アスキーの会員サービスASCII倶楽部では、会員の方だけが読めるさまざまな連載や特集が毎日更新中。
本日は、ASCII倶楽部の人気記事「Ryzen 3000XTシリーズではじめてのパソコン自作!」を紹介します。
パソコン自作は難しいのか? 2000年代初頭と比べた場合、とてもすごく超カンタンになっている。インシデントに至る要素がていねいに排除されてきたからだ。そのため、パーツの相性問題との遭遇率は下がり、マザーボードのシステムが急に吹っ飛んだりといったこともなく、規格や形状を合わせて組み合わせていくだけになっている。
また各パーツについても、数値が大きい=性能が高い路線に統一されており、ASCII.jpに並ぶベンチマークの意味が分からなくてもパソコンを組むことが可能だ。本稿では、自作PCがよくわからない人向けに構成例を交えつつ、いまどきの自作PCについて解説しよう。
もちろん、2020年現在ではBTOという選択肢もあり、自作PC同様に細かいカスタマイズができ、かつ組立をする必要はない。いわゆるパソコン自作は、パーツ選びから組立、OSのインストールまで自分の責任で行なうため、BTOと自作の違いは、自分が関与する工程数の違いという認識でもいいだろう。
またコスト面でも特定条件下で違いがある。たとえば、フルタワーやミドルタワーと呼ばれる大きなケースを中心に同じ構成にした場合、BTOのほうが安くなりがち。とくにシンプルでミドルクラスの構成であるほど、それは顕著だ。
ワンポイントアドバイス
光るPC
ライトアップ自体は昔から存在していたが、それはLANパーティーで目立つためだったと言われる。LANパーティーとは、みんなでPCを持ち寄りゲームをするなどして遊ぶこと。また一部メーカーが先行してライトアップ機能を採用しており、それに各社が追従し、気がついたら若い世代を中心に「ゲーミングPCは光るもの」になっていた。
かつて自作PCは、普通にPCを購入するよりも安く済むと言われたが、2020年現在では限定的になっており、何かしらで「自作は安い」と聞いたことがあるのならば、まず忘れたほうがいい。ほとんどの場合で、自分が設定した要件を満たすものとしては「安い」だけなので、純粋な価格で見るとBTOのほうが安く済みがちだ。では、わざわざ自作PCをするメリットはなんだろうか。以下の要素が主だ。
- 好きなパーツを選べる
- ケースの選択肢が豊富
- 見た目を好きに変更できる
- アップグレードがしやすい
- 条件次第でBTOより安くなる
精神的な部分でいえば、自分で組み立てたことによる愛着度のアップも追加要素となるが、自分の好みや都合に合わせられるのがもっともな魅力になる。
小型ケースを使用して、かつビデオカードを搭載したゲーミング仕様の自作PCや、予算を削りに削った割り切り構成のPCなどになるほか、最新パーツへのアップデートも積極的に行なえるのもポイントだし、低予算でも段階的なアップデートで性能を強化していく路線もアリと自由度の高さがある。もちろん、高いベンチマークスコアを求めるという人もいて、オープンワールドゲーム的ともいえるだろう。
ワンポイントアドバイス
ベンチマーク
性能の一定基準値。共通項目を実行することで定量化しやすくしたもので、数値が高い=性能が高いだけくらいの認識でいい。また組み上げたあとの動作確認用途もあるが、知識が身についてきたらスコアを気にするくらいでOK。自分が選んだパーツのパソコンが「サイツヨ」の精神のほうが256倍大事だ。
BTO PCのラインナップは前述の通り、フルタワーかミドルタワーが多い。これは汎用的であり、もっとも需要があるからだ。また拡張性もあり、多くのカスタマイズに対応しやすいのもあるほか、組立作業のやりやすさもある。作業領域が広く、配線やパーツの取り付けも楽だ。ゆえに、はじめての自作PCの場合は、フルタワー、もしくはミドルタワーが通例。ただし、ケースが大きく、置き場がまずもっての課題になるし、尻込みしてしまう要素でもある。
一方でゲーム配信などを見ると、コンパクトなゲーミングPCを見かけることがある。ミドルタワーよりも小さいケースを採用したものだ。拡張性は低くなるが、小さくて邪魔にならないのがポイント。また昔のようにあれこれパーツを内蔵する必要が減っており、USB接続できるアイテムが増えたため、最小限の構成でも十分に使えるPCを組める。
ただケースが小型であるため、細かい作業が増えたり、パーツ同士の干渉があったりとすんなりいかない。そのため、ベテラン向けと言われるのだが、2020年現在の事情を見るに、そうでもなくなってきている。よって、次ページから紹介する3つの構成案のうちふたつは、小型ケースを採用したものにした。
