本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「AIカメラに高性能モデルが新登場! S+ Camera Basic Smart Edition予約受付開始」を再編集したものです。
S+ Cameraの開発を行なっているLead EngineerのAshです。本日より、AI処理機能を搭載したソニーのイメージセンサー「IMX500」を採用したS+ Camera Basic Smart Editionの予約受付を開始しました。
「IMX500」にはAIモデルを実行するDSP(Degital Signal Processor)が搭載されているため、S+ Camera Basicに比べて、画質や夜間撮影性能が向上するとともに、AIモデルの実行速度を飛躍的に早めることが可能になりました。
S+ Camera Basic Smart Editionについて、開発リードエンジニア五十嵐(ash)と広報の田渕(kyon)のインタビュー形式でお届けします。
Kyon:「IMX500」搭載の新カメラの開発は順調ですか?
Ash:いやー、いつものことながら名前付けに苦戦しましたよ。
SORACOMのサービス名には、アルファベットを頭文字につけるという遊び心がありまして、毎回メンバー総出で知恵を出し合い決めています。名は体を表すということもあり、ユーモアを持ちつつも全員が本気であるため、実はネーミングが最大の開発工程かもしれません。
Kyon:Ashといえば、前回のopsdev職種インタビューも楽しく読みました。「別件バウアー」の様にスポーツに引っ掛けてくるイメージがありますが、今回もスポーツに例えてわかりやすく説明お願いします。
Ash:「別件バウアー」全然流行らなかったですね。多分自分以外はバウアーといえば「ジャック」や「イナ」をイメージしてしまうことが分からなかったのが敗因ですね。
Kyon:今回の名前は「S+ Camera Basic Smart Edition」になったと伺いました。
Ash:「バウアー」スルーされた……
Ash:実は今でも「Smart Edition」は「Ohtani Edition」だと思っているんですよ。
Kyon:えええ、野球の大谷選手ですか?
Ash:「IMX500」の凄さは、一言で言うと「二刀流」にあります。
Kyon:詳しく教えてください。
Ash:まずはこちらの写真を見てください。
Kyon:S+ Camera Basicよりもだいぶ広い範囲での撮影ができていますね。暗闇での撮影も以前より鮮明ですね。
Ash:そうなんですよ。画素数が800万画素から1230万画素へ、セルサイズも1.9倍も向上しているので、解像度及び夜間撮影能力が飛躍的に向上しています。
Kyon:なるほど。大谷選手の投球といえば100マイルを超える直球だけではなく、ストレートと同じ軌道から落ちる高速スプリットが注目されていますからね。解像度とセルサイズの拡大による撮影性能の大幅な向上が注目の1点目ですね。ではもう一方のバッティングにつていはどうでしょうか?
Ash:実は「IMX500」にはAI専用のDSP(Digital Signal Processor)が備わっており、カメラで撮った映像をカメラ内でそのまま解析することができるんですよ。カメラにアクセスすれば画像だけではなく、物体認識した結果(OutPutTensor)も併せて得られます。物体認識は専用のDSPで処理されるので、非常に高速に処理することができます。またCPUを使わないので、CPUを再学習用の画像の補正や、トラッキングに必要となるフレーム間の差分抽出等へ利用することができます。
Kyon:AIモデルがそのままカメラで実行できるのは確かに凄いですね。画像の高速処理機能が備わったということは、これまでS+ Camera Basic単体でできていなかった、高速に動く人やモノの動態トラッキングや、スピーディに流れる工場レーンにおける不良品の検出などへの応用も期待できますね。ただ、大谷選手といえば、真っ先に思いつくのはホームランですが、ホームランの要素もお聞きしてよいでしょうか?
Ash:はい… ホームランを追いかけることもできます……
Kyon:スタンドインするまでの時間が球団最速であったホームランもトラッキングできますかね。
Ash:できます!
Kyon:ただ「Ohtani Edition」と言うのは厳しいかな(笑)。
Ash:実際の名前は「S+ Camera Basic Smart Edition」ですから… しかし随分大谷選手に詳しいですね。
Kyon:私も「S+ Camera Basic Smart Edition」で良いと思います(笑)。大谷選手の様に世界に羽ばたく製品にしていきましょう。
Ash:AIカメラの新たな可能性となる「IMX500」をいち早く触ってみたい方は、ご予約ください!
Kyon:今申し込むと、いつ頃の出荷になりますか?
Ash:9月を予定しています。昨今の半導体不足といった環境下ではありますが、1台でも多くお手元にお届けできるように、メンバー一丸となって頑張ります。
Ash:加えて、本日からS+ Cameraのウェブサイトが新しくなりました。S+ Camera Basicやそのほかのモデル、そして提供しているサンプルアルゴリズムや、トライアル機能などわかりやすくご紹介していますので、ぜひこちらもチェックしてください。
Kyon:「S+ Camera Basic Smart Edition」の先行予約はこちらになります。皆様どうぞよろしくお願いします。
この連載の記事
-
第474回
デジタル
SORACOM Flux の AI アクションに Amazon Bedrock – Anthropic Claude 3.5 Haiku を追加、Teltonika RUT240 の価格を改訂 takuyaのほぼ週刊ソラコム 11/02-11/15 -
第473回
デジタル
IoTセキュリティの基本知識と実践をご紹介 ― 10/31開催:SORACOMユーザー向けオンラインセミナー開催レポート -
第472回
デジタル
SORACOM Flux に追加された Incoming Webhook をつかってインタラクティブな Flux アプリを作る -
第471回
デジタル
サーバールームの異常な温度上昇を通知する新規掲載レシピのご紹介 -
第470回
デジタル
Virtual Private Gateway (VPG) Type-F2 が正式リリースになりました! -
第469回
デジタル
暗号化非対応のTCPクライアントでもNapterまでの通信を暗号化する方法 -
第468回
デジタル
SORACOM Beam や SORACOM Flux の開発・デバッグに使える HTTP モックサーバーを素早く作る方法 -
第467回
デジタル
IoTプラットフォームSORACOMの契約回線数が700万を突破、次世代SIMテクノロジー「iSIM」を商用化、搭載モジュールを提供開始 takuyaのほぼ週刊ソラコム 10/12-11/02 -
第466回
デジタル
カメラとAIで楽器演奏シーンを簡単に残す、IoTプロトタイピングの裏側 -
第465回
デジタル
数千を超えるIoT機器を管理!生成AIで設備運用を効率化するhacomonoの挑戦