大人世代の皆さんは、日々どのような動画サービスを視聴しているだろうか。10代の視聴実態は大人世代とは違うのだろうか。
スマートアンサーの動画サービスに関するアンケート(2019年7月)によると、「YouTube」を月に1回以上閲覧している割合はどの年代においてもほぼ7割を超えている。年代別・性別に見ると、10代男性は95.5%、10代女性は93.3%と10代は9割以上が月に1回以上視聴しており、ほぼ毎日閲覧していると答えた割合は10代男性が71.7%、10代女性は57.0%に上る。どの世代も女性より男性のほうが視聴している割合が高く、同時に、若ければ若いほど毎日閲覧している割合が高くなっている。
対象としてテレビの視聴頻度を質問したところ、月に1回以上テレビを視聴している割合は、最も低い20代男性でも81.6%と8割を超える結果に。とはいえ、ほぼ毎日視聴している割合をYouTubeと比べると、10~20代男性ではYouTubeのほうが高くなっていた。若い世代ではYouTubeがテレビを超えているのだ。
「スマホで好きなときに見られるから」と、ある男子高校生はYouTubeを選ぶ理由を語る。「親とかの目を気にせず、自分の部屋で見られるほうがいい。テレビ番組も見るけど、TVerとかで見ることが多いかな」。テレビ番組は相変わらず人気が高いが、好きな時間に他人の目を気にせず見たいというわけだ。
ニコニコ動画は高齢化も若者は熱心に視聴
同調査によると、「ニコニコ動画」を月に1回以上視聴している割合は、男性では20代男性が一番多く35.1%、女性では10代が一番多く23.9%という結果になった。ニコニコ動画の視聴は若い世代のほうが高く、男女別ではYouTubeと同様、男性のほうが高くなっている。
株式会社ドワンゴによると、2019年12月時点でのニコニコ動画のユーザー年齢層は20代が36%、30代が28%、40代が17%、10代が8%などとなっている。確かに以前に比べて若者の割合が減るなど高齢化の傾向はあるものの、若いユーザーは熱心に視聴しているのだ。
TikTokをほぼ毎日閲覧すると回答した割合が10%を超えたのは10代女性(12%)のみであり、月に1回以上閲覧しているという回答も10代女性の31.2%が他の年代と比べて特に高かった。全体に10代女性のみが突出して高い一方で、20代以上では女性よりも男性のほうが月に1回以上閲覧している割合が高くなっている。投稿しているのも10代女性が特に高く、10代女性の熱量が高いことがわかる。
若者世代は、動画サービスの視聴実態が大人世代と若干異なっているようだ。若者に人気の動画サービスを利用することで、若者世代の興味関心が感じ取れるかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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