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ESET/サイバーセキュリティ情報局

有名人や富裕層の名前やイメージを悪用した詐欺に注意

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本記事はキヤノンマーケティングジャパンが提供する「サイバーセキュリティ情報局」に掲載された「有名人の名を騙った詐欺によくみられる4つの手法」を再編集したものです。

 オンライン詐欺は、詐欺師が無警戒な被害者から金銭を騙し取るのによく使われる手法のひとつだ。そして、「変化は人生のスパイスだ」という言葉もあるように、詐欺師は常に異なる手法を使ってくるものだ。そうしたなかには新型コロナウイルスのワクチンを含む、最新の話題を悪用したものもある。また、音信不通であった親戚から多額の遺産を受け取る、というような古典的な詐欺の手法を用いることもある。

 本記事では、有名人や富裕層の名前やイメージを悪用して、金銭を詐取するのに使われる典型的な手法について解説する。

暗号資産(仮想通貨)のプレゼント

 暗号資産を騙った詐欺は、詐欺師が好む手法のひとつだ。ビットコインが、その開発者であるサトシ・ナカモトの信奉者だけではなく、一般消費者の間でも話題にあがるようになってから、偽の暗号資産を配る方法が広まっている。

 より多くの人をターゲットにするため、詐欺師は複数のチャネルを用いる。多くのフォロワーを抱えるYouTubeアカウントを乗っ取ったり、Twitterアカウントを悪用することで、偽のプレゼント情報を拡散する。そして、プレゼントの総額を2倍にするからと、特定のビットコイン・アドレスへ暗号資産を送金するよう促す。当然ながら、送金してしまった暗号資産は二度と戻ってくることはない。

 この詐欺を信じ込ませるため、詐欺師は大手企業から認定された、あるいはスポンサーがついたプレゼント企画であるよう見せかけてくる。その際によく使われるのがビル・ゲイツの名前だ。マイクロソフト社の創業者である同氏は、暗号資産に反対する立場を表明しているので、そもそもこの設定自体がおかしく思える。一方、暗号資産を支持するイーロン・マスクの名もまた、暗号資産の詐欺では頻繁に用いられる。その場合、テスラ社とスペースX社を率いるイーロン・マスクの名前がビットコイン・アドレス自体にも組み込まれていることが多い

そのFacebookライブはホンモノ?

 FacebookやInstagramなどでライブ配信を行ないファンと交流する有名人は多い。好きな有名人がそのための映像を制作し、自分たちからの質問にも答えてくれるため、ファンからの人気も高い。一方、詐欺師は、こうした忠実なファンから金銭を騙し取るのにライブ動画を悪用する。

 詐欺師はまず、有名人が持つ本物のソーシャルメディア・アカウントをコピーする。投稿・画像・動画を含めた偽のアカウントを作成し、巧妙になりすまそうとする。ただし、アカウント名にはスペルミスがあったり、「TV」「ファンページ」といった文言が追加されていることもある。

「Robin Williams’last phone call? Sick Facebook video scam exploits celebrity suicide(ロビン・ウィリアムスの最後の電話? Facebookビデオの詐欺は有名人の死さえ悪用する)」(英語のみ)
https://www.welivesecurity.com/2014/08/15/robin-williams-suicide-phone-call-scam/

 続いて、その有名人が過去に投稿したか、ライブ配信した動画を入手して偽のアカウントに投稿する。その際、「コメントを投稿した先着1000人に1000ドルをプレゼント」といった文面を概要欄に記載する。さらに、より多くの人に拡散するため、流行のハッシュタグを付加する。

 詐欺師は、投稿した動画にファンがコメントした後、報奨金を得るための詳細な手続きについてメッセージを送る。そのメッセージには、ウェブサイトの閲覧や個人情報の入力、あるいはアカウントへ送金するといった手順が含まれる。ファンは金銭を詐取されるだけでなく、さらなる詐欺に個人情報が悪用されるというダブルパンチの可能性もあるのだ。

慈善活動への招待

 もうひとつの詐欺の手法として、有名人になりすましたSNSアカウントからファンへ直接メッセージを送る方法が挙げられる。Facebook、Instagram、Twitterなど、あらゆるソーシャルメディア・プラットフォームで起こり得る手法だ。

 この手法は、それほど洗練されたものではない。詐欺師は、偽アカウントからのダイレクトメッセージを受け取った被害者に対し、支援している慈善活動へ協力するよう依頼してくる。あるいは、存在しない非公開のコンサートのチケットや、あらゆる口実をつけてアプローチしてくる。

 これは有名人を騙る詐欺によくあるケースだ。被害者は金銭を失うのはもちろんのこと、支援するはずだった慈善活動にお金が寄付されることはない。例えば、ブルース・スプリングスティーンの名を騙った詐欺師により、1人の被害者から1万1000ドル以上が騙し取られたという事例もある。

有名人が勧める投資

 有名人が支援していると詐称した投資案件に無警戒な被害者が金銭を詐取される事例は、オンライン詐欺師が手っ取り早く金銭を得るのによく使われるため、耳にしたことがあるかもしれない。

 投資詐欺は古くからあるもので、いつも同じメッセージが用いられる。早く簡単に資産が増やせて、その成果は保証されているというものだ。古くからあるものを、うわべだけ変化させた手法が今も使われている。

 通常、様々なポップアップ広告が用いられ、優れた投資対効果を謳う記事へと誘導される。大げさに書かれた見出しには「有名人Xがこの会社や商品に投資して4倍の利益を得た」「有名人Zが投資するよう勧めている。そこには未来がある」といった美辞麗句が並ぶ。

 このような投資案件は、たいてい偽物だ。実在する投資案件に基づいている場合もあるが、渡したお金が預け入れられることはない。つまり、得をするのは詐欺師だけだ。

詐欺から身を守るには、どうすれば良い?

 これらの詐欺を見分けるのは、それほど手間がかかるわけではない。ソーシャルメディア・プラットフォームは、本物の有名人と詐欺師とを区別する方法を提供しているからだ。「有名人」があなたに連絡してきた際、そのアカウントが「認証」されているかどうかを簡単に確認できる。Facebook、Instagram、Twitterのいずれも、ユーザー名の横に認証済みバッジを付与するようになった。

 慈善活動や投資案件については、本物であるかどうかGoogle検索をして確認してみるとよい。確認の際には、安全のため特定の有名人に対し、提携しているかどうかを直接聞く方法もある。

 要するに、詐欺から身を守るためには、より慎重になることが重要で、少しでも怪しいと思ったことにはすべて疑ってみることだ。疑念を晴らすために行動したとしても損はしない。真実とは思えないほど出来過ぎた話は、結局のところ、真実ではないものである。

[引用・出典元]
4 common ways scammers use celebrity names to lure victims by Amer Owaida 26 Apr 2021 - 11:30 AM
https://www.welivesecurity.com/2021/04/26/4-common-ways-scammers-use-celebrities-lure-victims/

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