副業や働き方に関する、お悩みにお答えします!
「副業したいけど、時間がない」「第二新卒・30代で、転職するかどうか迷っている」など、副業や仕事に関するお悩みやご相談ありませんか? 大学時代に立ち上げたハピキラFACTORYの社長で、会社員でもある正能茉優さんが、皆さんのお悩みにお答えします!
お悩みの投稿はこちらから。ぜひ気軽にお悩みを書き込んでみてください!
●今月のテーマは「仕事と結婚」
ASCII読者の皆さん、こんにちは!正能茉優です。
今月も、パーソルキャリアの新規事業企画、ハピキラFACTORYの代表、そして慶應義塾大学大学院の特任助教と、3つのお仕事をしています。
さて、この連載「お仕事悩み、一緒に考えます。」では、今月も、読者の皆さまからいただいたお仕事に関するお悩みについて、一緒に考えていきます。
今月のテーマは、「仕事と結婚」について。
仕事が楽しいから、心の底から頑張りたいと思う。好きな人と結婚もしたいし、家庭もつくっていきたい。でも、両方を器用にこなす自信はない。
そんな、30代女性のお悩みを一緒に考えていきたいと思います。
いつもと少し違うジャンルのお悩み相談ですが、男性の皆さまも、「パートナーは、こんなことを考えているのかもしれないな」というお気持ちで、あたたかくご一読いただけるとうれしいです。
●仕事か、結婚か。どちらも大切で迷っています
はじめまして。カナと申します。
先日、正能さんがご結婚されたときのインタビュー記事を拝見し、今日はメールをさせていただきました。
詳しいことは省きますが、私は今、仕事か結婚かで悩んでいます。
正能さんなら「両方楽しめばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、私は体力・気力ともにあまり自信がなく、なおかつ今の仕事はとても楽しくて、早朝から夜遅くまで働いているので、今の仕事のペースを保ったまま、仕事と結婚生活を両立できる自信がないのです。
彼から結婚の話が上がった当初は、両立できる道ももちろん考えていたのですが、結婚後の生活を具体的に考えれば考えるほど、24時間ですべてをこなす自信がなく、どちらかを選ばなくてはいけないと思うようになりました。
そして、ここ数年は仕事が心の底から楽しいこともあり、彼のことは大切でありながら、「今、本当に結婚したいのか?」とすら思ってしまう自分がいます。また、今年で31歳になることもあり、子どもをもつ未来についてもよくよく考えてみたのですが、「仕事をやめてでも、子どもが欲しい」という明確な気持ちは生まれてこず、そうなってしまうと、年齢の面で結婚を焦る気持ちもないのが正直なところです。
と、このような形でいろいろと自分なりに考えてみた結果、今回は彼との結婚はあきらめて、今は仕事を頑張って、また「仕事をやめてでも、結婚したい。家庭を築きたい」と思えたときに、結婚をするのもいいのかなと思ったのが、数週間前のことです。
そんな中、先日、とあるSNSの広告で、正能さんがご自身の結婚についてお話しされている記事を偶然拝見しました。
複数のお仕事に、大学院生。さらには転職もされて、きっと毎日忙しいだろうに、パートナーの方とはどのように時間を過ごされているのか?
もしかしたら、仕事か結婚か悩む私に、アドバイスをいただけるかもしれないと思って、メールをさせていただいた次第です。
フルパワーでの仕事と、結婚生活・家族って、両立できるものなのでしょうか?
