各種ベンチマークで性能をチェック。ベンチ中の温度も安定し、静音と高性能を両立
夏場も長時間運用でもバッチリ! 静音性重視でもシッカリ冷却&高性能なデスクトップPC「Silent-Master NEO Z590」で騒音問題を解決する!
2021年06月04日 15時00分更新
静音パソコンの魅力は、高負荷時でも騒音に悩まされることなく使えること。とはいえ、そのために性能が犠牲になっていたとしたら、いくら静かだといっても意味がない。
サイコムが販売するBTOパソコン「Silent-Master NEO Z590」は、通常利用でほとんど騒音が聞き取れないほど静かでありながら、高スペックも実現したBTOパソコンだ。さすがに常時静音というわけにはいかず、高負荷時にはそれなりの騒音となるものの、一般的なパソコンより圧倒的に静かであることは間違いない。
前回はSilent-Master NEO Z590の静音性のヒミツともいえる内部についてチェックし、効果的なパーツの組み合わせと組み立て技術により、静音パソコンらしい作りとなっていることが確認できた。
今回は、静音仕様でもしっかりと性能が出ているのかについてチェックしていこう。なお、試用した機材のスペックは標準構成ではなく、CPUが上位モデルのCore i7-11700K、ビデオカードがGeForce RTX 3060搭載の「GV-N3060GAMING OC-12GD」へと変更されていた。より発熱の大きい構成となっているだけに、負荷テストにはピッタリだ。
Silent-Master NEO Z590 | ||
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標準スペック | 試用機スペック | |
CPU | Core i5-11400 | Core i7-11700K |
CPUクーラー | Noctua NH-U12S | |
グラフィックス | GeForce GTX 1660 SUPER 6GB GIGABYTE製GV-N166SOC-6GD | GeForce RTX3060 12GB GIGABYTE製GV-N3060GAMING OC-12GD |
メモリー | 16GB | |
ストレージ | 500GB SSD(Crucial CT500MX500SSD1) | |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | |
PCケース | CoolerMaster Silencio S600 | |
電源 | CoolerMaster V650 Gold-V2(650W/80PLUS Gold) | |
OS | Windows 10 Home(64bit) | |
価格(5月30日現在) | 18万4170円 | 23万3060円 |
定番ベンチマークソフトで性能をチェック
Silent-Master NEO Z590がちゃんと性能が出ているかどうか、定番のベンチマークソフトを使って確認していこう。使用したのは、PCの総合性能をチェックできる「PCMark 10」、CPU単体の性能をチェックできる「CINEBENCH R23」、グラフィック性能をチェックできる「3DMark」、ゲーミング性能をチェックできる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FFXVベンチ)の4つだ。
まずは「PCMark 10」から見ていこう。
手元にあった別のパソコンのデータと見比べてみたところ、Core i5-11600K構成のマシンより高くなっており、スペックどおりの性能が出ているとみてよさそうだ。PCMarkは総合だけでなく、テスト別のスコアも表示されるが、そのうち「Web Browsing Score」と「Writing Score」に関しては、Ryzen 9 5900Xをも上回るスコアとなっていた。
続いてCPU単体の性能を「CINEBENCH R23」で見ていこう。これはCGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもので、結果はptsという単位のスコアで表示される。この数値が高ければ高いほど、高性能となる。なお、テストは標準設定となる10分間行うものを採用。全ての論理コアを使う「Multi Core」、1つだけの「Single Core」の2つのテストを行なった。
結果は見てのとおりで、Multi Coreで13668pts。手元のデータと見比べてみると、この値はCore i7-11700Kとして少々高めとなっていた。もちろん、メモリーの構成やOSのバージョンの違いなどもあって厳密な比較とはいえないものの、少なくとも、静音パソコンでもしっかりと性能が出ていることの証左となるだろう。
次は、Silent-Master NEO Z590をゲーミングパソコンとしてみた場合に気になるグラフィック性能を「3DMark」で確認しよう。
3DMarkは解像度や内容の違いで多くのテストが用意されているが、まずは標準となっている「Time spy」の結果だ。
スコアが少し高めとなっているのは、ビデオカードにOC版が搭載されていたため。いくらOC版といっても温度が高くなれば動作クロックは上げられないだけに、エアフローがしっかりし、ケース内温度が適切に保たれていることがわかる。静音だからといって抜かりはない。
そのほかのテスト結果も含めグラフにまとめておいたので、PC性能の比較などの参考にしてほしい。
最後は、もう少しゲーム寄りの性能を測れる「FFXVベンチ」。単純なスコアだけでなく、動作の目安となる評価も表示してくれるため、性能を把握しやすい。登場からだいぶ時間が経つが、今でもやや重ためのベンチマークとなる。
画質設定はプリセットの「高品質」とし、解像度は1920×1080ドット、2560×1440ドット、3840×2160ドットの3パターンで実行した。
結果は以上のとおりで、2560×1440ドットまでであれば快適に遊べそうだ。多少のフレームが落ちても問題ないジャンルであれば3840×2160ドットでも遊べるが、一瞬の判断の差が勝敗に繋がるFPSでは解像度を落としたほうがよさそうだ。
さすがにゲームベンチの実行中は若干騒音が大きくなってしまっていたが、ファンの回転数が上がったと感じはしても、耳障りなほどうるさくはない。このあたりは、しっかりとした騒音対策がとられているマシンだからこそだ。
そこで、CINEBENCH R23のMulti Coreを実行中、CPUがどんな状況にあるのかを調べてみた。各種センサーから数値を取得・記録できる「HWiNFO」を使い、CPUの温度と動作クロックがどのように変化したのかを見やすくしたのが、下のグラフだ。
CPUは高負荷がかかると一定時間だけ高クロックで動作し、その後は持続可能な動作クロックへと下がる。グラフの動作クロックを見てもらえると、最初は約4.6GHzで動作していたものが、約4.2GHzへと落ちている様子が分かるだろう。これは冷却限界を超えて速度が低下したのではなく、元からこういう挙動となるよう設計されているためだ。
温度を見ていくと、最初の高クロック動作時に最大79℃まで上昇していたが、その後は動作クロックが落ちていることもあって70度以下にまで低下。その後、温度が安定していること、そして負荷がなくなるとすぐに5度以下になることから、十分な冷却性能があることは間違いない。
このことから、静音パソコンといっても冷却性能は犠牲になっておらず、安心して使えるということが分かった。
普段からパソコンを使う人にこそおすすめの静音マシン
多少うるさくても安くて高性能な方がいいという人もいるが、長時間パソコンを使うのであれば、この騒音がストレスになりがち。とくに、夜間など静かな時間帯に使うのであれば尚更だ。
こういったストレスから解放され、しかも性能に妥協することなく使えるというのがSilent-Master NEO Z590の強み。高性能パソコンはうるさいものだと思っている人であれば、この静かさに驚くだろう。
普段からパソコンを活用し、長時間使うという人であれば、選んでおいて損のない1台だ。