Apple Storeではアップルの製品やアプリなど、各種サービスの使い方が学べるオンライン形式のバーチャルセッション「Today at Apple」を開催している。4月22日からは、iPadやApple Pencilに初めて触れる方々にも最適な「iPadで始めよう」と題したセッションが定期開催される。現在ウェブサイトで参加者を募集中だ。
Today at Appleは、誰でも無料で参加できるオープンな体験セミナーだ。従来、Apple Storeの各店舗に足を運んだ受講者が、製品を手に取りながら使い方などを体験できるインストアイベントとして開催されてきたが、2020年以降世界各地に新型コロナウィルス感染症の影響が広がったことから、現在Apple Storeは来客の健康と安全を考えた対策を講じたうえで、さらに入場制限を実施して店舗を開けている。ただしリアルのToday at Appleイベントは実施されていない。代わりに日本国内では、2020年11月からToday at Appleの開催をオンライン形式のバーチャルセッションに切り換えた。
バーチャルセッションについては現在ほぼ毎日、複数の時間帯にメインのセッションである「iPadで始めよう」と「Macで始めよう」が交互に開催されている。昨今は特にリモート教育の普及に伴い、iPadを活用する授業を導入する教育機関が増えていることから、教師や子どもを持つ親のためにiPadの初歩的なプロダクトスキルを学べるセッションが4月22日から、毎週火曜日と木曜日の18時にオンライン開催される運びとなった。
1回のセッション開催時間は60分。セッションの内容は、iPadを使いこなすために知っておきたい、以下の「5つのポイント」について特に重点的に触れるものになっている。
■「iPadで始めよう」のセッション内容
①iPadのハードウェア:ボタンの操作方法/各ファンクションの確認/カメラの起動
②通知とコントロールセンターの設定:コントロールセンターの構成/操作方法/通知の管理・通知センターの確認方法
③iPadOSについて:画面のタップ、スワイプ、ドラッグによる操作方法/ジェスチャー操作の使いこなし/ウィジェット機能
④作業効率向上のテクニック:Siriによる音声操作の使いこなし/マルチタスク(Slide Over、Split Viewによるアプリの活用)
⑤Apple Pencilを使いこなす:初めてのペン入力/筆圧調整や“太い線”を書くための小ワザなど
Today at Appleのバーチャルセッションは、アップルのWebサイトから参加申し込みをした後に、MacやWindows PC、iPhoneにAndroid端末にCisco Webexアプリをインストールするか、またはWebブラウザーから参加できる。もちろんiPadからの参加も可能だが、iPadを操作しつつ、ほかの製品でセッションの内容が確認できる環境があればベストだろう。
セッション中はアプリのチャット機能を使って、より深く知りたいポイントを講師に訊くこともできる。1時間に渡る「iPadで始めよう」のセッションでは、先述した5つのポイントをすべてカバーしながらiPadを学ぶ。どのセッションも基本的にプログラムの内容は同一となり、理解を深めるため何度でも受講できる。セッション参加者の名前やプロフィールがアプリ上で公開されることはないので、「職場や学校でiPadを使わなければならなくなったため、こっそり学習したい」というビギナーの方にも打って付けのセミナーと言えそうだ。
なお毎週火曜・木曜の18時以外にも、バーチャルセッション「iPadで始めよう」は異なる時間枠を設けて頻繁に開催されている。Today at Appleのカレンダーを確認して、自分のスケジュールに合わせられるプログラムを選ぶといいだろう。1度のセッションに大勢が参加できるセッションなので、学校の教師一同、または職場のチーム単位で集まって参加申し込みもできる。
コロナ禍に見舞われる以前から、国内では小中学校に通う生徒たちがパソコンやタブレットに触れる機会を作り広げるところを起点として、文部科学省が押し進めるGIGAスクール構想の早期実現に向けた展開が活発化していた。今後は高等教育の現場にプログラミング学習の本格導入が始まる。iPadやMacを使った中上級者向けのToday at Appleのセッションも実施されれば、生徒にプログラミングの基礎やより高度な製品の扱い方を指導しなければならない教育者からまた多くの引き合いがありそうだ。
そしてまたApple Storeの店舗に足を運び、アップルの製品に関するより深い知識や使いこなしのスキルを学べる密度の高いセッションに参加できる機会も早く訪れることを心待ちにしたいと思う。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。