新型コロナウイルスの影響で多くの学校が臨時休校、誰もが外出を自粛する事態となっている。こういった現状を何とかできないかとサイコムが考え、出した答えが、赤い羽根福祉基金「臨時休校中の子どもと家族を支えよう 緊急支援募金」への寄付。
このために用意された新モデルが、ゲーミングPCの「G-Master Axilus」だ。
少しでも社会に貢献できれば……という思いから、売り上げの5%が寄付されるほか、送料を無料とすることで、より買いやすいモデルに仕上がっているのが特長だ。
インテルモデル、AMDモデル合計100台限定で4月3日に販売を開始したところ、反響が大きく、早くも売り切れる見込みとなってしまったため、追加の増産を決定したという。
もちろん、購入する側がサイコムの社会貢献に賛同し、微力ながら協力できればと寄付対象モデルを選んでいるのもあるだろうが、実は純粋なゲーミングPCとしてみても、「G-Master Axilus」はかなり魅力的な製品となっているのだ。
基本構成はほぼ同じで、インテルモデルとAMDモデルが選べる!
寄付対象のモデルとして発売されたのは、インテルのCPUを搭載する「G-Master Axilus H370」と、AMDのCPUを搭載する「G-Master Axilus B450A」の2モデルになる。
この2モデルはCPUとマザーボードこそ異なるものの、CPUクーラーにCoolerMasterの「Hyper 212 EVO」を採用することや、ビデオカードにMSIの「GeForce RTX 2060 AERO ITX 6G OC」、メモリー8GB、ストレージに480GBのSATA接続SSDを搭載する点、そしてケースがSilverStoneの「SETA A1」というところは共通となっている。
「G-Master Axilus H370」はCore i5-9400Fを搭載したモデルが最安値となり、価格は13万5980円から。「G-Master Axilus B450A」はRyzen 5 3500搭載が最安値で、価格は12万4070円からと、ゲーミングPCとしてかなり購入しやすい価格帯なのがうれしい。
最廉価モデルの主なスペック | ||
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機種名 | G-Master Axilus H370 | G-Master Axilus B450A |
CPU | Core i5-9400F | Ryzen 5 3500 |
グラフィックス | MSI GeForce RTX 2060 AERO ITX 6G OC | |
メモリー | 8GB(4GB×2、DDR4-2666) | 8GB(4GB×2、DDR4-3200) |
ストレージ | 480GB SSD(SATA接続、CT480BX500SSD1) | |
マザーボード | ASUS TUF H370-PRO GAMING | ASRock B450 Steel Legend |
PCケース | SilverStone SETA A1 | |
電源 | SilverStone SST-ET650-HG(650W、80PLUS Gold) | |
OS | Microsoft Windows10 Home(64bit) | |
価格 | 13万5980円~ | 12万4070円~ |
もちろんBTOパソコンということもあって、細かなカスタマイズが可能。サイコムならではの豊富なパーツから選択でき、CPUやメモリー、SSDなどを変更できるのは当然のこと、マザーボードを上位モデルにする……といったことまでできる。特殊な限定モデルだからといってパーツ選びの幅が制限されることはなく、コダワリの1台にできるのは他のモデルと同じだ。
見た目に美しく冷却性能にも優れたSilverStone製ケース「SETA A1」
「G-Master Axilus」を大きく特徴づけるものとなっているのが、ケースに冷却性とデザイン性を兼ね備えた「SETA A1」を採用していること。今回試用した2モデルは、黒地にフロントチタン、黒地にフロントシルバーの2種類だったが、これ以外にも白地にローズゴールドという組み合わせも選択可能だ。もちろんBTOメニューにもしっかりと記載されており、好みの色を選べる。
高級感あるアルミフロントに加え、強化ガラス製の側面パネルが採用されているため、かなりスタイリッシュなデザインだ。しかも、通気口部分にはアドレサブルRGB LEDを搭載しているため、ゲーミングPCらしく光らせたい、という要望にも応えてくれる。
外見からはデザイン重視のケースだと思われがちだが、実はかなり冷却性能を重視している。フロントパネルを外すとよくわかるが、なんと吸気用に20cmの大型ファンを2基も搭載しているのだ。
空冷のCPUクーラーではケース内温度の上昇が気になるところだが、これだけ強力に外気を取り込んでくれるとなれば、その心配は無用。とくにAMDモデルはCPUに12コアのRyzen 9 3900Xまで空冷クーラーで対応可能となっているだけに、この大きなフロントファンはかなり頼もしい。
USBなどの外部インターフェースは背面だけでなく、ケース上部、手前にも装備している。ただし、USB Type-Cはマザーボード上に接続できるコネクターがないため、標準構成では利用できない。
使いたい場合は、マザーボードにUSB Type-Cフロントパネル出力を備えるもの……例えばインテルモデルであれば、「ASUS PRIME Z390-A」などを選ぶといいだろう。
もちろんそのぶん価格は高くなってしまうので、コスパ重視であればフロントのUSB Type-Cは使わない、という選択肢もアリだ。
内部の配線や組み立てのこだわりは「サイコムクオリティー」
裏配線を多用し、不要なケーブルを放置しないサイコムらしい組み立ては健在だ。側面がガラスパネルで中が見えるということもあり、美しく仕上がっているのはそれだけでうれしくなる。
見た目がすっきりしているというのはもちろんだが、ケーブルでエアフローがジャマされないというのが実用的な面もある。とくに空冷クーラーの場合は空気の流れが淀むと熱がこもってしまうため、徐々にCPUの温度が上昇してしまいがちだ。
盲点となりがちなのがビデオカードの発熱。「G-Master Axilus」ではフロントの大型ファンからの風が直接ビデオカードにまで届くこともあり、長時間のゲームプレーでも熱の心配なく楽しめる。
もうひとつ、CPUクーラーの冷却効果を高めてくれるのが、背面ケースファンの位置だ。「Hyper 212 EVO」は大型ヒートシンクと120mmの大型ファンとを組み合わせたサイドフローのサイドフローの空冷式となるが、この高さとケースファンの高さがちょうど合うように配置されている。これにより、CPUクーラーから出た熱風がケース内に拡散することなく、スムーズに外部へと排出されるわけだ。
こういった細かな組み立てのテクニックが駆使されているのが、長年BTOパソコンを販売してきたサイコムのノウハウといえるだろう。
自作PCの場合は「見えなければいいや」という感じで不要なケーブルを押し込んでしまいがちだが、見えない裏側までしっかりキレイに仕上げているのもサイコムの特徴。後からHDDやSSDを増設したい、ビデオカードをハイスペックのものに交換したいといった時も、必要なケーブルを取り回しやすいのがメリットだ。
こういった見えない部分まで手を抜かず、しっかりと作られているのが好印象だ。