重量、排熱、消費電力に気を使う代わりに性能は申し分なし!
現状最強のビデオカードといえる
最後に、性能を見ていく。まずTUF-RTX3080-O10G-GAMINGはオーバークロックモデルになり、TUF-RTX3080-10G-GAMINGよりもブーストクロックが高く設定されている。
モードはASUS GPU Tweak IIで見るとOC Mode 1815MHz、Gaming Mode 1785MHz、silent Mode 1755MHzとなっており、カタログスペックとGPU Tweak IIでの変動幅からすると、TUF-RTX3080-10G-GAMINGとの動作周波数差は以下のようになるハズ。
通常モデルとファクトリーOCモデルの動作周波数差 | ||||||
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TUF-RTX3080-10G-GAMING | TUF-RTX3080-O10G-GAMING | |||||
OC Mode | 1740MHz | 1815MHz | ||||
Gaming Mode | 1710MHz | 1785MHz | ||||
Silent Mode | 1680MHz | 1755MHz |
デフォルトではOC Modeになっており、GPU Tweak IIを使用しない場合は、ブーストクロック1815MHzになる。物理スイッチによるPerformance ModeとQuiet Modeの切換も存在しているが、これは動作周波数への影響を確認できていないため、以下のベンチマークはPerformance Mode/OC Modeでの結果を採用した。先に公開されているFounders Editionのリザルト、愛用中の現環境とも比較して判断してほしい。
ベンチマークは3DMark、ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3、Horizon Zero Dawn、Blender Open Date(2.90)、V-Ray Next Benchmark(hotfix 4)を実行した。それぞれ3回ずつ計測し、その平均値を掲載している。またドライバーはレビュワー向けに用意された456.16を使用している。
3DMark | ||
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Total | Graphics Score | |
Time Spy | 16850 | 18161 |
Time Spy Extreme | 9027 | 9147 |
Port Royal | 11606 | |
Fire Strike | 32684 | 40114 |
Fire Strike Extreme | 20053 | 20723 |
Fire Strike Ultra | 11024 | 10805 |
DLSS off | DLSS on | |
NVIDIA DLSS feature test (DLSS output resolutionは3840×2160に設定) |
25.62 fps | 45.84 fps |
ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク | |
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最高品質/1920×1080/仮想フルスクリーン | 17296 |
最高品質/3840×2160/仮想フルスクリーン | 13168 |
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3 | |
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高品質/1920×1080/ボーダレス | 12309 |
高品質/3840×2160/ボーダレス | 7188 |
カスタム/3840×2160/ボーダレス(DLSS off) | 7444 |
カスタム/3840×2160/ボーダレス(DLSS on) | 8963 |
Horizon Zero Dawn | ||||
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Score | FPS Max | FPS Ave | FPS min | |
最高画質/1920×1080/ボーダレス | 20828 | 218 fps | 115 fps | 20 fps |
最高画質/3840×2160/ボーダレス | 12921 | 146 fps | 71 fps | 17 fps |
Blender Benchmark | ||
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2.90/CUDA | 2.90/OPTIX | |
bmw27 | 27s | 11s |
classroom | 1m16s | 44s |
fishy_cat | 55s | 21s |
koro | 1m16s | 47s |
pavillon_barcelona | 2m30s | 58s |
victor | 4m30s | 1m28s |
V-Ray Next Benchmark(hotfix 4) | |
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GPU Score | 638 mpaths |
なるべく薄い3080/3090ならTUF Gaming
安定志向な人にもオススメ
レビーュのとおりTUF-RTX3080-O10G-GAMINGはイイ感じだし、この検証が終わった後もそのまま使い続けたい気分になっている。クリエイティブ作業で使用すると長時間の負荷が続くし、ゲームをしている場合も同様であり、安定動作している点がとてもいい。数日間延々とベンチマークやゲーム、写真/動画編集してみたが、シャットダウンもなく良好な環境だった。この点は出荷前の144時間のテストをクリアしている点が大きいだろう。
高負荷時の熱と騒音が課題だが、その解決も楽しめそうで、とくに小型PCケースを愛用するベテラン自作PCユーザー的には、冬場は暖房代わりにしつつ、春先に向けて対策を練ることができ、パフォーマンス以外でも、思いっきり楽しめるビデオカードといえる。
STRIXシリーズに比べると見た目は地味なのだが見た目より性能重視、あるいはなるべく厚みのない3080/3090を考えるのであれば、TUF-RTX 30シリーズを強くオススメしたい。なお、通常モデルの「TUF-RTX3080-10G-GAMING」の実売価格は9万1000円(税抜)前後となっている。ファクトリーOCモデルの「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」は一体いくらになるのか? 発売日や価格はプレスリリースを待ちたい。
2020年9月22日追記
リアとトップファンを換装して熱問題を解決
4Kでゲームを遊ぶにしては、先の結果は動作面では問題ないが、精神的にはおよろしくない。一寸、ミニタワーにしようかと検討したが、そもそも現環境は2020年7月後半に組んだばかりであり、まだケースを変更する時期ではない。ということで、ちょっと加工してファンを更新してみた。
変更前のファン | ||||||
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フロント | be quiet! SILENT WINGS3 140mm×2 | |||||
リア | SilverStone SST-FN124B | |||||
トップ | SilverStone SST-FN124B |
ビデオカードがRTX 2060 SUPERのときは、SilverStone SST-FN124Bでなんら問題なかったのだが、CPUとドーターカード内のM.2ストレージの温度上昇を見るに、排気が追いついていないようだったので、以下のように変更した。トップについては、そもそもZALMAN CNPS20Xに阻まれて仕事をしていない感があったのだが、念のため。
変更前のファン | ||||||
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フロント | be quiet! SILENT WINGS3 140mm×2 | |||||
リア | noctua NF-F12 industrialPPC-2000 PWM | |||||
トップ | noctua NF-A12x15 PWM |
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク ver1.3をファン変更前と同じ条件で実行した。全体的に温度が低下し、ビデオカードはほぼ70度に貼り付き、CPU温度も60~70度間をうろうろするようになった。M.2ストレージの温度も低下したので良好な結果だ。
問題点としてはファンがケース外にあるため、騒音が気になる。ただ、何度目かわからない静音沼に入るのも面倒なので、ヘッドフォンをしておけばOKとした。