Ryzen 3000XTシリーズを軸に組む
2020年7月23日に発売されたばかりのCPU、Ryzen 3000XTシリーズを軸に今回のサンプル構成を見ていく。CPUが決まると自動的にマザーボードの候補が絞り込まれる仕組みで、Ryzen 3000XTシリーズを選んだ場合、AMDのチップセットX570を搭載したマザーボードが対象になる。X570以外のチップセットでも動作可能なるのは2020年後半の予定だ。
CPUはインテルとAMDの2社のラインナップから選ぶのに対して、マザーボードは展開するメーカー数が多く、種類も豊富だ。そのため、ビジュアルで惹かれたなら、そのマザーボードに搭載できるCPUを選ぶのもアリ。発売時期の関係で最新のRyzen 3000XTシリーズを推しているが、自作PCは前述の通り自由度の高さが大事であるため、別にインテル製CPUを選んでもかまわない。
Ryzen 3000XTシリーズに触れておくと、2019年7月に登場したRyzen 3000シリーズの性能を強化したものだ。Ryzen 9 3900XT、Ryzen 7 3800XT、Ryzen 5 3600XTの3製品が投入される。スペックシートは以下の通りだが、これもすでに触れたように性能が高い=数値が高いになるが、ゲーム中心であればRyzen 5 3600XTで十分なので、とりあえずはRyzen 5 3600XTから考えていくといいだろう。
Ryzen 3000XTシリーズは従来のRyzen 3000Xシリーズより、最大ブーストクロックがわずかに引き上げられている。つまり限界性能が高くなっているということだ。では、どれほど強化されているのか、CPUの演算速度を測るベンチマークソフト「CINEBENCH R20」のスコアーで比較してみた。
XTシリーズの効果はシングルスレッドスコアーの伸びに表われている。10ptsないし14ptsとわずかだがXシリーズよりXTシリーズのほうがスコアーが高い。比率にしてせいぜい2.6%と極めて小幅な増分だが、ベンチマークでその差を確認できた。
XTシリーズとXシリーズの価格差は2000~4000円強。数千円も価格が上がっているのにわずか2.6%の性能アップと捉えるか、わずか数千円足すだけで2.6%も性能が上がると考えるか、評価は買い手次第といったところだろう。
予算によっては、XTでもXでもないRyzen 3000シリーズを選ぶのもアリ。性能重視でいくか、予算に収めていきたいかで検討するといいだろう。ちなみに、Ryzen 3000シリーズ(XとXT含む)はX570だけでなくB550チップセットでも動作する。
ワンポイントアドバイス
欲しいときが買い時
スマホと同様に電子製品は発表の瞬間から劣化が始まる。そのため、欲しいときが買い時のマインドを大事にしたい。その時点で自分にとって最良のパーツを選ぼう。身近に高い確率で「いまはタイミングが悪い」というおじさんがいるだろうが、無視していい。使うのは誰だ? 君だ!
続きは「Ryzen 3000XTシリーズではじめてのパソコン自作!」でお楽しみください。
なお、こちらの記事の続きを読めるのはASCII倶楽部会員の方限定です。
ASCII倶楽部には、今回紹介した記事だけでなく、PCやスマホ、カメラ、テレビ、オーディオなどの会員だけが読める連載が更新されております! さらに、週刊アスキー 電子版の最新号から過去4年ぶん以上のバックナンバーが読み放題となっております。
会員制読み放題サービス
ASCII倶楽部(アスキークラブ)
■利用料金
月額 税込1080円
※毎月1日~末日までの利用料金として
■支払方法等
●クレジットカード
* VISAカード/MasterCard/アメリカン・エキスプレスカード/JCBカード
●auかんたん決済
●ドコモケータイ払い
●Amazon アカウント
※auかんたん決済、ドコモケータイ払いを選択された方は、3日間無料キャンペーンをご利用いただけません。 ※ご利用になる決済機関によって決済時期及び決済方法が異なります。
それぞれの決済機関が定める利用規約等をご確認ください。
■提供時期
月額利用料金の支払い後、すぐに利用可能。
■推奨環境 <端末・ブラウザ>
【PC】
・OS
Windows 7 以上 , Mac OS X 10.10以上
・ブラウザ
(Windows)Internet Explorer 11※Edgeは除く , Google Chrome最新版 , Firefox最新版
(Mac)Safari最新版
【スマートフォン】
・OS
iOS 8 以上 , Android 4.x以上
・ブラウザ
(iOS)Safari
(Android)Google Chrome
URL ASCII倶楽部