惑星を爆発してサンプルを回収
“はやぶさ2”。2019年3月に掲載した記事から約1年と9カ月あまりが経とうとしていますが、小惑星リュウグウのかけら(サンプル)を持って、2020年12月6日予定で、ようやく地球に“いったん”戻ってきます。……いったん、ということは、またどこかに行くのでしょうか? そう、行くのです。はやぶさ2は、その体からリュウグウのかけらの入ったカプセルを切り離し、地球に向けて投下した後、今度は別の小惑星に向かうことが決まりました。
そして、その小惑星に到着する予定時期は2031年7月。今から約11年後……と、年齢を考えるとちょっと自分自身がどうなっているかも気になる経過時間ですが、とにかく11年先に楽しみな“何かしらの結果”が待っていることになりますね! 個人的には、その時まで健康でいたいところです。
さてさて、2014年12月に打ち上げられたはやぶさ2、それからすでに6年が経過しているのも驚きですが、前回の記事から今までに何があったかを振り返ったのち、これからの予定を見ていきましょう。
ところで、世の中様々な探査機がありますが、実際にその探査対象から“サンプル”と呼ばれる岩石などの試料を採取し、地球に持って帰ってくる“サンプルリターン”という形式のものは珍しいタイプになります。アポロ計画で人間が月の石を持って帰ってきたのもサンプルリターンのひとつですが、これは“人の手”によって採取されています。はやぶさ2は無人探査機のため、これをはやぶさ2のみでやらなければなりません(もちろん管制は地球にいる人の手になりますが)。
このサンプル取得に用いられたのが、初号機“はやぶさ”だとサンプラーホーン(試料採取用の筒)とプロジェクタイル(小惑星表面から試料を浮き上がらせるための弾丸)ですが、はやぶさ2はもっと大掛かりなものでした。そう、“衝突装置を使って、人工クレーターを形成”するのです。
前回の記事は、まもなくこの人工クレーターを形成、というところで、史上初の偉業が成し遂げられるか!? といった感じで終わっていました。遠く離れた小惑星で、衝突装置に搭載した爆薬を爆発させ、その爆発のはずみで浮き上がったサンプルをキャッチするという、地球上でもハラハラする一連の作業でしたが、はやぶさ2は成し遂げました。
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