アップルのCEO、ティム・クック氏が来日し、アプリデベロッパのTimeTreeを訪問した。2008年にApp Storeのサービスがローンチされてから、わずか11年で「モバイルアプリを設計・開発する」というビジネスの形が生まれた。
日本国内でApp Storeが創出・支援した雇用は57万、日本を拠点とするデベロッパの数は70万を超えているという。
App Storeから大きく羽ばたいたTimeTree
今回クック氏が訪ねたTimeTreeは、2014年9月に5名のメンバーが創立した日本の若いスタートアップだ。同社が現在App Storeに公開しているスケジュール共有アプリ「TimeTree」は、2015年末にアップルの「App Store Best of 2015」に選ばれ、以後瞬く間に急成長。
現在は世界に1900万人以上のユーザーがいる。会社の規模も現在は40名を超えて、伸び盛りの時を迎えている。
白いTシャツにベージュのカーディガンを羽織り、カジュアルなジーンズスタイルでTimeTreeのオフィスに現れたティム・クック氏は、代表取締役・共同設立者である深川泰斗氏と握手を交わした後、リラックスした表情で深川氏からTimeTreeアプリのハイライトについて説明を受けた。
冒頭にクック氏が「TimeTreeアプリのユーザーインターフェースが、とても洗練されていると思います」と深川氏に伝えると、ふたりの会話が一気に弾んだ。クック氏は、カレンダーとコミュニケーションの機能をシームレスにつないだアプリの高い機能性や、iOS 13の目玉機能である「ダークモード」にもいち早く対応したTimeTreeの積極的な開発スタイルにも刺激を受けていたようだった。
2015年の創立から着実に成長を続けてきたTimeTreeのヒストリーにも聞き入っていたクック氏は、「今後のグローバル展開の計画」を深川氏にたずねた。深川氏はアプリが既に13ヵ国語対応を完了していることや、ドイツにアメリカ、台湾などを先駆けに世界へ展開していることをクック氏に伝えた。「それはすごいですね!」と感心した様子のクック氏は、深川氏と喜びを分かち合うように笑みをこぼした。
続いて開発チームのワークスペースにも招かれたクック氏は、TimeTreeのエンジニア各氏とともに和やかに談笑しながら、アップルが提供する開発ツールに対するリクエストや、アップルが提供する機械学習のフレームワーク「Core ML」への手応えなど、寄せられた生の声に対して真剣に耳を傾けていた。