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厚みと重量の増加を気にしなければ最高のアクセサリー

使いやすさは純正Magic Keyboardとほぼ同等、ロジクール「Combo Touch」レビュー

2020年08月22日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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キーボードとしての使いやすさはMagic Keyboardとほぼ同等

 Combo Touchの基本的な機能、構成はiPadとの関係で見たとき、本家のMagic Keyboardとほぼ同じと言える。つまり、使用していないときにはiPadの表面のディスプレイと裏面をカバーするキャリングケースの役割を果たす。ケースを開くと、ディスプレイを覆っていた部分がトラックパッド付きキーボードになり、背面を覆っていた部分がスタンドとして機能する。

 ただし、違いはいろいろある。まずはiPad本体と背面カバーの固定方法だ。Magic Keyboardには、iPad Pro本体に数多く仕込まれたマグネットと呼応する位置に、やはり多くのマグネットが配置されていて、ほとんど自動的にぴったりした位置に吸い着くように固定される。Combo Touchが対応するiPadには、そのようなマグネットは仕込まれていないので、その手は使えない。そこでCombo Touchでは、iPadの側面まで回り込んだ柔軟性のあるバスタブのような枠によって、iPad本体を包み込む方式を採用している。慣れないと着脱には骨が折れるが、かなりがっしりと固定されるので、使用中に外れしまうような心配は皆無だ。

 ただし、この背面カバーの固定方法がCombo Touchの全体的な厚みの要因の1つとなっていることは、否定できない。Combo TouchをiPadに装着して折り畳んだ状態の厚みは、実測で約21mm程度になる。そのうち、前面カバーとなっているキーボード部分の厚みは6mm程しかない。残りの15mmが本体+背面カバーというわけだ。iPad(Pro)自体の厚みはスペック上6.1mmなので、差し引けば背面カバーだけで約9mm、つまり1cm弱も厚みが増えていることになる。

 すでに述べたように背面カバーはスタンドを兼ねているので、その1cmの中には、自由に角度を変えられるスタンドのステーも含まれている。この部分は、Magic Keyboardのスタンド部分と同じようなしくみになっていて、可動範囲で任意の角度をキープできる。背面カバーの一部を折り曲げるように引き起こすステーが、0〜約110度の範囲で、好きな位置に固定できるのだ。ステーを最大角度まで引き起こした場合、ディスプレイの角度は155度程度まで開くことが可能だ。これは、テーブルに置いたiPadを、座らずに立ったままキーボードで操作するような場合を考えても、十分な角度と言える。

 Magic Keyboardと大きく異なるのは、背面カバーとなるスタンド部分と、前面カバーとなるキーボードを完全に分離できること。実を言えば、Combo Touchのスタンド部分とキーボード部分は、お互いにまったく接続されていない独立したパーツなのだ。キーボード部分は、マグネットの力によってiPad本体の側面にあるSmart Connectorに吸着する。つまりスタンドとキーボードは、それぞれ別々にiPad本体に固定されることで、あたかも一体のように見えているだけなのだ。

 その気になれば、スタンド部分を外してキーボード部分だけを付けて使うことも可能だ。ただし、その場合には、iPad本体とキーボードを同じ平面上に置いて使うか、iPad本体を適当な角度に保つなら、壁などに立てかける必要がある。もちろん、キーボードだけを外して、背面カバーを純粋なスタンドして使ってもいい。

 iPad本体とキーボード部を接続するSmart Connectorは、接点が3つあるアップル独自のもので、純正のSmart Keyboard Folioなども利用している。接続は純粋に電気的なもので、iPad本体からキーボードやトラックパッドに電源を供給しつつ、ユーザーの操作に呼応する入力信号を受け取る。iPadの本体の電源がオンの状態で、OSやアプリが起動中でも着脱でき、接続すれば間髪をいれずに動作を開始する。

 もちろん、ペアリングのような操作は不要で、Bluetoothのような無線通信と比べても、安定感、安心感は格段に高い。iPad本体の消費電力が、それなりに増加することを除けば、キーボードやトラックパッドの電源について、まったく心配する必要のないのも大きなメリットと言える。

 カバーとしての厚みがあることは、iPad本体に対する保護機能が優れていることを意味しているとも言える。もちろん、防水機能を発揮するわけではないが、ファブリック仕上げのように見えるCombo Touchの表面には、防水コーティングがなされている。少量の水をかけても弾くし、汚れも付きにくい。仮に付いても、かんたんに拭き取ることができる。

 背面カバーの、使用中にはディスプレイ上端となる位置には、簡単なApple Pencilのホルダーが付いている。Combo Touchが対応するiPadがサポートするApple Pencilは第1世代のものだが、手帳に付いているような単なる円筒状のペンホルダーなので、必ずしもApple Pencilを刺しておかなければならないというわけでもない。一般的なスタイラスでもいいし、普通の筆記具を刺しておいてもいい。また、この部分を持ってディスプレイ部分を開くタブとして使ってもいいだろう。

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