オンライン越しの会話に慣れたのは社会人だけじゃない
コロナ禍によって多くのものがオンライン化し、オンライン会議やオンライン飲み会などに慣れてきたという人も多いだろう。では、若者たちはどうなのだろうか。全国の10代20代の男女500名を対象としたテアトルアカデミーの「オンライン上のコミュニケーションに関する調査」(2020年8月)の結果から、若者たちのオンラインに対する意識を見ていこう。
オンライン飲み会やお茶会に参加したことがあるか聞いたところ、「何度もある(7.6%)」「ある(14.4%)」を合わせて、22.0%が「オンライン飲み会(お茶会)」に参加した経験があった。「気軽に参加できる」「普段会えない人と会える」「コロナで外出できなくても安全に話せる」と、全体に好評のようだ。6.4%は「オンラインデート」の経験があり、「外で会えないので元気な姿が見られてよかった」「お金もかからない」と、やはり好評となっている。
「オンラインレッスン」を受けたことがあるかという質問に対しては、「何度もある(6.2%)」「ある(10.0%)」と、全体で16.2%が「ある」と回答。中学生・高校生に限ると、学校や塾のオンライン化が進んでいることから18.8%と、18~29歳の13.6%より高くなった。「移動しなくて済む」「緊張しない」と好評な一方、「メリハリがなくなる」「友達と会えないのが残念」とデメリットも感じているようだ。
自信ある角度で観てもらえるからオンラインが好き
10代20代は物心ついたときからスマホがあり、デジタルネイティブ・スマホネイティブ世代だ。オンラインのほうが自信を持って話せると思うか聞いたところ、「感じる(3.4%)」「どちらかというと感じる(17.8%)」を合わせて、21.2%と2割以上が「オンラインのほうが自信を持って話せる」ことがわかった。
「自宅からなので落ち着いて話せる」「対面よりオンラインのほうがリラックスして普段の自分が出せる」などと大人世代と変わらない理由とともに、「カメラに映るのが好きだから」「自分のいい角度で映る自信があるから」などのデジタルネイティブ・スマホネイティブならではの理由があるのが面白い。
「オンラインは、自宅から参加できるので気楽。移動もないし、雨でも平気。終わったらすぐに次のことができるし効率もいい」とある高校生は言う。「でも、やっぱり友達に会えないのはつまらない。勉強のやる気も下がるし、面倒でもおしゃれしてでかけたい」。
オンライン、オフラインともに良い点がある。オフラインでなければならないところは大切にしつつ、適宜オンラインを取り入れることで便利で快適に過ごせるのではないか。この機会に、若者を見習って新しいオンラインコミュニケーションを取り入れてみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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