ASCII Power Review ― 第152回
「16インチ MacBook Pro」実機レビュー = Core i9 + RTX3080 のゲーミングPCと対決させた-倶楽部情報局
2021年11月15日 18時00分更新
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本日は、ASCII倶楽部の人気記事「「16インチ MacBook Pro」実機レビュー = Core i9 + RTX3080 のゲーミングPCと対決させた」を紹介します。
アップルは中身もボディーもフルモデルチェンジを施した新型14インチ、16インチMacBook Proを10月26日に発売した。両モデルともに新たなプロ向けプロセッサーとして自社開発した「M1 Pro」「M1 Max」を採用。先行リリースされた「M1」搭載Macより大幅にパフォーマンスアップを実現したと謳われている。
両モデルはディスプレーとボディーサイズは異なるが、最上位構成でプロセッサーと、メモリー容量、ストレージ容量は同じパーツを選択できる。しかし、M1 Maxを搭載した16インチMacBook Proのみ、動作モードとして「ハイパワーモード」が用意されていると話題になっている。
今回、ストレージ容量以外は最上位構成の16インチMacBook Proを入手したので、ハイパワーモードでどのぐらいパフォーマンスが変わるのかもチェック。
そして、Windowsマシンの代表として、スリム・ゲーミングノートの元祖であるRazer Blade 15のアドバンストモデル最上位機種とも、速度を比較してみた。サイズと重量、価格もほぼ同じMacとWindowsの対決である。
従来のプロ向けMacBook Proに立ち返り、
インターフェースが大・復・活
16インチMacBook Proは標準構成として下記の3モデルが用意されている。
・M1 Pro(10コアCPU、16コアGPU)
RAM16GB/SSD512GB 29万9800円
・M1 Pro(10コアCPU、16コアGPU)
RAM16GB/SSD1TB 32万1800円
・M1 Max(10コアCPU、32コアGPU)
RAM32GB/SSD1TB 41万9800円
16インチMacBook Proは、プロセッサー、メモリー、ストレージは下記のパーツを選択可能。一方、14インチMacBook Proは8コアCPU/14コアGPU、10コアCPU/14コアGPUのM1 Proを選択できるが、16インチ版は10コアCPU/16コアGPUのM1 Proしか用意されていない。なお、Neural Engineはすべてのプロセッサーに16コアが搭載されている。
・プロセッサー
M1 Pro(10コアCPU、16コアGPU)
M1 Max(10コアCPU、24コアGPU)
M1 Max(10コアCPU、32コアGPU)
・メモリー 16GB/32GB/64GB
・ストレージ 512GB/1TB/2TB/4TB/8TB
M1 Max(10コアCPU、32コアGPU)、RAM64GB、SSD8TBという構成を選ぶと70万5800円という、思わず手が震えてくるような価格となる。キーボードは日本語(JIS)、英語(US)、英語(UK)、中国語(拼音)、中国語(注音)、韓国語、スペイン語から選べるが、価格は変わらない。
これ以外のスペックはすべて共通だ。ディスプレーは「Liquid Retina XDRディスプレイ」と名付けられた、ミニLEDをバックライトに採用した16.2型液晶パネル(3456×2234ドット、254ppi、フルスクリーンの持続輝度:最大1000cd/m²、ピーク輝度:最大1600cd/m²、コントラスト比:1,000,000:1、色域:P3、True Toneテクノロジー、最大120HzのProMotionテクノロジー)を採用。ディスプレー上部にはウェブカメラ「1080p FaceTimeHDカメラ」(F2.0)を搭載するため、ノッチ(切り欠き)が設けられている。
インターフェースは、いにしえのプロ向けMacBook Proに立ち返り、Thunderbolt 4(充電、DisplayPort、Thunderbolt 4:最大40Gb/s、USB4:最大40Gb/s)×3、HDMI×1、SDXCカードスロット×1、3.5mmヘッドフォンジャック(ハイインピーダンスヘッドフォン対応)×1、MagSafe 3ポート×1を搭載。M1 Pro搭載機では最大2台、M1 Max搭載機では最大3台の外部ディスプレーを接続できる。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポートする。
もうひとつ歴史が巻き戻されたのがキーボード。指紋認証センサー一体型電源ボタンTouch IDは引き続き搭載されるものの、タッチパネル付きディスプレー「Touch Bar」を廃止し、12個の物理ファンクションキーを備えたJIS配列準拠キーボードが採用されている。個人的には、Touch Barを気に入って使っていたので、このまま廃止されるのがちょっと残念ではある。
ボディーは100%再生アルミニウムが使用されており、サイズは355.7×248.1×16.8mm、重量はM1 Pro搭載機が2.1kg、M1 Max搭載機が2.2kg。100Wh(実際のワット時定格量は99.6Wh)のバッテリーを内蔵しており、Apple TVアプリのムービー再生は最大21時間、ワイヤレスインターネットは最大14時間と謳われている(ディスプレーの明るさは50%)。
前モデルの「16インチMacBook Pro(16-inch,2019)」のサイズは357.9×245.9×16.2mm、重量は2.0kgであった。つまりM1 Max搭載機は重量が0.2kg増えていることになる。今回の16インチMacBook Proが「モバイル」できるかどうかは、体力と覚悟次第だが、最終的に「モバイル」するかどうかはパフォーマンスを見てから判断してほしい。
USB Type-A非搭載は残念 AV品質はノートPCトップクラス
使い勝手における新型14インチ、16インチMacBook Pro最大の進化点は、なんといっても各種インターフェースの復活。特にSDXCカードスロットが搭載されたことは、プロフェッショナル、アマチュア写真家にとって、この一点だけで買い換えに値する変更点だ。
個人的に残念なのはUSB Type-A端子が搭載されなかったこと。まだUSBメモリーでデータをやり取りする機会はあるし、Bluetoothが不安定な環境でマウスのドングルを挿したくなることはある。いまだ購入可能な光学ドライブ「Apple USB SuperDrive」だって端子はUSB Type-Aだ。せめてひとつだけでもUSB Type-A端子を搭載してほしかった。
キーボードはTouch Barが廃止され、ファンクションキーが復活したことが最大のトピック。筆者自身は物理的なファンクションキーをMacでは使わないので、Touch Barをそのまま搭載してほしかったが、アプリなどでファンクションキーを常用している方には恩恵は大きい。
ディスプレーに1万216個のミニLEDがバックライトとして内蔵された「Liquid Retina XDRディスプレイ」が採用されているだけに、YouTubeなどでHDRコンテンツを再生すると圧倒されるほどの映像美を堪能できる。6スピーカーサウンドシステムによる音も、ノートPCとして最高クラスであることは間違いない。筆者は機材の都合で試せなかったが、ハイインピーダンスヘッドフォン対応の3.5mmヘッドフォンジャックもオーディオ面の大きな進化点だ。
「1080p FaceTimeHDカメラ」(F2.0)の画質自体は良好だが、カメラが自動でパンを調整する「センターフレーム」機能が搭載されなかった点は残念。iPad Pro、iPad、iPad miniと対応製品が増えているので、ぜひMacBook Proにも搭載してほしかったところだ。
Core i9-11900H+GeForce RTX 3080のマシンと速度比較
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