さとうなおきの「週刊アジュール」 第153回
Azure Communication ServicesがGAし、Teamsと連携可能に
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》
2021年04月28日 08時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。2021年3月2日~4日に、Microsoftの年次カンファレンス「Ignite 2021」がオンラインイベントとして開催されました。このIgnite 2021におけるアップデートを中心に、ハイブリッド/セキュリティ、インフラ、アプリ開発、データ、AI/IoTの5回にわたってお伝えします。今回はアプリ開発編です。
Azure Communication Services:GA、Teams相互運用性
Azure Communication Servicesは、高度なコミュニケーションAPI(ビデオ、音声、チャット、SMS、電話)をあらゆるアプリケーションで利用できるようにするサービスです。
2020年9月のIgnite 2020カンファレンスでパブリックプレビューになっていたAzure Communication Servicesが、3月中にGA(一般提供)になることが発表されました。(その後、3月末にGAになりました。)
Azure Communication Servicesで、Microsoft Teamsとの相互運用性がパブリックプレビューになりました。これによって、Azure Communication Servicesを使ったカスタムアプリのユーザーと、Microsoft Teamsのユーザーが通信可能になります。
- 更新情報「Public preview: Azure Communication Services interoperability with Microsoft Teams」
- ブログポスト「Ignite 2021: レジリエントで再構築された未来、そして、驚嘆の瞬間(Ignite 2021: A resilient, reimagined future and next big ‘whoa’ moment)」
- ブログポスト「Empowering every developer to innovate with Azure」
- ブログポスト「Connecting customers and businesses with Azure Communication Services and Microsoft Teams」
Azure Kubernetes Service (AKS):Azure Arc、機密コンピューティング、WebLogic/WebSphere
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Arcは、Azure Resource Managerによる管理機能を、Azure外部(オンプレミス、エッジ、マルチクラウドなど)のサーバー、Kubernetesクラスターに拡張するサービスです。
「Azure Arc対応Kubernetes」を使うと、オンプレミス、マルチクラウド、エッジのKubernetes クラスターを管理できます。
2020年5月のBuild 2020カンファレンスでプレビューになっていたAzure Arc対応Kubernetesが、GA(一般提供)になりました。
- 更新情報「Azure Arc enabled Kubernetes is now generally available」
- ブログポスト「Innovate across hybrid and multicloud with new Azure Arc capabilities」
- ブログポスト「Azure Arc enabled Kubernetes is now Generally Available!」
Azure Kubernetes Service (AKS)で、Intel SGXをサポートするDCsv2シリーズの機密コンピューティングノードがGAになりました。機密コンテナー、エンクレーブ対応コンテナーを実行できます。
- 更新情報「Confidential computing nodes (DCSv2) on Azure Kubernetes Service (AKS) is generally available」
- ブログポスト「Improving agility, performance, and resilience with new Azure infrastructure capabilities」
Azure Disk CSI Driverが、GAになりました。Kubernetes v1.20以降で利用可能です。今後、Azure Kubernetes Service (AKS)で利用可能になる予定です。
Azure Kubernetes Service (AKS)で、Oracle WebLogic Server、IBM WebSphere Liberty、Open Libertyをデプロイできるようになりました。これらは、MicrosoftとOrcle/IBMの両社によってサポートされます。
- 更新情報「General availability: Deploy WebLogic on Azure Kubernetes Service (AKS) using custom Docker images」
- 更新情報「General availability: Enabling IBM WebSphere on Azure Kubernetes Service」
- 更新情報「Enabling IBM WebSphere on Azure Kubernetes Service」
- ブログポスト「Empowering every developer to innovate with Azure」
- ブログポスト「Run WebSphere Liberty and Open Liberty on AKS」
Azure Kubernetes Service (AKS)で、次の新機能がリリースされました。
- 動的なIP割り当てとサブネットサポートの拡張(パブリックプレビュー)
- ノードごとにパブリックIPを割り当てる機能(GA)
- Azure Active Directory条件付きアクセスとの統合(GA)
- ディスクをカスタマーマネージドキー(CMK)で暗号化する必要があることを示す、Azure Policy定義(GA)
- 計画メンテナンス期間の指定(パブリックプレビュー)
- Windows Server上でのCalicoネットワークポリシーのサポート(パブリックプレビュー)
- Just-In-Timeアクセスのサポート(GA)
- Application Gatewayイングレスコントローラー(GA)
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「Public preview: Dynamic IP allocation & enhanced subnet support in AKS」
- 更新情報「General availability: Public IP per node capability in AKS」
- 更新情報「General availability: Conditional Access feature integration with AKS」
- 更新情報「General availability: Encrypted customer managed keys policy for AKS」
- 更新情報「Public preview: Planned maintenance windows in AKS」
- 更新情報「Public preview: Calico Windows support in AKS」
- ブログポスト「Windows Calico on Azure Kubernetes Services Public Preview」
- 更新情報「General availability: Just-In-Time Access support in AKS」
- ブログポスト「Just-in-Time Access to Azure Kubernetes Service」
- 更新情報「General availability: App Gateway ingress controller add-on for AKS」
Azure Spring Cloud:マネージド仮想ネットワーク、自動スケール
Azure Spring Cloudは、MicrosoftとVMwareが共同で構築、運用する、フルマネージドのSpring Cloudサービスです。
2020年9月にAzure Spring CloudがGA(一般提供)になり、マネージド仮想ネットワーク、自動スケールがプレビューになっていました。
これら2つを含む次の機能が、GAになりました。
- マネージド仮想ネットワーク
- 自動スケール
- 送信パブリックIP
- 依存関係、メトリックの自動収集
- サーキットブレーカーのメトリック
- 更新情報「Azure Spring Cloud: General availability of Managed Virtual Network and Autoscale」
- ブログポスト「Managed Virtual Network and Autoscale are now generally available in Azure Spring Cloud」
- ブログポスト「Empowering every developer to innovate with Azure」
Azure API Management:Visual Studio Code、Azure Key Vault
Azure API Managementは、既存のAPIに対するAPIゲートウェイのサービスです。
Visual Studio Code拡張機能「Azure API Management」が、GAになりました。APIのインポート、管理、テスト、生成、ポリシーの編集などを行えます。
Azure Key Vaultは、暗号化キーやパスワードなどを格納して管理するサービスです。
Azure API Managementで、Azure Key Vaultとの統合がGAになりました。
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