セルシスは、ペイントツールのスタンダード「CLIP STUDIO PAINT」の全機能が使えるiPhone版「CLIP STUDIO PAINT for iPhone」を12月5日(木)全世界同時にリリースした。本アプリは「CLIP STUDIO PAINT」のすべての機能を備え、Windows、macOS/iPad版と同じ機能を利用できる。
本アプリは、1日1時間は全機能が無料で利用できる。時間制限なしで使用する場合は、「CLIP STUDIO PAINT PRO」(以下PRO)か、「CLIP STUDIO PAINT EX」(以下EX)のどちらかのグレードに申し込む必要がある。PROはイラスト制作に必要な機能がすべて備わっており、アニメーションは24フレームまで作成可能、価格は月額100円。EXはマンガやアニメーション制作に特化しており、複数ページの管理が可能で、アニメーションのフレーム数は無制限となっていて、価格は月額300円になっている。
また、CLIP STUDIOの各サービスの利用で貯まるポイント「CLIPPY」を30CLIPPY使うことで、無料利用時間を1時間延長できる。12月5日より「iPhone版リリース記念 ログインボーナスキャンペーン」が開催、1日1回15CLIPPYがログインボーナスとしてプレゼントされる。
同社によると、近年のPCを所持していない若年層は、スマートフォンで絵を指で描いている人も多いという。iPhoneの場合、3Dタッチ対応であれば、筆圧も感知するので、指でも筆圧に合わせて太さを変えて、絵が描けるという。
12月5日中には既に販売されているWindows、macOS/iPad版も同じくアップデートされ、UIが直観的に使えるモダンなデザインに変わるが、iPhone版のUIは、スマートフォンのサイズで使うのに適した構成になっているとのこと。
iPhone版にはエディットバーが追加され、ペンと消しゴムをワンタップで切り替えたり、ブラシサイズを変更できたりと、よく使うツールのアクセスがラクに行なえる。彩色の方法もさまざま。帽子だけ塗りたい場合は、帽子を囲って範囲指定したり、指でなぞるように塗りつぶして彩色することも可能。
また、SNSで話題になった「全自動彩色」を使うと、AIが自動的に絵全体に予測で色を塗ってくれる。AIによって塗られた色が、自分では気づけなかった色使いの気づきなどになるようだ。
もちろん、イラストだけでなく漫画もスマートフォンのみで描ける。簡単にコマ割りができ、後でコマのサイズの変更も行なえる。
トーンも範囲指定で設定可能。指でなぞってトーンの削りも行なえる。アニメーションの作成のほか、3Dモデリングも利用できる。さらに、スマートフォンのカメラで撮影した写真をそのまま貼り付けて、イラスト調に変えて背景として利用したり、カメラで写した人のポーズを3Dモデリングに反映できたりと、カメラを使った活用はiPhone版、iPad版ならではの機能だ。
CLIP STUDIO ASSETSには、ブラシやテクスチャ、3D素材などが4万点以上そろい、シェアも可能。作成したファイルは、保存時にクラウドに同期できる。また、iPhone版、iPad版では、作成したイラストやアニメを手早くTwitterなどのSNSにも共有できる「クイック共有」といった機能も備えている。