なぜ後発なのにゲーミングディスプレー市場で人気なのか
「すべての面で万全を期す」GIGABYTE製4Kディスプレーの秘密
独自機能の開発姿勢と今後の展開について
ーー御社のディスプレーと言えば、「KVM」機能がかなり目を引くのですが、実装する上で苦労した点はありますか?
GIGABYTE ディスプレーにKVM機能を追加するためには、まず構造の問題を解決しなければなりませんでした。この機能を実現できる既製のICは存在しなかったため、R&DチームはいくつかのICを使って実現可能な回路構造を作りました。各ICのファームウェアは前段・後段のICとの連携が必要なため、設計ロジックにICの選定、ソフトウェア、ハードウェアの運用のすべてが完全に連携していなければなりません。
ーーそれはすごく大変そうですね……。
GIGABYTE 開発の後半期は多くのUSB機器との互換性の確保で苦労しました。しかし、当社のマザーボードビジネスで長年培ってきた設計や市場での経験が活き、最高のUSB互換性を実現できました。このように多くの課題があるにもかかわらず、R&Dチームは弊社製品の設計理念である、より消費者に優しく洗練された製品を作るための研究と改良を続けています。
ーー御社は曲面モデルも積極的に展開していたと思うのですが、4K(あるいはそれ以上の解像度)の曲面モデルのご予定はありますか?
GIGABYTE 来年に向けて、最新、最良、実用的な企画がたくさんありますが、まだ言えなことが多くてもどかしいです(笑)。
ーーなるほど(笑)。しかし、そこをなんとか来年の新製品のヒントだけでもちょこっと教えていただけませんか?
GIGABYTE そうですね。最新の、最高の、そして最も実用的な……って先ほども同じようなことを申し上げましたね。すいません。ご想像にお任せします(笑)。
ーーしつこくてすいません(笑)。では、最後に日本のユーザーに向けてのメッセージをお願いします。
GIGABYTE 弊社はディスプレー市場に参入してから日が浅いのですが、プレイヤーのニーズという観点からR&Dチームのリソースを最大限に投入してきました。弊社のディスプレーを使っていただければ、製品に注いできた努力が伝わると信じております。ゲーミングディスプレー市場も参入したばかりですが、弊社は製品にこだわりを持っており、新技術の開発や製造工程の監視など、多くの研究開発資源を投入しています。ディスプレー製品のラインは新製品の導入に伴って成長していきます。将来的にはマザーボード、ビデオカードに加えて、ディスプレーを弊社の第3の主力製品として考えてもらえればと思います。今後も最新の仕様、豊富なソフトウェア機能、最も人間工学に基づいた新製品を次々と計画していきますので、ぜひご期待ください。
まとめ:GIGABYTEのゲーミングディスプレーづくりは後発ならではの努力の賜物
インタビューを終えて、GIGABYTEのゲーミングディスプレー開発にかける並々ならぬこだわりがわかった。後発だからこそ他社との差別化を大事に考え、とはいえ奇抜な機能を単純に盛り込むわけではなく、市場やゲーマーの声を細かく拾いあげ、本当に必要な機能を取捨選択して導入している。HDMI 2.1など新規格対応モデルも積極的に取り組み、ゲーミングディスプレー市場で確かな存在感を獲得した同社だが、今後も要注目メーカーとしてチェックしていきたい。最後に、GIGABYTEに研究開発部門の開発風景をいただいたので紹介する。