もし差し支えなければ、お子さんが生まれた時など、この先具体的にどうしたいと考えられているのかも、教えていただけるとうれしく思います。
どうぞよろしくお願い致します。
(カナ・30歳・会社員・営業職)
●仕事と結婚、そして家族、悩みますよね
カナさん、はじめまして。このたびは、ていねいなお便りありがとうございます。
仕事と結婚。仕事と家族。フルパワーで仕事をしたいとなると、なかなか難しい問題ですよね……。
私や、同世代の働く友人たちも、ちょうどその両立に悩み始めた年頃で、女子会をするたびに、このテーマで盛り上がります(笑)。
この件については、実は私も模索している最中で、まだまだ答えは見えていないのですが、まずはご質問いただいた「フルパワーでの仕事と、結婚生活・家族って、両立できるものなのか?」ということについて、考えていきましょう。
●「普通の夫婦」に憧れた結婚当初
まず、いま私が考えている結論からお話すると、「フルパワーでの仕事と家庭は、子どもがいない状況であれば、両立できる」ということです。ただし、その前提条件として、「夫婦二人にとってのオリジナルな“夫婦のあり方”を探す」ことが欠かせないのではないでしょうか。
たとえば我が家の場合、私は平日が朝8時〜深夜まで自宅で仕事と勉強、夫も仕事で帰宅はほぼ毎日0時を過ぎるという「お互いが仕事にフルパワーを注いでいる」状況なので、平日はほとんどすれ違いの生活です。
「今日、何時に帰ってくる?」というやりとりはほとんど意味をなさず、どちらかがたまに聞いた時には、お互いに「遅くなると思うから、先に寝ててね」と答える始末(苦笑)。
朝一で時間が合えば、家から徒歩数分のご近所のカフェにも行きますが、それも週に2〜3回、1回あたり20分あればいい方かもしれません。
休日については、土日のどちらかは時間を合わせて一緒に過ごしますが、もう1日はお互いに仕事・勉強に時間を使うことが多いです。
ゆえに、「物理的に一緒に過ごす」という意味では、世の一般的な「普通の夫婦」の暮らしぶりからは、かなりかけ離れていると思います。
●2人だけの夫婦像・家族像を描いていく
私自身、結婚当初は、この「物理的に一緒に過ごさない」暮らしぶりに、正直、不安と不満を持つこともありました。
(自分はフルパワーで仕事したいくせに、自分勝手ですよね……)
そんな不安と不満がたまりにたまったある日、私は夫にこんなことを言ったんです。
「平日の夜、たまには一緒に過ごしたい。土日ももう少し一緒にいたい。夫婦って普通、そういうものじゃないのかな」
感情的になってしまったこともあって思わず出たセリフですが、言った瞬間、思わず自分で「普通ってなに?」と突っ込みました(笑)。
私がこの時思わず口にした「普通」とは、自分の両親のことなのか?友人夫婦のことなのか? それともメディアで目にしてきたような、いわゆる「夫婦」のことなのか?
自分でも、あのとき何を指して「普通」と口走ったのかわからないのですが、この出来事をきっかけに、私は無自覚のうちに、なんらかの「夫婦像」に縛られて生きていることに気がつきました。
平日の夜に一緒にいなくても、休日のどちらかに一緒にいなくても、私たちは、夫婦であり家族なのに、自分のもつ「夫婦ってこんな感じだよね」という思い込みが、自分を苦しめていたんです。
このとき以来、私は、意識的に自分たちのことを、「夫婦」「家族」ではなく、「私たち」ととらえるようになりました。
これは、これまでの人生で積み上げてきた「夫婦ってこんな感じだよね」という呪縛から自分を解放して、「まあ、私たちはこんな感じかな」という自分たちの形を新たに模索していくためです。
そう考えると、今カナさんが自分の中で描かれている夫婦像・家族像というのは、もしかしたら、もっと自由で、もっとフレキシブルで、カナさんのフルパワーでのお仕事に影響のないものにもなるかもしれません。
この連載の記事
- 第320回 きゅんくんの2024年一番買ってよかったもの発表します
- 第319回 歌声合成ソフト「UTAU」でオリジナルキャラを歌わせてみた
- 第318回 DTM勢がAIで作曲したら、AIの得意分野と苦手分野が見えてきた
- 第317回 ものづくり版コミケ「Makerフェア」2024年は面白かった。出展者の世代交代もなされているように見えた
- 第315回 0歳児、いつから保育園に? 女性の働き方、とことん考えてみました
- 第315回 推しの細胞がついた指輪を作ってもらった
- 第314回 おしゃれすぎるファン付きウェアを買って重要な問題に気付いた
- 第313回 0歳児がいながら、働く。ベストなやり方は?
- 第312回 パートナーの反対で転職できない問題
- 第311回 YouTubeの再生を止めないために画面を自動でタップする機械を作った
- この連載の一覧へ