ソラコム公式ブログ
CO2センサーの導入は「多拠点」が重要に ― 飲食業、スポーツジム、保育園での活用事例
本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「CO2センサーの導入は「多拠点」が重要に ― 飲食業、スポーツジム、保育園での活用事例」を再編集したものです。
こんにちは、ソラコム マーケティングの熊崎(nao)です。
先月開催した、SORACOM Device Meetup#5 〜二酸化炭素の濃度を測れるIoTデバイスのご紹介〜のレポートをお届けします。3社のゲストをお招きし、オフィスや施設内の CO2濃度の高精度な計測、グラフ表示、ログ収集、アラート通知が可能なIoTデバイス「LTE-M CO2センサー RS-LTECO2」をご紹介しました。
SORACOM Device Meetupとは?
IoTデバイスの概要や技術情報、活用事例を通じて、IoTで何ができるのか?どんなことに使えそうか?を皆さんと考えていく勉強会です。IoTデバイスの利活用や開発方法を学んだり、購入前の情報収集として参加いただけるイベントです。
教育現場、宿泊施設、飲食業など多岐にわたる業界で換気のニーズは高まっています。そのため、安価なものも出回るようになりましたが、CO2以外にも反応する製品も少なからず存在するとのこと。 そこで、今回は高精度なCO2センサーで複数施設の二酸化炭素濃度を計測したい方に役立つデバイスについて、具体的な事例と共に学んでいきました。
「RS-LTECO2」の製品概要
デバイス販売元のラトックシステム大塚様からは、製品の特徴と中部電力ミライズ株式会社様の事例をお話しいただきました。こちらのデバイスでは、CO2レベルをLEDで表示し、直感的に換気タイミングをお知らせます。CO2レベルが1000ppmを超えると橙色が表示され、換気が必要なサインです。アンテナだと思っていた突起部分は、温湿度センサーが搭載されていました!
CO2センサーは、センシリオン社の1cmサイズの小型センサー「SCD40」を利用しています。射出した赤外線にCO2分子が触れた時に生じる振動音をマイクで吸音することでCO2濃度を測定する、光音響方式を採用されています。この⽅式は、より正確なデータ計測ができると紹介いただきました。
センシングしたデータはダッシュボード作成・共有サービス SOACOM Lagoonで可視化したり、クラウド連携サービスのSORACOM Beam/Funnel/Funkを通じてお好きなクラウドや自社サーバーにデータを送信可能です。
本機器が利用されている、中部電力ミライズ様のAiroco(エアロコ)という換気ソリューションサービスの事例をご紹介いただきました。スポーツジム、飲食店、保育園等で利用されているようで、複数拠点のモニタリングが可能になり、会社の管理部門が各拠点のCO2データを一元管理でき、拠点をの利用者は、インターネットから状態を確認でき安心して利用できます。
飲食店でも使われる! CO2センサー活用事例
飲食店向けの衛生管理支援ソリューション「HACCPPy」を提供されているハピクロ様は、飲食店でCO2濃度を計測し、自社のサービス上でデータを表示、閾値を超えたらアラートが発生する仕組みを構築されました。
機器を自社システムに繋ぐときは、データ転送サービスのSORACOM Beamの設定で「UDP→HTTP/HTTPS」を選択します。機器から送られるデータだけでは個体認証ができないため、SORAOM Beam側で、IMSI情報をヘッダに入れるという役立つTipsをいただきました。
飲食業、宿泊業では、2割の事業所がCO2センサーを設置
DX & IoTベンダーで、データの可視化を実現するSensorCorpusを提供するインフォコーパス高橋様から、二酸化炭素濃度の計測に関するマーケット調査の結果とCO2以外のセンシングデータの活用方法についてお話しいただきました。
マーケット調査によると、飲食業、宿泊業では現在2割の事業所がCO2センサーを設置。教育、娯楽、宿泊業では、3台以上の機器を利用しています。興味深かったのは、自治体が人に安心して街に来られるよう、街全体の環境情報の管理を進めている点です。例えば、北九州市の小倉では、小倉城の中や庭園のCO2濃度を測り、換気が必要なタイミングでアラートを送っています。街全体の管理を進める動きは、これからもより活発になっていき、その流れとともに、複数の拠点を一括で可視化する仕組みは必要になるだろうと想像がつきます。
電源ONですぐ使える! 「RS-LTECO2」ライブデモ
ソラコム テクノロジー・エバンジェリストの松下が、デバイスの箱を開けるところからスタート!機器にSIMカードを挿し、温度センサー部分を上げて、電源を入れます。センシングしたデータをSORACOM Harvestというデータ収集・蓄積サービスに簡単に可視化。その後、SORACOM Funkを使い外部システム連携(AWS Lambda)にデータを送信し、Cloud Watchにログが表示される方法をご紹介しました。データの送信先を変える時は、デバイス側の設定変更は不要、全てSORACOM プラットフォームで操作ができます。
ライブデモの様子は、イベントの動画の1:11:10頃から、ご覧いただけます。SORACOM Harvestにデータを入れるところまでは、こちらの手順書でもご紹介しています。
AWS Lambda以外にもどんな構成が考えられるかを、松下の発表資料でご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
今後もニーズが高まるCO2のセンシング。高精度で、複数拠点のデータを収集したいユースケースでは、本製品が役立つと思います。ソラコムは、「IoTデバイスを1個から注文できる」通販サイトSORACOM IoTストアをご用意しています。今回ご紹介した、CO2センサー以外にも、用途別製品や通信モジュールなど幅広く取り揃えていますので、ぜひご覧ください。
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