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コロナ渦で威力を発揮する業務の可視化と新機能の目標追跡

組織と個人の目標をトラックするAsanaの新機能「ゴール」の存在意義

2020年07月22日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年7月21日、クラウド型のワークマネジメントサービスを手がけるAsana Japanは事業戦略説明会を開催した。コロナ渦でのハイブリッドなワークスタイルを可視化する利点のほか、組織と個人の目標をトラックする「ゴール」という新機能のメリットについて説明された。

オンラインで登壇した米Asana 製造部門長 アレックス・フッド氏

コンテンツとコミュニケーションを仕事にひも付ける

 Asana(アサナ)は、Facebookが社内向けに開発したタスク管理ツールをサービスとして提供すべく、Facebookの共同創業者であるダスティン・モスコビッチ氏が設立。2012年からサービスを開始し、有料サービスの利用者は2月時点で195カ国で7万5000以上の組織に広がっている。日本では2018年に日本法人が設立され、導入企業は1300以上に上る。

 Asanaが提供するワークマネジメントについてAsana Japan カントリーマネージャー 田村元氏は「コンテンツ(書類・ファイル)とコミュニケーションを仕事にひも付ける」とその効能を説明する。今まで別のアプリケーションで管理されていた書類やファイル、コミュニケーションを仕事に関連付け、「誰が、いつ、なにを」といった具体的なタスクに落とし込む。これにより、いわゆる報連相(報告・連絡・相談)をユーザーが意識することなく、業務を詳細に可視化できる。そして、コロナ渦でのテレワークとオフィスワークのハイブリッドワークにおいて生まれた「誰が何をやっているのかわからない」という課題にフィットする。

Asanaのワークマネジメントプラットフォーム

 とはいえ、単なるタスクや進捗状況の可視化であれば、既存のタスク管理・プロジェクト管理ツールでカバーされている領域だ。「ワークマネジメントプラットフォーム」を標榜するAsanaの場合、今回、「ゴール」という機能によって個人と組織の目標をすりあわせる目標追跡にまで踏み込むという。

組織と個人の目標設定と伝達の課題を解消する「ゴール」

 Asanaとリサーチ会社のCensuwideは2020年6月3日から15日にかけて、組織での目標設定や追跡、伝達にどのようなアプローチで取り組んでいるのかを知るための調査を行なった。対象はオーストラリア、ドイツ、日本、英国、米国で6000人を超える知識労働者になる。この調査の結果、リモートワークの開始以来、企業の目標が変わったという回答者は半分近くの45%に上ったが、組織の目標をきちんと設定・伝達できていると答えた回答者はわずか16%に過ぎなかったという。結果として、自分自身の仕事が組織の目標にどのように関連しているかを明確に理解している回答者は全体の1/4(26%)。組織と個人の目標の設定や伝達に大きな齟齬が生じている状況がうかがえる。

 組織の目標と実際の仕事が分離され、目標管理がうまく行かないと「組織は機能不全を起こす」という。誤った仕事に優先順位を付け、チーム内で意見の食い違いが起こり、社員のモチベーションも上がらないという状況が生まれる。実際、目標達成の度合いを測るためのOKRやKPI、MBOなどの指標を用いていない会社は全体の28%におよび、目標を持っていてもトラッキングはメールで行なっているのが現状だという。

 こうした課題に対してAsanaの新機能「ゴール」では、目標管理「OKR」(Objectives and Key Result)の手法に従い、仕事の目標と主要な結果を明確にし、仕事に適切な優先順位をつけることが可能になる。具体的には、組織を「見える化のピラミッド」で把握しつつ、組織の目標と個人の目標を階層構造で管理できるようになる。マネージャーは組織の目標からブレイクダウンされたチームや組織の目標に対して、具体的なタスクがどこまで進捗しているかを把握でき、マネジメントのための業務の負荷を大きく減らすことが可能になる。

見えるかのピラミッドで組織の目標と個人の目標を階層状に管理

 米Asana 製造部門長 アレックス・フッド氏によると、Asanaが今後数年で目指すのはチームを適切に導く「組織のナビゲーションシステム」だという。現在は全社目標に沿って実行することだが、今後はAIを取り込んで業務の最適化やワークフローの自動化を進めていく。たとえば、やるべき仕事に専念すべく必要な通知のみにフォーカスしたり、カレンダーとToDoを同期させたり、バーチャルアシスタントがハドル(短いミーティング)での会議をスケジューリングしたり、ステータスレポートを自動作成したり、さまざまな自動化・省力化機能が搭載される予定となっている。

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