親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第66回
ハッシュタグで自粛を乗り切る若者たち
10代の新型コロナ対策と日常はインスタとTikTokでわかる
2020年05月26日 09時00分更新
Instagramにみる、コロナ自粛でがんばる10代
10代の子どもたちは、InstagramやTikTokに新型コロナウイルス対策や暮らし、思いなどを投稿しているようだ。たとえばInstagramには、新型コロナウイルス関連のハッシュタグ投稿が多数投稿されている。
ハッシュタグ「#コロナウイルスが早く終息しますように」(39.4万件)は、友達とのツーショット写真や自炊写真などと投稿されていることが多い。友達との写真には「早く会いたい」などのコメントも付けられており、しばらく会えていないことや会いたい気持ちが伝わってくる。
「#コロナで気が滅入るからみんなの写真で旅行しようぜ」(1万件)は、自粛要請によって自宅中心の生活を強いられているなかで、過去の旅行中の写真を投稿して旅行気分を味わおうというものだ。
「#コロナに負けるな」(179万件)は、笑顔や元気な写真が多い。コロナに負けずにがんばろうという意思表明のハッシュタグとなっているのだ。
「#おうち時間」(396万件)を見ると、「Stay Home」生活でのスイーツ作りや家族同士の時間が垣間見える。全体に、10代がストレスの多い自粛生活をがんばって楽しんで過ごしていたことがわかる。
TikTokにあふれる実用動画や切ない動画
TikTokでは、投稿内容がまた少々異なっている。「#コロナ対策」(9860万再生)ではマスクの正しい付け方や手作りマスクの作り方、手の洗い方などのハウツー動画が多く投稿されている。
「#コロナのせい」(1420万再生)では、ソーシャルディスタンスを保つために隣同士で座れない映画館の席予約や、コンサートやインターハイ中止などのお知らせなど、新型コロナウイルスで起きた変化を動画にしているものが多い。好きなミュージシャンの写真の前で札束を持ち、「こんな形でお金が戻ってくるのが悲しい」とコメントしている動画もある。
「#コロナを倒せ」(1540万再生)には、過去の動画や会いたい人たちへのコメントを載せた動画が多く投稿されている。TikTokには、新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさん関連の動画も少なくない。
大人世代は気持ちの表現といえばまず文章になるのではないか。しかし若者たちは、新型コロナウイルスで失ったものや変化、悲しみや決意なども、動画で表現することが多いのだ。
当初、若者は自粛せず街を遊び歩いていると言われていたが、多くの子どもたちはがんばって自粛に励み、友達とも会わず、がんばって乗り切っている。東京都や神奈川県などでも緊急事態宣言解除が近づいている。しかし、解除されてもまだ警戒は続ける必要がありそうだ。子どもたちの過ごし方などを参考にして乗り切ってほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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