関する不安や疑問を解決してあげられるのだろう』という思いを臨床現場にいながらずっと抱えていました。病院に電話や受診していただければ対応可能ですが、夜間は閉まっている病院もありますし、ちょっとしたことでは病院に電話できないと言う声もよく耳にします。医療機関側も、すべての電話相談に対応するには負担が大きい現状があります。既存の仕組みでは、この課題を解決できていませんでした。
弊社サービスに日々寄せられる相談内容を分析し、どのような状況の妊産婦さんが、どのような情報を必要としているかを把握することで、『くすりぼ』を開発しました。選択式の会話で進むアプリになっており、回答パターンは2000種類以上にも及び、過去に例のない情報量だと考えています。この『くすりぼ』が、多くの妊産婦さんのお役に立つことを願っています」
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