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さとうなおきの「週刊アジュール」 第145回

オンプレミス/マルチクラウド向けのAzure Arcが大幅強化

「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》

2020年10月01日 08時00分更新

文● 佐藤直生 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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Azure SQL Edge:GA

 Azure SQL Edgeは、IoTに最適化されたSQL Serverベースのリレーショナルデータベースエンジンです。

 5月のBuild 2020カンファレンスでプレビューになっていたAzure SQL Edgeが、GAになりました。

Azure SQL Edge

Azure Sphere:AT&Tのガーディアンデバイス

 Azure Sphereは、インターネット接続デバイス向けの組み込みの通信、セキュリティ機能を備えた、セキュアなアプリケーションプラットフォームです。Azure Sphereの認定を受けたパートナー企業のMCU(マイクロコントローラー)、LinuxベースのIoT専用セキュアOS「Azure Sphere OS」、Azureのセキュリティサービス「Azure Sphere Security Service」の3つで構成されています。

 AT&Tが、Azure Sphereを利用した携帯通信対応ガーディアンデバイスを構築しました。

AT&TのAzure Sphereガーディアンデバイス

Azure Security Center:Azure Defender、Azure Defender for IoT、Azureセキュリティベンチマーク

 Azure Security Centerは、Azureリソースのセキュリティの可視化と制御を行うサービスです。

 Microsoft Defender ATP(Advanced Threat Protection)、Azure ATP、Office 365 ATPなどのユーザー環境保護テクノロジ、Azure Security Center Standard、Azure Security Center for IoT、SQL ATPなどのインフラストラクチャ保護テクノロジのブランドが、「Microsoft Defender」に統合されました。Microsoft Defenderには、ユーザー環境を保護する「Microsoft 365 Defender」、ハイブリッド環境のクラウドワークロード保護のための「Azure Defender」が含まれています。

 新しいAzure Defenderサービスには、これまでAzure Security Centerとして提供されていた脅威防止テクノロジのすべてが含まれています。たとえば、Advanced Threat Protection for Azure Storageは、Azure Defender for Storageになります。Azure Portalで、Azure Defenderダッシュボードが表示されるようになりました。

 Azure Defenderの保護対象として、Azure Key Vault(GA)、Azure Kubernetes Service (AKS)(GA)、オンプレミスSQL Server(プレビュー)がサポートされました。

 Azure Security Centerで、AWS、GCPのワークロードの保護がパブリックプレビューになりました。

Azure Defenderダッシュボード

 Azure Security Center for IoT は、Azure Defender for IoTになりました。

 6月に買収していたCyberXのエージェントレス機能のAzure Defender for IoTへの統合が、10月にプレビューになる予定です。

 Azure Defender for IoTで、次の新機能がリリースされました。

  • IoT/OTデバイスの自動アセット検出
  • IoT/OTのリスク/脆弱性管理
  • 継続的なIoT/OT脅威監視
  • Azure Sentinel、サードパーティーソリューションとの統合

 詳細は、次のページをご覧ください。

Azure Defender for IoTの新機能

 これまでサポートされていたCISコントロールフレームワーク v7.1に加えて、NIST SP 800-53コントロールもサポートした「Azureセキュリティベンチマーク v2」がリリースされました。Azureセキュリティベンチマーク v2は、Azure Security Centerの規制コンプライアンスダッシュボードで使用できます。

Azure Security Centerの規制コンプライアンスダッシュボード

Azure Sentinel:ユーザー/エンティティ行動分析、脅威インテリジェンス、Jupyterノートブック、機械学習の持ち込み

 Azure Sentinelは、クラウドネイティブのセキュリティ情報イベント管理(SIEM)プラットフォームです。

 Azure Sentinelで、ユーザー/エンティティ行動分析(UEBA)がパブリックプレビューになりました。未知の脅威、セキュリティ侵害を受けたユーザーによる異常な行動、内部関係者による脅威を検出できるようになります。

 Microsoftの脅威インテリジェンスは、毎日何兆件もの多様なシグナルを分析することによって構築されています。脅威の指標を検索、追跡する機能、脅威インテリジェンスの参照の実行、脅威インテリジェンスの管理性向上、ウォッチリストの作成といった脅威インテリジェンスの機能強化が、パブリックプレビューになりました。

 Azure SentinelのJupyterノートブック機能のアップデートが、パブリックプレビューになり、Azure Machine Learning上で動作するようになりました。また、Pythonに加えて、PowerShellがサポートされました。

 Azure Machine LearningのJupyterノートブック、Azure Databricksとの統合によって、Azure Sentinelのデータに対して独自の機械学習モデルを構築できる「機械学習の持ち込み」(BYO ML)が、プレビューになりました。

Azure Sentinelのユーザー/エンティティ行動分析

Azure Key Vault:マネージドHSM、Azure Monitor

 Azure Key Vaultは、暗号化キーやパスワードなどを格納して管理するサービスです。

 Azure Key Vaultで、フルマネージドで、可用性が高く、FIPS 140-2レベル3対応のシングルテナントHSM(ハードウェアセキュリティモジュール)が、パブリックプレビューになりました。

 Azure Monitorは、Azureにおけるフルスタックの監視サービスです。

 Azure Monitor for Key Vaultが、GAになりました。

Azure Monitor for Key Vault

カスタマーロックボックス

 「カスタマーロックボックス」(Customer Lockbox)を使うと、Microsoftエンジニアがサポートリクエストの際に顧客データにアクセスする必要がある場合に、その顧客データへのアクセス要求を承認または拒否できます。

 カスタマーロックボックスで、Azure Kubernetes Service (AKS)、Azure HDInsight、Azure Data Box、Azure App Serviceが新たにサポートされました。

カスタマーロックボックス

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