さとうなおきの「週刊アジュール」 第134回
Cognitive ServicesのForm RecognizerがGAに
Azure Machine Learning StudioがGAに
2020年07月30日 08時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2020年7月5日~11日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Storage:Azure File SyncのAzure Private Linkサポート
ストレージサービス「Azure Storage」の一機能であるAzure Filesは、SMBプロトコルベースのファイル共有サービスを提供します。
Azure File Sync は、オンプレミスのWindows ServerでAzure Filesのファイル共有をキャッシュできるサービスです。
Azure Private Linkは、Azure Virtual NetworkからAzureサービスへのプライベート接続を可能にするサービスです。
Azure File Syncが使うストレージ同期サービスで、これまでサポートされていたパブリックエンドポイントに加えて、Azure Private Linkを使ったプライベートエンドポイントがサポートされました。
Azure Storage/Azure Virtual Machines:SQL Server Always On Failover Cluster Instances
2月にプレビューになっていたAzure Shared Disks(共有ディスク)は、クラスター向けの共有ブロックストレージです。
今回、 IaaSの仮想マシン(VM)機能を提供するAzure Virtual Machines上のSQL Server Always On Failover Cluster Instances(SQL Server Always Onフェールオーバークラスターインスタンス、SQL FCI)で、分散ネットワーク名(DNN)がサポートされました。これによって、Azure Load Balancerを使う必要がなくなりました。
また、Azure Virtual Machines上のSQL FCIで、Azure Shared Disksのサポートがプレビューになりました。
これらのアップデートによって、オンプレミスのSQL FCIのAzureへの移行が、ますます簡単になります。
- 更新情報「Preview support for Azure Shared Disks for SQL Server failover cluster instance on Azure IaaS is now available」
- 更新情報「Distributed network name for SQL Server on Virtual Machines is now available」
- ブログポスト「Lift and Shift Always On SQL Server Failover Cluster Instance (SQL FCI) to Azure VMs」
Azure Load Balancer:IPアドレスに対する負荷分散
Azure Load Balancerは、レイヤー4のロードバランサーサービスです。
Azure Load Balancerのバックエンドプールで、これまでサポートされていたVMのネットワークインターフェイスに対する負荷分散に加えて、IPアドレスに対する負荷分散のサポートがプレビューになりました。
Azure Virtual WAN:サードパーティ製ネットワーク仮想アプライアンスなど
Azure Virtual WANは、最適化、自動化されたブランチオフィス(支社)間のネットワーク接続を提供するサービスです。
Azure Virtual WANで、次の機能がGA(一般提供)になりました。
- ハブ間接続:完全にメッシュ化した仮想ハブを提供
- カスタムルーティングに高度なルーティング: カスタムルートテーブル、仮想ネットワーク ルーティングの最適化
- 仮想ネットワーク転送:仮想WANに接続された仮想ネットワーク(VNET)間の、50 Gbpsの転送速度
- VPNとExpressRouteのトランジット:VPN/SD-WANとExpressRouteに接続されたサイト/ユーザー間でのシームレスな相互接続
- 新しいVPN機能:VPNサイト接続用のカスタムBGP IP(APIPA(Automatic Private IP Addressing))
- 新しいVirtual WANパートナー:VMware SD-WAN by Velocloud、Cisco Merakiでの、ブランチVPN/SD-WANデバイス、Azure Virtual WAN VPNサービス間のIPsec接続の自動化
また、SD-WANなどのサードパーティ製ネットワーク仮想アプライアンス(Barracudaなど)を、Azure Virtual WANハブ内にネイティブにデプロイして実行できる機能が、プレビューになりました。
- 更新情報「Azure Virtual WAN: 複数の機能と新しいパートナーの一般提供開始」
- 更新情報「Now install network virtual appliances directly into an Azure Virtual WAN hub」
- ブログポスト「Azure Virtual WAN で SD-WAN 仮想アプライアンスをネイティブに実行する」
Azure Automation:Azure Private Link
Azure Automationは、PowerShell/Pythonベースのプロセス自動化、構成管理、更新プログラム管理のサービスです。
Azure Automationで、Azure Private Linkを使ったプライベートエンドポイントのサポートが、プレビューになりました。
Azure Kubernetes Service (AKS):Azure Confidential Computing
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Confidential Computingは、TEE(信頼できる実行環境)を利用して使用中のデータを保護できるデータセキュリティ機能です。
Azure Kubernetes Service (AKS)で、Azure Confidential Computingに対応したDCsv2シリーズVMのサポートが、プライベートプレビューになりました。
この連載の記事
-
第155回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第154回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第153回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第152回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第151回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 -
第150回
TECH
Azure CDNが準リアルタイムのログ/メトリックをサポート -
第149回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第148回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第147回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第146回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第145回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 - この連載の一覧へ